さて、今日もお客様からお預かりしているお品をご紹介したいと思います。
引き続き、修理のお品たちです〜。


国産ナラ材で、一本ずつ手削りしたとっても手間のかかったお箸です。
使い心地を追求したお箸で、箸先がとっても細く、1mm前後しかありません。日常使いには向かないお箸なんですが、やはり使いやすさや心地よさでたいへん人気があります。
デリケートなお箸なので、つい力が入ってポッキリ…

折れた箸先はもう戻りませんので、そろえて切断して成形→塗り直しというお直しとなります。
このお箸は片方がおそらく3cmくらい折れてしまい、工房に戻ってきました。お直しをしたので、長さが18cmくらいと短めのお箸となっています。


あとは、全体を上塗りして仕上りですね〜。
先がポッキリというのは、持ち主さんにとっては、ちょっとセンセーショナル?な事故ですが、先を切って整えるという修理法でしたら比較的簡単なお直しとなります。(箸先に過重がかかるお箸は、先をつなぐという修理はほとんどできません)
ただ、どうしても短くなっちゃいますが… 仕上がると「最初からこのサイズだったような?」と錯覚するくらい自然な仕上りとなります。


これも、最初に写真を撮っておけばよかったな〜。
先っぽがギザギザに欠けて戻ってきたスプーンちゃんです。全体を脱脂して、欠けた部分にさびや漆を少しずつ入れて、元の形に戻している途中です…。写真ではほぼ戻っているように見えますが、まだいくらか小さな凹みがあります〜〜

こうしたカーブのある部分、しかもスプーンの先端というデリケートな部分の直しはとても気を使います。
こんなお直しさんたちですが…
作業の合間に、近い修理内容のものをまとめて作業しています。
手間はわりとかかる作業なんですが、使う漆やさびはほんのちょっとなので、まとめてやる方が効率いいし、調子もやはりよいですねえ…。
私のところに来る修理品たちは、軽症のものがほとんどで、もっと重症なもの(パッコリ系)はたいてい松本のところに行きます。そしてすごく時間がかかります…。
修理に出されているお客様、しばらくご不便をおかけしていて申し訳ありません。

心をこめて治していますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。

おいおいおい〜〜
乾燥機にかけているお布団にバフッと乗っかっているむぎ君です。
むぎ君の重圧で、温風の循環がとまっています…