2008年05月08日

■お嫁入りしたフリーカップたち。

あっという間に過ぎてしまった、ゴールデンウィーク。
ずっとお天気がいい日が多かったので、行楽を楽しまれた方も多いのではないでしょうか。
(香川のうどん屋さんもすごい行列でしたexclamation
工房のうつわを愛用して下さっている方たちから、このゴールデンウィークの写真をいただいているので、いくつかご紹介したいと思います。


バッド(下向き矢印)先日、山梨県の御師(おし)の家に行ったフリーカップ。

5/8カムナビ1
御師の家カムナビさんで使って下さっています。^^
これはお天気がいい朝、宿泊の方に朝食をお庭で出した時の写真だそうです。(のどかですねえ)
トレイに乗っている赤いうつわが漆のフリーカップです。
右上に、ひそかに野良猫さんがのぞいている影が写っています。笑


バッド(下向き矢印)今年の胎内祭の写真もいただきました。

5/8カムナビより胎内祭
洞窟の中から写したもの。
祭事の始まる直前の風景です。

この神秘的なお祭りは「吉田胎内」と呼ばれる洞窟にある吉田胎内神社で行われます。吉田胎内は、富士山麓にある洞窟で、1200年以上も昔に、富士山噴火の際流出した溶岩流により出現したものだそうです。
古来から富士登山巡拝者の霊場とされており、富士講の貴重な遺跡として、現在は冨士山北口御師団が管理されているとか。
カムナビさんから聞くところによると、吉田胎内はコノハナサクヤ姫をお祀りしているそうで、この盛況ぶりに美しい女神様もきっと喜ばれていると思います。



バッド(下向き矢印)さて、こちらは別の方からの写真です。(拡大します)

5/8
なんと行楽地に、工房のうつわをいくつか持参してアウトドアで使って下さったみたいです。あせあせ(飛び散る汗) (ほかのうつわと組み合わせていますね)
こちらは、お椀とスプーン。

5/8
左上はフリーカップ。真ん中の箸はナラの削り箸、箸置きはクスのへぎ板です。

5/8
藤棚を背景にしょった、フリーカップとスプーン。


写真を送ってくださって、本当にありがとうございます。
でもでも、思わぬ使い方をされてたりするんですね… 本当にいろいろ楽しんで下さっているようで、びっくりしましたexclamation
これなら、少々事故があったとしてうつわが傷んでも喜んでなおそう!って思ってしまいます。

ちょっとうれしくなるお写真だったので、ご紹介してしまいました。


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posted by 宮崎佐和子 at 21:51| Comment(6) | TrackBack(0) |   今日の漆フリーカップ
この記事へのコメント
ご無沙汰しております。以前コメントで漆の実生について質問させていただきました村田貴洋です。このゴールデンウイークは、天候にも恵まれ、実家の京都府夜久野町で田植えと漆の世話に明け暮れました。

昨年秋に採取した夜久野の漆の種を、木工作家の田中誠さんと3月23日に脱ろう処理をし、4月6日に撒きつけ、田中さんにみずやりをお願いして待っていたところ、ゴールデンウイーク中に発芽が始まりました。

大阪の化学会社に勤めておりますので、濃硫酸の入手が可能で、それで脱ろうをしたところ、うまい具合に発芽してくれました。

http://www.sol.dti.ne.jp/~muratatk/urusi20080508.htm

渡邊勘太郎さんに関する記述
http://waurusi.sakura.ne.jp/diary/diary.cgi?mode=popup&y=2005&m=10&d=15

や、徳島県の資料
http://www.green.pref.tokushima.jp/shinrin/ringyo/pdf/urusinokisaibainosusume.pdf

を参考にしながらやったわけですが、次のステップは、本葉が5枚程度になってからの植え替えです。

情報が少なくて、またレクチャーをお願いしたいのですが、「フタバは鳥が好むので鳥よけが必要なのはわかりましたが、本葉にも鳥よけが必要なのでしょうか?」

宮崎さんのブログを見ると
http://waurusi.sblo.jp/category/56311-1.html

ポットでやっておられ、環境もだいぶ違うと思うのですが、渡邊勘太郎さんをはじめ、実生をやっておられる方々は植え替えにあたりどんなことを注意してやっておられるのか、ご教授お願いします。

ちなみに、鹿の食害対策には、昨年10月の切り旬にチェーンソーで切り倒した竹をこのゴールデンウイーク中に杭にして、リサイクルの海苔用養殖網を張りめぐらせて対処する予定です。
Posted by 村田貴洋 at 2008年05月08日 23:07
村田さん、こんばんは。^^
お久しぶりです。
コメントを下さいまして、ありがとうございます。
えっと、あれから京都府林業試験所でお話を聞かれたりとかはされましたか?


かわいい双葉が出ているの、見せていただきました。^^
脱ロウがうまくいって、ぶじ発芽できてよかったです。(最初の脱ロウが大変なんですよね)

ちょっとお聞きしたいなあと思うのですが、
たしか丹波は、昔から「分根」で苗を作っている背景があるのですが、村田さんたちは「実生」の苗を丹波に増やしていくおつもりなんでしょうか。
なぜかなあ、と思いまして、よろしければ教えて下さると幸いです。
Posted by 宮崎佐和子 at 2008年05月09日 20:28
夜久野にある府立緑化センター等に問い合わせましたが、スギ・ヒノキの研究はやっているのですが、うるしについてはそれほどはかばかしい研究はなされていませんでした。濃硫酸を使うのは危険なので、ハンマーで叩いたものだと発芽率か高まるかという実験をしてみたことはあるらしいのですが、何もしないのと有為な差は無かったそうです。

夜久野にはたしかに丹波一号といった、うるし株が特定できているのですが、これは雄株で種がなりません。また、たしかに分根だと親株の特性を良く受け継いだうるしの木が得られる訳ですが、夜久野ではただ1人の人が年に数本分根するだけで、その人の持ち分を冒すことは非常に困難なのが現状です。また、丹波一号から採られたうるしを田中誠さんが使われたのですが、乾きが非常に悪く、作品作りに耐えないという難点があります。そこで、昨年、夜久野でうるしが掻かれた木から実を採って、大きくしてみるというのが、誰の利害も冒さず、また使用に耐えうる乾きの良い漆が得られるという可能性が高いものと判断して、実生に取り組むようになりました。
Posted by 村田貴洋 at 2008年05月09日 23:54
村田さん、こんばんは!
お返事を下さいましてありがとうございました。^^
うーん、どうしても実生法がいいんですね、
ウルシの木を育て将来漆を採る…というのは、長期スパンでの仕事です。
私たちはその土地や歴史背景に合った方法で木を育てるのが、木にも人も無理がない…と思っているのでちょっと不思議に思い、おたずねしてしまいました。
(私たちも分根です。工房の庭で実生の苗を発芽させることも少し前からやっていますが、これはどちらかというと研究資料用にやっています。育てている苗の主流は分根です)

で、遅くなりまして恐縮です。

>情報が少なくて、またレクチャーをお願いしたいのですが、「フタバは鳥が好むので鳥よけが必要なのはわかりましたが、本葉にも鳥よけが必要なのでしょうか?」

新潟の渡辺勘太郎さんは、鳥除けをされてたかと思います。
でも、うちではしたことがありません。
鳥…ちっとも狙ってくれませんね。笑
鳥よけが必要かどうか、は、地方性や環境によって全く異なるかと思います。
なので、ちょっと現場を知らずにお答えはできかねます。
植え替えに関しても、同様かと…。

緑化センターさん、たずねられたんですね。
ネットで見ず知らずの者にお聞きするより、どんどん地元と提携して情報を活用するのがよいかと個人的には思います。
緑化センターさんは漆専門、というわけではありませんが、夜久野の環境を熟知しておられると思います。

>また、丹波一号から採られたうるしを田中誠さんが使われたのですが、乾きが非常に悪く、作品作りに耐えないという難点があります。

ネット上は、いろんな方がごらんになるかと思いますので、このお考えに私たちの見解を追加させてくださいね。

漆樹液のよしあしは、木の品種だけでなく環境も関係し、何より漆掻き技術にいちばん左右されます。同じ木から、乾きの早い漆、遅い漆、両方採れることもあります。「丹波一号の漆(丹波漆)が乾きが非常に悪く、作品作りに耐えなかった」とのことですが、これもいちがいにはいえないと思います。
また、試された田中さんにとっては「使いにくい、よくない漆」だったかもしれませんが、私たちなら「乾きにくい漆?けっこういい漆かも」と興味を持ってしまう方です。

また、分根法もうまくすれば、数百本苗を作ることもできますよ。岩手や新潟のように、植えるところがいくらでもある(数千から数万本単位)というなら実生法でしょうが、西日本なら分根で十分すぎるくらい苗ができます。

漆掻きできるようになるまで育てるには10年以上かかり、特に丹波は鳥獣害が多いところなので先代からの優良種を育てる方がリスクが少ないかも、と思ってしまいます。
が、これは私が口をはさむところじゃないですね。^^;
このご時世に漆を増やして育ててくださることじたいが、たいへん意義があることです。
これからもがんばってくださいね。
Posted by 宮崎佐和子 at 2008年05月10日 22:19
ご返答ありがとうございました。うるしの掻き方の問題も有りですか・・・・・。どう、湿度・温度を調整してもなかなか乾かなかったのですが、これは田中さんとともに、ますます研究の深みにはまってしまいそうですね。ここらへんの技術が、すっかり夜久野では忘れられつつあり手探りともいえる状況です。お住まいやら、浄法寺町へ視察に行く機会もあればと思っております。鳥網を渡辺さんはしておられたようなので、ちょこっと植え替えをしてみて、鳥除けが必要か試してみることにします。また、進捗があれば報告します。ありがとうございました。
Posted by 村田貴洋 at 2008年05月12日 00:38
村田さん、こんばんは!
お返事をありがとうございます。

漆ってほんとうに神秘的ですよね。
漆掻きできるようになるまでに、木が育つのに月日がかかりますが、それまでがんばってください。

夜久野には、熱〜い情熱を持った漆掻きのおっちゃんたちがいるので、心強いですよね。^^
決して手探りではないと思いますよ…。
地元の愛につつまれて、木が成長することを祈ります。
Posted by 宮崎佐和子 at 2008年05月12日 20:33
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