きのう、愛媛県宇和島市へ日帰りで行ってきました。
お目当ては、宇和島の真珠

特に取材という訳もなく、一観光としてブラリと行ってきたんです。
ずーっと工房に閉じこもっていて「仕事あるし」ときっちりした休みも取らないのがいつもなんですが、知らず知らずのうちにストレスが溜まっていたのか最近ぜんぜん効率があがらず…


その様子を、さらっとご紹介しますね。^^
宇和島市は高速を使って3時間くらいでした。
宇和島駅前でお食事をしてから、さっそく土井真珠さんへ。
宇和海の宇和湾(ここ)にある土井真珠さんは、養殖場と作業場と一緒に素朴な店舗があって、作業を見せていただくことができます。

土井真珠さんの見学用のあこや養殖場。
汐の香りでいっぱいです!
「こんにちはー」と行くと、ちょうど「核入れ」の時期で、奥さんが核入れ作業をせっせと行っていました。
そんなお忙しい中なのですが、あこや貝の中で育っている真珠を見せてくれました。


網を引き上げて…。この藻が付いた網の中に、粒を抱いたあこや貝さんが並んでいます。(どきどきする私)
あこや貝、オープンです。


最初に開けた貝は、粒がいまいちだったので
二枚目も開けて下さいました。(貝さんごめんなさい)
二枚目も開けて下さいました。(貝さんごめんなさい)


きれいなブル−の真珠。

巻きがおかしいので商品価値はないとのことですが、うっとりするような深いブルーグレーです。

こちらはクリーム色のまんまる真珠。

こちらは巻きがきれいです。生きた貝の肉の間から、真珠をつまみ出すのはなんとも不思議な気分…。
同じ網で並んだ貝なのに、けっこう色が違うものですね。(ちょうど核入れしてから1年たったものだそうです)

見せてくれました。

コリコリした固めの肉で、あまり出回ることのない珍味なんだとか。
肉もおいしそうですが、あこやの真珠層、ほんとにキレイ。シャボン玉のような、虹のような色をしてます。
この色が真珠珠に移るんですねえ。


手前の真珠たちは、貝から出て来る真珠たちですね。
ほんとうにいろんな状態で生まれて来ます。
そんな真珠たちの巻きによるテリの違い、真珠の価格の違い…。いろんな真珠をサンプルにていねいに教えてくださって、勉強になりましたよ。
生き物の力から生まれるものなので、漆との共通点はいろいろ感じて興味深かったです。



ブルーあこや(セミバロック)のステーションネックレス。カジュアル使いにするにはこのタイプがぴったりかな。
土井真珠さん、ありがとうございました。^^
それにしてもちらっと見に行っただけですが、実際に現物を見るのはグッときますね… 土井真珠さんは、地元の学生さんを呼んで体験学習をしたり、積極的に見学を受け入れたり、精力的に活動されてます。
女の子なら「わーきれい!」と、たいてい真珠ファンになってしまうのではないでしょうか。大きくなって宝石店にある真珠の見る時も、おのずと見方が変わっているんじゃないかと思います。


おかげで原貝大好きの松本の資料が増えたんですが…。あこや貝ってこんなに小さいんですね。

思い出した一件があります。
ちょうどお昼に行った宇和島駅の前に可愛い子ネコがいて、道行く人に餌をおねだりしていたんですが、近づいておやつをあげていると小さいその子がお腹の大きい母ネコだと気づいてびっくり。
どうみても子ネコにしか見えないのに… 小さな体のどこにそれに耐えられる力を秘めているのか、と思った出来事があったばかりだったのです。
大きく美しい真珠を抱いている小さく華奢なあこや貝も、それと似た印象がありました。
さて海沿いには、こんなあこや母貝の作業場があちこちにあります。


この小屋の中で核入れを行っているみたいです。
海産物でもありジュエリーでもある真珠。
とても不思議な存在ですけど、その認知度は高いですね。
漆も、農産物であり工芸品でもあるので、ある意味似ていると思うのですが…。
ますます興味がわきました。
宇和島は同じ四国内なので、また機会を作って見に行きたいです。