2006年11月18日

■「手仕事の日本/柳宗悦著」の善通寺の塵取。


11/18手仕事の日本。

工芸や日本文化に関心のある方なら、必ず一度は手に取る1冊です。著者の柳宗悦氏の起こした民藝運動は、多大な影響を後世に与えるのですが、残念ながら彼が接した美しい“手しごとのもの”の多くが消えていきます。

さて、著作では柳宗悦が日本全国で目にした手仕事の品物を、味のある挿絵とともに紀行風に紹介しています。
その中に「四国ー讃岐善通寺の塵取」というものがあります。

『善通寺の荒物屋で見かける品に、一閑張の塵取で、とても便利なものがあります。作り方は一枚の厚紙をとり、下の二隅を重ね合わせたものに過ぎませんが、その合わせ方から自然に生まれた形が美しい姿をなすのみならず、使い方も申し分ありません…
(手仕事の日本 引用) 』

住んでいる善通寺にあるという一品。この塵取、探したのですがホントにないんです。
荒物屋さんはもちろん、地元の古くからある商店街の方も知りません。(いろいろ聞いたので、元々は善通寺というより琴平の方が発祥に近いらしいということくらいが分かりました)
それから数年、すっかりちり取りのことは忘れていたのですが、ちょっと意外なところで発見しました。

善通寺のちり取り。
一閑張りの塵取り。

高松市の栗林公園内の讃岐民芸館の片隅にひっそりと展示されていたちり取り。特に詳しい説明書きはないというつつましさですが、どうみても「讃岐善通寺の塵取」の挿絵にそっくりなのです。

柳宗悦氏があまりにも生き生きと、リアルに見てきた品物について語るので、つい自分の周囲も大正15年に戻り近くの商店街には手描きの凧を飾ってあったり荒物を置いている…そんな錯覚に陥ってしまいついつい品を探しに行きたくなる、そんな罪作りな一冊です。iモード

※岩波書店/1985年文庫化
posted by 宮崎佐和子 at 21:38| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ BOOK
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