2006年11月25日

■金継のしごと。


漆を使う仕事で、よく知られているものに「金継」があります。
欠損した陶器を漆で修復する仕事で、よい器は欠けていてもいい金継をほどこしてあると価値は失われず、また永く使えるので、うつわ好きな方や物を大事にされる方にとても関心が高いものです。
11-25-金継1.jpg
李朝の小皿。
お世話になったお茶の先生から預かったものです。
欠損は右のふち。欠けて反対側も無くなってました。
(左下の赤いふちの凹みは油薬の切れです)

11-25-金継2.jpg
漆や漆を使った下地で欠損の部分を作ります。
(この場合は主にさびとべんがら漆)
今回のようにふちの反対側まで無いものは
器の全体の形を見ながら、再現していきます。
(破片のあるものは漆で貼り復元します)
これはもう蒔絵仕上げができそうです。


工房では基本的には金継や修復の仕事は受けていません。
お問い合わせはいただくのですが、作品展の仕事で埋まっているのでなかなか積極的にできないのです たらーっ(汗)
(この小皿ももう4年は預かっています… まだあと一つある〜 ^^:)
これはもう一押しでできるので、年内にはお渡ししたいなあ。
また金蒔きの作業の時には様子をお知らせしたいと思います。

それにしても、2〜3時間でできる金継ぎ授業(もちろん漆は使わない)とか、お店で金継キットとかを売っているそうです。いったいどんな内容か興味あります。^^
でも、どんな金継もすごくカンタンに早くできると勘違いする人がいっぱい増えたらどうしよう、と思っちゃったりするのです。iモード
posted by 宮崎佐和子 at 23:29| Comment(12) | TrackBack(1) | ■ 工房の仕事
この記事へのコメント
確かに、簡単に出来るなんて思われると困りますよね(´∀`;)
色や質感など合わせるのも、物凄い手間と時間が掛かりそうです!
Posted by つゆくさ at 2006年11月26日 02:38
私が習ったのは 本当は麦漆をつくるんだけどといいつつ 二色接着剤とパテで成型しました
それに漆と消粉でした 
今気がついたのですが 奈良骨董修理室で検索して金継ぎを見たら 私の写真がでてきてびっくりしました
金継ぎセットはハンズでも売ってますよ 
できるのかどうかは知りませんが
Posted by 大塚 at 2006年11月26日 04:25
金継ですね。確かに漆を使うって聞いたことがありますが、詳しいことは知りませんでした。
金継をして残そうと思うものは、その陶器自体がかなり古いものだったり、高価なものだったりするものですよね。修復となると大変だろうと思います。プロのお仕事の結集ですね。
Posted by ききょう at 2006年11月26日 07:41
つゆくささん、こんばんは〜^^
きちんと進めていれば何年もかかるってことはないんですけど、一度やった方なら分かると思うのですが、ちょっとしたものでも半年くらいは平気でかかっちゃいます。^^:
でも、思い出しながらしてるので今回は時間かかりすぎ…
Posted by 宮崎佐和子 at 2006年11月26日 19:36
大塚さん、そのページを見たのですが写真がたくさんあってどれか分かりませ〜ん^^: 気になります。

麦漆を使うと乾燥するのにすごく時間がかかるから、けっこう待ちます。
刷毛を割って複数の小さい刷毛に仕立てた時に、麦漆を使いましたが、2週間は置いていました。合間にするのなら気にならないけど、もし習っている方なら待切れないと思います。
Posted by 宮崎佐和子 at 2006年11月26日 19:45
ききょうさん、コンバンハ^^
金仕上げが多いのですが、金工でなく漆のしごとなんですよね〜。大きく欠損しているものは、再現がタイヘンです、漆で一度で作れるのはほんの少しなので…
でも金継ぎってほんとに日本人らしい発想だと思います。
Posted by 宮崎佐和子 at 2006年11月26日 19:53
やはりわかりませんか そうですよね
トップページの右下に金継指導塾とあって
ワンクリックしたページの金継ぎ講座1回目をクリックしてください 
ちょっと文章が難解ですが・・・
昨日広重さんに注文した刷毛が届きました やっと漆刷毛でぬれると喜んだんですが ほぐしにゴミだしが大変・・・塗り心地は良かったんですが まだゴミが・・・またやり直し
Posted by 大塚 at 2006年11月26日 22:12
大塚さん、こんばんは^^

おお!ついに刷毛デビューなんですね!
ゴミそうじ時間がかかりますが…焦らずがんばってください。
金継教室のページみたんですが、大塚さん自身が写ってらっしゃるのかな。それとも器かな。思わず松本とじいっと見てしまいました。笑
Posted by 宮崎佐和子 at 2006年11月27日 20:21
すいません 私です・・写真嫌いで顔は映らないようにしてました
刷毛 実は八本も買ったのです 鎌刷毛も・・

やりかけは二三十あるのですが 全部違う工程で違う塗りなので 結局同じ漆で塗るのは 二三個です そのために刷毛洗って掃除して 塗って 洗って掃除して 油つけて・・・なんとか手抜きできないですかね 
漆洗わないで ラップでつつんで真空パックなんでだめですか? 
Posted by 大塚 at 2006年11月27日 23:42
大塚さん、お返事遅くなりました^^

す…すごい、たくさん取り組んでらっしゃるんですね〜。
漆って準備や片付けに手間がかかるからその気持ちよーく分かります! (漆も刷毛に付いて残るほうが塗る量と変わらなかったりして)

>漆洗わないで ラップでつつんで真空パック
わるくない案だとは思いますよ〜。
ただ心配なのは乾燥促進剤の入った漆(見た目は分からないし表示もされてない)だったら、長くおいていると空気を遮断しても乾きつかないかってことくらいかな。
傷んでもいい刷毛か筆で試してみてはいかがでしょうか。
Posted by 宮崎佐和子 at 2006年11月29日 18:53
エラク昔の記事で失礼します。

>やりかけは二三十あるのですが 全部違う工程で違う塗りなので 結局同じ漆で塗るのは 二三個です そのために刷毛洗って掃除して 塗って 洗って掃除して 油つけて・・・なんとか手抜きできないですかね 

金継ぎの盛り上げるのは漆でするんですか・・・
チョイチョイと、盛り上げるだけなら刷毛を使わずに、爪楊枝とかじゃだめなんですか?
Posted by 舁だんじり at 2007年11月21日 20:15
舁だんじりさん、こんばんは!
いつもコメントありがとうございます。

>爪楊枝とかじゃだめなんですか?

仕事の内容にもよりますが…
楊枝でできるような仕事もありますよ〜。^^
漆さびで大きな欠けを少しずつ埋めるような仕事とかは、そんな道具でちょっとずつ、というのもいいと思います。

金継の仕事は、その回ごとに使う材料の量がすごく少ないので、1、2個だけするのではなくて、まとめた数をするか、また別の漆の仕事のついでにするのが、無駄がなくっていいです。(…といいつつも、よく忘れて片付けちゃったりするんですが ^ ^;)




Posted by 宮崎佐和子 at 2007年11月21日 22:40
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