2008年11月12日

■2008年産の茨城漆、盛辺2貫。

さて、浄法寺漆の次になってしまいましたが、今年仕入れた茨城の飛田祐造さんの漆を紹介したいと思います。
茨城の漆は、今年は5貫の量をお願いしていました。
それで、この9月に漆が届いていたのですが‥。

松本の厳しい品質チェックの結果、たいへん申し訳ないのですが‥ご相談して返品することになったのです。

バッド(下向き矢印)で、新しくまた別の樽の漆を送ってくださいました。
11/12茨城の漆樽
3貫目と2貫目の樽です。


その荷物と一緒にこの子が入ってました。

11/12茨城の漆と一緒にきたカメムシさん
茨城から直送されたカメムシさん。
この日から香川の住民になりました。


‥そして、また松本の厳しい品質チェックが始まりました。ふらふら

その結果。
2貫目の樽の方だけを入れさせてもらうことになりました。(飛田さんごめんなさい) 
工房では、国産の漆しか使いません。
でも、「国産の漆だったらなんでもいい」というわけでは、決してないんです。品質には、ものすごく厳しいです。
きっと、前回返品した漆もほかの方なら「いったいどこが気に入らないの?」と必ず思われるはずです。
でも、気に入らない漆は使いたくないのです。


バッド(下向き矢印)これが仕入れた今年の茨城の漆です。ぴかぴか(新しい)
11/12茨城の漆樽

11/12茨城の漆樽

さて、これから開けますね!
11/12茨城の漆樽

バッド(下向き矢印)これが茨城の盛り漆です。

 (クリックで写真が拡大します)
11/12茨城の漆アップ
11/12茨城の漆アップ

マイルドで穏やかな漆です。個性はあまりありません。
今回の浄法寺の漆よりも、かなり粘りがあります。乾きは、かなり早いと思いますよ。

バッド(下向き矢印)この漆もヘラ立てしてみました。
11/12ヘラ立て

お分かりになるでしょうか。浄法寺の大森俊三さん(正志さん)の盛り漆のヘラ立てと、浄法寺の大森俊三さんの末辺漆のヘラ立ての写真と比べてみて下さい。
こちらは、液がぷつぷつと切れがちです。あまり伸びないんですよね。

この飛田さんの漆は、工房の器には使用していません。
もっぱら内装の下地仕事に重宝しているんですよ。
岩手の漆ばかり使うのもどうかなあ、と思って第二の産地の茨城産うるしも仕入れるようになり、飛田さんにお世話になっています。
大森さんの漆は多くが上塗り用に仕入れていて、たいへん高級感のある漆なのですが、でもこうした漆はたいへん気難しい漆なんですね。(とっつきにくい美人のようなものでしょうか)使いこなすのにはとても神経を使います。
飛田さんの漆は‥ 決して美人ではないですがよく働くいい奥さんみたいなものです。大きな下地仕事をする時に頑張ってもらっています。ムード

でも、上塗りに使いたいような茨城漆もほしいんです。
つねづね思っています。
そしてうれしいことに、本間健司さんが浄法寺で腕を上げて茨城に戻られるので、かなり本気で?期待しています。
本間さんの求める「茨城」らしい漆ができたら、ぜひ使ってみたいなあ。
漆の道も、まだまだ楽しみがいっぱいあります。^^

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posted by 宮崎佐和子 at 23:07| Comment(4) | TrackBack(0) |   工房に届いた漆たち
この記事へのコメント
飛田さんという方の盛漆は大森さんのものとは随分違いますね…。ちょっと驚きました。
これは浄法寺町近辺より飛田さん(面識もないのに気安く呼んですみません)が掻かれた場所が低地で湿度も高かったということでしょうか。
漆の樹の周辺に水田が多いか少ないかというのは樹液の質に(掻き子さんそれぞれの採りたい好みの漆ということもあるかと思いますが)関係してくるのでしょうか。
Posted by いちご納豆 at 2008年11月13日 20:31
いちご納豆さん、こんばんは。
詳しく見てくださって、ありがとうございます。^^

>飛田さんという方の盛漆は大森さんのものとは随分違いますね…。ちょっと驚きました。

わ〜、画像だけでもお分かりになりましたか。
頑張って写真を撮ったかいがありました☆

>これは浄法寺町近辺より飛田さん(面識もないのに気安く呼んですみません)が掻かれた場所が低地で湿度も高かったということでしょうか。
漆の樹の周辺に水田が多いか少ないかというのは樹液の質に(掻き子さんそれぞれの採りたい好みの漆ということもあるかと思いますが)関係してくるのでしょうか。

土地条件の違いはあります…。
品種の違いもありますが、個別のうるし掻きさんのヒアリングからは、一番大きい要因は目標としている到達点の差と道程が大きな違いとなるようです。
茨城ほどはなれていなくても、浄法寺町内だけで比べても歴然とした違いがあります。

どうぞ、よろしくお願いいたします。
Posted by 宮崎佐和子 at 2008年11月14日 19:54
有難うございました。

7月に新潟方面に行く機会があって朝日町というところにも是非寄ってみたかったのですが予定が詰まっていて残念なことをしました。
お庭の木はなんだか痛ましい様子ですが7.8年丹精込めて育てられたものなのでは…。

昼前に仕事場の上をオオハクチョウの親子が4羽、南に飛んでいきました。
先々週辺りから先発隊が今年もやって来ています。
背中に乗れるものならお庭の木、掘り取りにいきたいぐらいです。
Posted by いちご納豆 at 2008年11月15日 20:54
いちご納豆さん、こんばんは!

いえいえ木はもう仕方がないです。
今日、そのかぶれた業者さんにお会いして(ドキ!)としたんですが… 幸いなことにそんなにひどくなかったです。ホッ。
(でも、一時は目もふさがるくらいだったとか;;)
たぶん、一度根元から切ってしまって、再生させると思います。もう根っこが十分張っているので、次はすぐきれいな木が伸びるかと。

>7月に新潟方面に行く機会があって朝日町というところにも是非寄ってみたかったのですが予定が詰まっていて残念なことをしました。

わ、残念でしたねえ。
その頃は漆掻きも始まっていたでしょう。
でももの事はタイミングというものがあるので、うまく乗ればさーっと行けたりするものです。
また、機会があるといいですね。^^

>昼前に仕事場の上をオオハクチョウの親子が4羽、南に飛んでいきました。
先々週辺りから先発隊が今年もやって来ています。
背中に乗れるものならお庭の木、掘り取りにいきたいぐらいです。

ええ、いちご納豆さんは、オオハクチョウが飛来するところにいらっしゃるんですか??
すご〜い
さぞ、きれいで迫力あるでしょうね!
親子で飛んでいるなんて、とても可愛らしいです。

香川では、私には名前も分からないようないろんなカモさんがやってきて、田んぼを探索したり、ため池で群れています。
みんな、ぷりぷりしててかわいいです。^^

Posted by 宮崎佐和子 at 2008年11月15日 23:14
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