松本が、大きな内装の仕事をしました。
* * * * * * * *
2008年8月 牛島総合法律事務所(東京都溜池山王パークタワー内)にカウンターテーブル天板・ニッチを納入しました。
100%日本産漆で、綿密に打ち合せをして制作させていただきました。ウチダオフィスカタログ2009年の巻頭記事Case6(P24)に施行事例が掲載されています。

牛島総合法律事務所エントランス
「牛島の藤」下地/本堅地
漆/2007年飛田祐造 茨城産盛り漆
2005年 大森俊三 裏目漆、2004年 大森俊三 盛辺精製漆
「牛島の藤」下地/本堅地
漆/2007年飛田祐造 茨城産盛り漆
2005年 大森俊三 裏目漆、2004年 大森俊三 盛辺精製漆
赤紫色の壁面のシンボル(ニッチ部分)。真っ白な大理石の床のエントランスホールの一番のポイントとなるところで、この部分を松本が担当しています。
このニッチにはお施主様の名前にちなんで、特別天然記念保存木の牛島の藤のイメージを配置。理知的なお施主さま(牛島氏)らしい、シャープなラインの藤をプラチナで表現しました。

牛島総合法律事務所 受付カウンターから
手前に写っている、半つや消しの黒のカウンターも今回の仕事です。大森俊三の盛り漆を上塗りに使い、あたたかくもシックな質感に仕上げました。

さて、使用した漆ですが…。
ニッチ、カウンターとも、下地は茨城産漆で本堅地。中塗り、上塗りには浄法寺産の大森俊三さんの漆で仕上げています。もちろん、溶剤なしのオール日本産漆です。
上質な日本産漆らしい、独特でノーブルな質感やその意匠は、お施主さまにたいへん気に入っていただいたそうです。
* * * * * * * *
ここからは、舞台裏をちょっとご紹介します。^^
この仕事ををしていた時の関連記事です。
↓
※制作の様子(下地)
※納品の様子
※調整のため東京へ出張
※おつかれさま!打ち上げの様子
この漆の仕事は、設計事務所さんをはじめ、東京の「漆チーム」のメンバーたちと、みんなでした仕事だったのです。(打ち上げではしゃいでいますね ^^;)
もちろん、こまかい打ち合せの大半は東京の「漆チーム」の面々が現地でしてくれて、制作は香川県。
そして出来上がった現物を、送ったのでした。
納品したものがぶじ着き、現場の方が設置したあと、松本が現場に行って最後の調整をしました。
その時の様子を「漆チーム」が写真を撮ってくれていましたので、これもご紹介しようと思います。


この機会に、ちょっと気になっていた金箔の入り具合を、すべて組み上がった現場で、バランスを見ながら仕上げることができました。
一応、計算して入れていたのですが、やはりきちんと立体になったところに仕上げができたので、良かったです。



そもそもこれは、東京のとある弁護士さんの事務所の設計の一部に漆の素材が採用されたことから始まった仕事でした。
プロジェクトは今年の頭ごろから始まったのですが、ここまで大きい仕事は仲間も松本も初めて。
プロジェクトチームの仲間と団結して、本当に大変良い経験をさせていただきました。
* * * * * * * *
ほか、写真には撮っていませんが…。
ほかにも粋なものもご注文をいただいて作りました。
お施主さまの牛島信氏は弁護士なのですが、なんとプロの小説家でもあるいう、非凡な才気の持ち主だったのです。(著作をたくさんお持ちです)
作品では、プロの弁護士ならではの鋭いリアリティーで企業のドラマを多々描き出しているのですが、その代表作「株主総会」の私蔵書の表紙を、後日、漆で制作させていただいたのです。専門の装丁屋さんが仕上げたので、それはみごとな秘蔵本になったことと思います。
それにしても…。
お施主さまのパワフルさには、おどろくばかり。
