ものごとは、表面化しているもの・目立つものばかりに気をとられがち。漆の木でもそうです。葉っぱや幹や枝の成長ぐあいにまず目がいきやすいのですが、漆の木にとって同じくらい大事なのが地下の根っこです。

漆の根。先端部分の細かいところです。
木の根といえば、地下に深く入り込んでいるようなイメージがありますが、漆の根っこは、比較的地表近くを広範囲に伸びるように走っています。

漆の根を掘り出す様子。
以前、分根して作った苗木から根を採ってます。

出てきた漆の根。
この根を使って、また漆の苗を作ることができます。これは“分根”という方法で親木と同じ遺伝子の苗を得られます。(いわゆるクローンですね)
この根っこを切断するだけで、その切り口から“ひこばえ”が出てくることも。研究生時代、徳島の漆かきさんと一緒に山に漆の根を採りに行ったことがあるのですが、漆の木のある土地の奥さんが「漆の木、いらないからどんどん採って」と言ってくれ、たくさん根っこを切って持って帰りました。しかしその数年後、奥さんの思惑とは裏腹に、漆の木のひこばえがさらにいっぱい生えてきて、往生したという話を聞きました。(^^;)
思わぬ木の生命力にびっくりするとともに、その奥さんが気の毒でならなかったです

なんとなく納得すると同時に自然の力に感激です。
これだけ掘り返したのだったら、あのユリの種はどうなったのでしょうか? ちょっと心配。
私はウルシの木以外、あまり知らないのですが、ひこばえは時々出てうれしくなります。(あ、松本は漆は出やすいと言っています)
ユリの種は、別の場所に撒いていますので大丈夫ですよ〜〜(でもホントに撒き散らしただけ) どうなるのか楽しみです。