2007年01月06日

■漆の木の根っこについて。


ものごとは、表面化しているもの・目立つものばかりに気をとられがち。漆の木でもそうです。葉っぱや幹や枝の成長ぐあいにまず目がいきやすいのですが、漆の木にとって同じくらい大事なのが地下の根っこです。

16-スの.jpg
漆の根。先端部分の細かいところです。

木の根といえば、地下に深く入り込んでいるようなイメージがありますが、漆の根っこは、比較的地表近くを広範囲に伸びるように走っています。

16分根2.jpg
漆の根を掘り出す様子。
以前、分根して作った苗木から根を採ってます。

16スの.jpg
出てきた漆の根。


この根を使って、また漆の苗を作ることができます。これは“分根”という方法で親木と同じ遺伝子の苗を得られます。(いわゆるクローンですね)
この根っこを切断するだけで、その切り口から“ひこばえ”が出てくることも。研究生時代、徳島の漆かきさんと一緒に山に漆の根を採りに行ったことがあるのですが、漆の木のある土地の奥さんが「漆の木、いらないからどんどん採って」と言ってくれ、たくさん根っこを切って持って帰りました。しかしその数年後、奥さんの思惑とは裏腹に、漆の木のひこばえがさらにいっぱい生えてきて、往生したという話を聞きました。(^^;)
思わぬ木の生命力にびっくりするとともに、その奥さんが気の毒でならなかったです iモード
posted by 宮崎佐和子 at 21:01| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ 和漆の木について
この記事へのコメント
以前の記事の中に、漆の種は発芽しにくい・・と、あったと思いますが、種で増えにくい代わりに、ひこばえが出やすいことでバランスがとれているのでしょうか?
なんとなく納得すると同時に自然の力に感激です。
これだけ掘り返したのだったら、あのユリの種はどうなったのでしょうか? ちょっと心配。
Posted by 舁だんじり at 2007年01月06日 22:21
舁だんじりさん、このたびはK-新聞でお世話になりました。^^
私はウルシの木以外、あまり知らないのですが、ひこばえは時々出てうれしくなります。(あ、松本は漆は出やすいと言っています)
ユリの種は、別の場所に撒いていますので大丈夫ですよ〜〜(でもホントに撒き散らしただけ) どうなるのか楽しみです。
Posted by 宮崎佐和子 at 2007年01月08日 22:13
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/2965138

この記事へのトラックバック
Powered by さくらのブログ
y
<!-- [FC2 Analyzer] -->