今日は、珍しくお客さまです。
香川県漆芸研究所の研究生4人(ぴかぴかの1年生ばかり)が「日本産漆が知りたい」と言って工房に見学に来たのでした。
昨年からそう申し出があったのですが、ずっと仕事が忙しかったので年明けて今日にしてもらったのでした。
ふふふ…うちの工房に来るなんて、ただではすみませんよー。

まず、自分の「へら太刀(へら木を削るための刃物)」を見せてもらいました。この道具を見ると、持ち主のクセや仕事の出来ぐあいがよーく分かるのです。(こわっ)
彼女たちのへら太刀を手に採ってにまにまする松本… 何を思っているのでしょうか。

まずテスティング… 匂いの違いを感じてもらいました。(きちんと採った日本産うるしは臭くないのです。そして香りにもそれぞれ特長があるんです)
あっ、みんな顔近付けすぎです。(^^;) ちょっと危ないです。


木地固めできました! 漆の違いが感じられたかなあ。

最上の「盛り漆」を濾す体験もしてもらいました。
この漆は、生うるしでもまるで極上の梨地漆のようにキレイなのです。

帰りぎわに、工房の庭の漆の木を紹介。
(冬に見ても木はハダカで面白くないね

ここ最近のお客さまは男性ばっかりだったので、今日はとっても賑やかな1日になりました。(なんだか授業みたいな感じになったかも?)
でも後輩が、和うるしや工房の仕事に興味を持ってくれるのはうれしいものです。私たちも最近の漆芸研究所の様子を聞いたりして「へえ〜」と思ったり。笑
研究所も、入所する生徒は相変わらず県外・大卒の女の子が多いみたいです。授業内容は、私がいた時よりもうんと科目が少なくなってラクになっているみたい。(当時はハードでした…私はいまだに課題の作品ができなくて徹夜する当時の夢をみます)
でも、これも考えようで消化するゆとりが出来たともいえば、わるくないなあ。
それとやっぱりみんな、修了後(卒業後)はどうやって生きて行くかとても不安に思っているみたい…。でもまだ1年生だし地道にやっていけばいいからね。
最近、こうした漆に関心のある若い人から、話を聞かせてほしいと言われる機会が少しずつ増えてきました。漆をめざす人には、私たちはきちんと仕事をまわしているプロに見えるんだなあ、としみじみ実感しました。
でもそんな私自身、自分の方向性を見いだす数年前まで、彼女たちのようにきちんと仕事をしている作家さんや先輩の工房に行き、話を聞かせてもらったりいろいろ教えてもらっていたのでした。(そう、松本はその道25年のベテランですが、私は27で研究生になったというロースタ−トだったのです)だから、彼女たちの不安もとってもよく分かります。
きょうは仕事らしい仕事はできませんでしたが、私たちもとってもいい刺激になりました。後輩たちに「漆をどんどんやっててもいいんだ」と勇気を持ってもらえるよう、これからも頑張らなきゃ!と思った1日でした。
この初々しい後輩さん達は それを知っていたのでしょうか 胸が痛みます・・・
「いや〜はずかし〜〜」と言いながら自分の刃物を出して並べて、可愛かったです。^^
1年生だしレベルもそこそこ(あっへら太刀のレベルは私も同じようなもんです)初々しいながらみんな個性のある刃物で楽しかったです。
私は塗師屋包丁もってないので 脇差をつかってへらを削るのですが どうもちょっと曲線がついてるようでうまく削れません こんどへら太刀もアップしてください
いま砥石にはまっている松本が「もうちょっと研いでからじゃないと」と言ってます。
少しお待ち下さい。