工房の人気アイテム、「漆のスプーン」。
一本一本、松本が板から手彫りで木地を彫り出して、デリケートで使い心地の良い造形を作り出しています。
そんなスプーンさんですが、木の強度ぎりぎりまでせめて作っているので、きれいな漆をたっぷり塗っているとはいえ、決して頑丈ではありません。
どちらかというと、常識の範囲内で、優しく使っていただくスプーンなのです。

しかし、おちびさんがいるご家庭ではそうはいきません。^^;
お子さまにかじられて、修理に戻って来たスプーンたちです。
(つい先日、また1本送られてきたので3本になりました)

木地がちょっと欠けてちゃっています。
おちびちゃんは使い方が大胆だなあ。


欠損の部分は比較的小さいので、漆で木地固めをして、こくそという漆と木粉を練ったものを足して成形します。そして上塗りをしてお渡ししようと思います。
(このスプーン、裏側も噛み傷がいっぱいついているなあ)
工房のものはこのように修繕をいたしております。ただ、作業の工程上タイミングをみはからって取りかかるので、しばしお待ちいただくことになるのですが…(現在お待たせしている方、申し訳ありません

でも新品同様にきれいに直せるのが、漆のいいところ。お手元にお届けして喜んでいただくのはほんとにうれしいものです。
ところで 7日の朝日新聞の奈良版に
「漆発祥の地再び」という見出しでかなり大きな記事が掲載されてました
内容は 塗部造(ぬりべのみやつこ)が置かれていた曽爾村で 歴史を復活しようと地元民が2年前から漆の木の栽培に取り組んでいるというものでした
岡山新見市の「漆の館」で指導を受けて 地元に残っていた漆を栽培して増やしているようです
ご存知かもしれませんが お知らせまで
こうやって修理依頼されるってことは少なくとも親はスプーンを大切に思ってくれてるんだってことですよね♪
修理できるからってザツに使ってはいけないよね〜 修理依頼、修理、送付それだけとっても手がかかるものですものね。
スプーンは一度に塗るのは難しいですよね。
http://waurusi.sblo.jp/article/1817069.html
↑この時のピアスパーツを塗った時の道具を参考に…
スプーンのお尻を針で刺すか、樹脂でくっつけるかして一度に塗ってくださいませ。
最後にお尻をきれいに仕上げて完成です。
>ところで 7日の朝日新聞の奈良版に
「漆発祥の地再び」という見出しでかなり大きな記事が掲載されてました
わ〜ホントですか。^^ 知りませんでした。
もし見に行く機会なんかがありましたら、どうだったか教えて下さいね。
自分も物を大切に使っているか、といえば私もうーんと考えてしまいます。でも、その心は大事にしたいなあ。
でも丁寧に作られたものや、美しい木のものを見ると… 自然と大事にしたくなりますよね♪
確かにお互い手間はかかるけど、おちびちゃんたちも、「漆のものって、優しくあつかうんだ」って、少しずつ学んでいくのかな?という気もします。
それはそれでちょっと楽しいなあ。^^