2009年12月27日

■弟子の漆かき研修16/裏目掻き。

こんにちは、弟子の芝吹です。

10/13に18辺目を掻き終えて、裏目まで待っていたのですが、ようやく12/25に裏目を掻きました。

バッド(下向き矢印)もうすっかり葉が落ちてます。小鳥さんのためにみかんが刺さってますかわいい

P1080404.jpg


15センチ間隔程で幹に1周傷を入れました。
バッド(下向き矢印)松本さんのお手本です。

P1080387.jpg

裏目は深くしっかりと傷を入れていきました。


バッド(下向き矢印)ゆっくりですが、ちゃんと出てきました。

P1080396.jpg

水っぽさはなく、すごくねばい漆が出てきました。


バッド(下向き矢印)このあとは切り倒してしまうので、残さず掻きとっていくと、こんなに採れましたるんるん

P1080406.jpg

葉を虫に食われてしまい、9/13に13辺目を掻き終えて休ませておいたもう一方の木も裏目をかきました。両方合わせての量です。今までで1番の量かも exclamation&question

このあとはついに切り倒しですあせあせ(飛び散る汗)

ありがとうございました。

* * * * * * * *

宮崎です。
「裏目うるし」とは…
この漆の木の幹から採取する、最後の漆が「裏目」と呼ばれ、辺漆(初辺・盛辺・末辺)とは区別されています。
読んで字のごとく、今まで傷を入れていない幹の裏側に幹を一周する傷をつけて採る漆のこと。辺漆を採り終わったあとに採取する漆です。メインの辺漆さえ需要の落ちたこのご時世、この「裏目漆」まで掻く漆かきさんはほとんどいなくなりました。
漆かきの時期は、初夏〜秋(地方や流儀によって微妙に時期は異なる)ですが、おおまかに分けて、初夏の漆を「初漆(はつうるし)」真夏の漆を「盛漆(さかりうるし)」秋の漆を「遅漆(おそうるし)」と言います。(呼び名は地域でやや異なります)

漆の木の最後の命の燃え残りのような漆でしょうか…。
そう思うといとおしさを感じます。
漆としてのランクは下位とされていますが、下地にたいへん重宝された使いやすい漆です。工房でも好んで使っているのですよ。
採取の仕事を面倒がられて漆生産の原風景からさえ、消え去っていこうとするのはなんとも惜しいものです。

次は、いよいよ伐採ですね…。
人と漆の木のかかわり、「殺し掻き」の漆の木の最後。どうぞおつき合い下さいますと幸いです。


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posted by 宮崎佐和子 at 23:20| Comment(2) | TrackBack(1) |   弟子の漆かき研修
この記事へのコメント
読ませていただきました。
応援ポチポチ!
Posted by アシュトン at 2009年12月28日 17:11
アシュトン さん、はじめまして。
このたびは応援をありがとうございました。
また、ときどき日記をのぞいてくださると嬉しく思います!
これからもよろしくお願い申し上げます。
Posted by 宮崎 佐和子 at 2009年12月31日 22:48
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