2007年03月02日

■これが枝うるしの精製漆です。

2/28に届いた、二種類の枝漆の桶。
今日は、そのひとつをご紹介したいとおもいます。
枝精製1
届いた荷物に興味津々のミルちゃん。


さて、まずは去年から今年にかけて採った、枝うるしを精製したものです。この枝漆掻きはかなりの重労働なので、漆かきの大森俊三さんも、高齢のためかさすがに短期間では採れなくなりました。枝漆について。
枝精製2
どきどき… 中を開いていきます。
まず、蓋を開くと、これもただし書きが入っています。ここに分量などのデータがメモされていました。
そして、ついに中身の精製漆が見えてきました。…あれれ??
今年の枝うるしは、精製したらけっこう目減りしているなあ あせあせ(飛び散る汗)

枝精製3
漆を精製するのは、いろんな理由があります。
今回の枝漆は、池に漬けて加水して採った枝のうるしなので、長期保存には耐えられないので精製しました。

うるしの精製とは、すごく簡単に説明すると、撹拌しながら過熱し漆樹液の水分を抜き、漆の成分を分散する作業です。
つまり、水分が抜けた分だけ漆の量が減ってしまいます… そして、その失われる水分の量が少ないほど『精製にはいい漆』という判断材料の一つになります。

今回は…
枝漆とはいえ、水分が多すぎるなあ。どうしてだろう。(とはいっても一般的な基準からすると、うんといい数値なのですが)
松本が、枝漆を掻いた大森俊三さんに聞くと、今年は漆かきさんが育てた新しい造林木を、たくさん掻いたとのこと。
もしや松本が以前から恐れていたことが現実に…exclamation&question

一般の漆の造林木は、最初から肥えた土地に漆苗を植えたら植えっぱなしでランニングコストを抑えます。漆が採れるようになるまで通常20年以上待ちます。(岩手の場合)
漆掻きさんは、待切れないので、肥料をどっさり入れて早く育った木を作りたがる傾向にあるのです…。そんな木はよく肥えて立派に見えますが、成長したいという方向に木がまだ向かっているので、通常の樹液よりも水分を多く葉っぱと根に循環させるみたいなのです。(分かりやすくいうと、地鶏ではなくブロイラーのお肉みたいな感じでしょうか)
ひどいものは、年をとってくると外見は立派ですが、幹に傷を入れると皮が傷んで中身が半分腐っている…というようなバランスの悪い木ができやすいようです。(動脈硬化みたいなものでしょうか)
現在、こんな木から水分の少ない漆を出す技術はまだ開発されてないそうです。


これからは、こんな新しいタイプの造林木の漆樹液が増えてくることになりそうです。なんだか不安だなあ…。
昨年来た枝の精製漆
いま思えば去年の枝漆の精製は、うんと良かったなあ。
日本産漆を取り巻く深刻な環境を思えば、ほんの小さな異変のひとつですが、この小さな穴の積み重ねで取り返しのつかないことが起こるのでは…と思うととても不安に思います。


posted by 宮崎佐和子 at 20:30| Comment(0) | TrackBack(0) |   工房に届いた漆たち
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