この“池に漬けて加水して採った”とは、どういった過程なのでしょうか?? 松本の撮った写真と一緒にご説明しようと思います。
まず、漆かきの終わった11〜12月頃、漆の木の枝を切ってを束にしたものを、20日間ほど池などの水辺にひたして水分を吸わせます。

右が大森俊三さん、左が大森清太郎さん。
十分水を吸った漆の枝を、回収します。
十分水を吸った漆の枝を、回収します。

枝を持って用意している作業小屋へ。
その後の作業は、枝漆について。を参考にしてください。
この枝漆かき、今では技術の途絶えかけた漆かき技法で、その再現と記録のために2001年から岩手県浄法寺町の大森俊三さんによって行われています。
(松本は、その時に岩手に滞在し、その技法を学ぶ)
大森清太郎さんも漆かき数十年のベテランなのですが、40年近く前からすでに枝漆の需要がなくなり(つまり、日本産漆を下地に使うことがなくなった)枝漆が採られなくなったので、本格的に枝漆かきをする機会があまりなかったとのこと。
そうなんですよね、それを「必要」とする人がいないと、いくら貴重な技術でもだんだん途絶えていってしまいます…。
さて、今回来た、枝うるしの精製漆も、こうして採られたものなのです。
漆の木の最後の一滴までも活かそうとする人間の執念が感じられます

最近各地で復活し始めている漆の植林だけではかつての漆や漆の技術が守り切れない深刻な問題を感じます
漆液の取り方で品質が違うというのは本当に驚きです
松田権六さんの本に 真冬に日当たりの良い南側斜面の老木からとった漆は透明度が高く すばらしく鮮やかな朱や白が発色するとありました おそらく浄法寺の漆なのでしょうね
そこまでして苦労して取った漆を丁寧に塗ってくれるんだなって思うと漆器をもっと大切にしなければと思いました(汗)
>浄法寺の漆
ではなくて、また聞きなのですが秋田の漆らしいです。(松田権六先生の「蒔絵玉すだれ文盤」の白漆ですよね。ほんときれいな白です)
松本も機会があれば、どこの木か確認したいなーと言っております。
それでも、とりあえず漆の木があれば、ないよりはましなので、がんばって植えてもらいたいです。
ほんとそうですよね、その前に木を植えて育つまでに10年かかるとしてもけっこう凄いですよね。
現在のスピード社会でいるから、よけいそう感じるのかな??
ぜひぜひ大事に使ってあげてくださいね♪
今調べてみたら 室瀬和美さんの話で 群馬県の榛名山中の樹齢100年を越える 大人三人で抱えるくらいの巨木だとありました
写真もあるそうですよ
わざわざ調べて下さってありがとうございます。^^
室瀬先生のお話なら、確実ですね。