2010年02月04日

■「漆百科」山本勝巳さんの講演。

現在、大阪大学総合学術博物館さんでは「漆”(JAPAN)の再発見」というテーマで、漆の企画展が開催中です。


会期:開催中〜 2010年3月20(土)
会場:大阪大学総合学術博物館 待兼山修学館
   大阪府豊中市待兼山町1-20
   TEL:06-6850-6284
   開館時間:10時30分〜17時 入場無料


詳しくはこちらをどうぞ
   ↓
 大阪大学総合学術博物館第10回企画展



会期中、ミュージアムレクチャーとして著名な講師陣の方々による講演会が開催されます。
私が注目しているのは… 
あさって講演予定の「漆百科」の著者、山本勝巳さんの講演でしょうか。
現在の日本のかかえる漆器生産の問題に、鋭く冷静に切り込んだお話が聴くことができると思います。

『漆・漆器産業の盛衰と化学産業
  ―漆器産業再生の鍵を探る―』

2010年2月6日(土)午後3時〜 山本勝巳氏 講演内容

T 漆・漆器への危機感と社会的関心
  U 私にとっての化学産業と漆・漆器産業
  V 漆・漆器産業の概要
      関連図表 
      1 漆・漆器産業の100年
      2 原材料の組み合わせによる漆器の分類
      3 うるしの生産量・輸入量推移
      4 漆器産業の主要指標推移
  W 漆利用の歴史と漆器産業の成立
    1 縄文時代に始まる漆利用
    2 江戸時代、各地に漆・漆器産業が定着
  X 漆・漆器産業の変貌と化学産業
    1 明治維新と漆・漆器産業
    2 近代化学工業の登場と漆・漆器産業
      関連図表 5 漆・塗料の需給
    3 化学産業の発展と漆器産業の“非漆化”
      関連図表 6 漆の用途別消費量の推移
    4 伝産法の制定と漆器産業
  Y 漆・漆器産業の現状
      関連図表 
      7 漆器産地の変貌
      8 指定伝産品漆器の主要指標推移
      9 主要23漆器産地の生産額・企業数・従業員数
      10 主要23漆器産地の指定伝産品生産額・
        伝統工芸士数
  Z 環境問題と漆・漆器産業の将来
  [ 改めて漆に学ぶこと
  \ 『石油化学ガイドブック』について
     配布資料『石油化学ガイドブック』


う〜ん、ほんと濃い内容ですね…。
本当に多くの方に真剣に聴いていただきたいと思います。ムード


みる東京から帰ってまいりました…。東京は積雪のあとも全くなく、あまり寒い思いはしなかったんですが、戻るなり四国が冷えていたので(東京よりも寒いかも?)びっくり。いつ暖かくなるのでしょう。
写真はミルミルです。最近、今年初の獲物(野ネズミさん)を狩ってきたので、また彼女の仕事をご披露?したいなと思います。

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posted by 宮崎佐和子 at 22:14| Comment(2) | TrackBack(2) | ■ お知らせ
この記事へのコメント
宮崎さん

山本勝巳さんをはじめ、漆に詳しい方々の活動に敬意を表するものですが(「漆百科」も買って目を通しました)、ひとつだけいつも疑問に思うことがあるのです。漆をjapanといって海外で通じるのか、という問題です。これについては、日本で漆工芸に関わっている英国人の女性が「通じません。」とはっきり言っているのを、Webで見たことがあります。確かに英語辞書にはそういう用例も出ているし、漆にものすごく詳しい外人なら通じるかもしれませんが、一般的には殆どありえないと、私も思います。ジャパン、といったら「日本」としか普通の人は理解しないと思います。また、今更漆をジャパンと言ってもらうより、Urushiを世界に通じるようにしたほうが賢明だと私は思っています。
Posted by 近藤晋 at 2010年02月05日 10:23
近藤さん、こんばんは!
いつもお世話になります。
このたびはコメントをくださいまして、ありがとうございます。^^

「漆百科」を購入されて読まれたとは、
ほんとに漆を愛してらっしゃるのですね〜。('o')


>ひとつだけいつも疑問に思うことがあるのです。漆をjapanといって海外で通じるのか、という問題です。

う〜ん、この方面は私どもなんかより、近藤さんの方がたいへんお詳しいはずですよね…。
私の乏しい経験では、フランスの方(画家)、イタリアの方(実業家)とお話した時(もちろん私は日本語しかしゃべれません;;通訳さんがいらっしゃいました)、漆のことを『ラッカー』と訳されたので、ちょっと戸惑ってしまった記憶があります。
(日本人にとって『ラッカー』とは別のものをイメージしてしまいますものね)
フランス人の画家の方は数名いらして1週間ほど一緒に過ごしました。北部の方、パリの方、南仏の方…といろいろでしたが、皆さん大変インテリで、日本独自の素材にもたいへんお詳しかったのですが(うち一人は漆を塗った経験が有りすごくかぶれたとか…)、japan と言っても、辞書を見せてもまったく通用しませんでした。


漆=japan は、きっと今では形骸化してしまっていて、でも日本人間ではたいへん受けのよい言葉であるので、漆の説明をする時などに前振りとして、好んで使われるのかなあ… などと思ったりしています。
(でもこのあたり、不勉強ですので、お詳しい方にいつか教えていただきたいなとも思っています)


>Urushiを世界に通じるようにしたほうが賢明だと私は思っています。

ほんと、私の苦手な方面で、よく分からないといった方が正直なところなのですが、近藤さんがそう実感されるなら、きっと的を得ていると思います。
まだまだいろんな努力のしかたがいっぱいあるはずのですので、そういった立ち位置にいらっしゃる方に応援していただきたいな…。

いろいろ教えてくださまして、ありがとうございます。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします☆


Posted by 宮崎佐和子 at 2010年02月05日 22:04
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Tracked: 2010-02-05 13:53

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