その待望の漆を持って、漆掻き職人の東官平さんが工房に来られました。

東さんと一緒に。
東さんにお会いするのは久しぶり…!!
私がまだ漆芸研究所の研究生だったころから、いろいろお世話になっている方なのです。
東さんのお住まいの、徳島県山城町とは…。
ここは、秘境・祖谷に近い土地の9割以上が傾斜地というところです。
漆の木が採取用に現存し、そして漆掻きさんもそろう産地として残っているのは、四国でここだけ。
平成13年、松本がここへ漆掻きに初夏〜秋まで通って、16本で二貫目のきれいな「阿波うるし」を採りました。
しかし元々木が少なかった上に、ここ数年は掻ける漆の木が激減してしまい、東さん自身の漆の木も確保できない状態に…。それ以来、松本の徳島への漆かきはとまっています。

これが持って来られた「阿波漆」。
ずっと待ったものの、いろいろあって
ほんの少ししか確保できませんでした。(T T)

これが東さんの「阿波うるし」。
採取の仕方が違うので、松本の採る「阿波うるし」とは雰囲気が異なります。ほんとに貴重な四国の漆なので、大事に使います。

念のため、正確な目方を計りました。
今回の工房に来た「阿波うるし」の量は、たったの1.2キロでした。
漆をされている方なら「日本産漆が1.2キロ!!」とびっくりされる量かもしれませんが…
ほんとは最低1貫目(約3.75キロ)は欲しかったのにな。
でも、山城町でたった1人でお仕事されている東さんですから、そんな無理は言えません

でも、一昔前なら、漆掻きさんが漆のたっぷり入った大きな樽をしょって、漆を売りに来た…という話を思い出すにつれ、1.2キロの漆を大事そうに抱えて来られた東さんのご苦労がしのばれます。
さてさて、気分なおし?におもしろい写真を紹介します。


東さんと松本。
工房の庭の漆の木の前で。
工房の庭の漆の木の前で。
上が今日撮った写真で、下が6年前(工房が出来たばかりのころ)の写真です。
この漆の木と松本の、すごい成長ぶりに、皆さんビックリされるでしょう…

当然のような不思議なような 一度採取を見てみたいものです
たしか 作品展で見た阿波漆はずいぶん明るい色目だったともうのですが 今回の阿波漆はもっと濃い色になるでしょうか
採り方もぜんぜん違うし、初〜遅までぜんぶ一緒にされていますから。(少量しか採られないし、こっちでは乾きが早い方が喜ばれるんです)
会場でお見せしている、松本の採った透けた阿波漆は特殊なんですよ、オタクの採った漆ですから(笑)
この東さんの阿波漆は少ししかないので、来年の徳島展メインでおひろめしようと考えています。
>初〜遅までぜんぶ一緒にされていますから。
すみません、漆の時期は不明です(見た目は初後半〜盛り〜末辺までの混ざった漆に見えます)
東さんの漆は、
注文してあったのは昨年の盛り漆全てと、末辺漆採れるだけ、で最低1貫目〜5貫目が希望、が注文の内容でした。
実際は盛り辺採取の途中で漆の出が思うようにいかず、末辺もそこそこに漆かきを終わらせてしまったそうです。
で、とりあえず、工房用に2キロ入り桶と1.2キロ入り桶を確保して下さっていたのですが、なぜか、とある方が東さんの所にやってきて「こんな希少な漆をあの工房が独り占めするのはいかん」と東さんを口説き、2キロ桶を持っていってしまったそうです。
(ほんとは桶両方とも持って行く勢いだったのを東さんが片方だけ渡したのですが、1.2キロを渡したつもりが2キロを間違えて渡してしまい、結局うちに来たのは1.2キロの方のみ…とほほ)
そんな経緯もあり、細かい時期はよく分からない漆でした。
さてさていわゆる「横取り」ですね
まあ色々ありますね その方はどうかわかりませんが 下地から国産漆のみで値段的にも非常に良心的ですしね
たしか大森さんの枝漆?も どこかの大家先生にさらわれたんじゃなかったですかね
国産漆がブーム的なところもでてきたようですから これからは堅苦しいですが 契約書を交わすほうがいいのでしょう
でも松本さんが顔見知りの人とそういうことをするとは思えません
み〜んな顔見知りなものですから(狭い世界なもので ^^:)
きっと先方も多少無理を飲んでくれるだろうと思ってらっしゃるふしもあり、事実こっちでもまあいっか、みたいなところもあります。(日本的?だなあ)
それよりひいきの漆かきさんの漆がしっかり売れてくれるほうがいいです。
昨日まで東夫妻と東北旅行に行っていました。偶然のツアー参加で知り合いました。6月23日に夜久野に来られるとのことでした。
夜久野は高校の通学圏内ですので友人が居ります。不思議な縁を感じました。【漆の館】でまたお会いできれば、と思っております。
このたびはコメントをくださいまして、ありがとうございました。(^^)
旅ですてきな出会いがあったのですね!
東さんご夫婦はおだやかでとてもすてきなご夫婦です。私どもも大変お世話になりました。
また、夜久野にもご縁がおありなのですね…。
漆つながりで、人の輪がどんどん広がるとすばらしいですね。
よろしくお伝えくださると嬉しいです。