
「乾漆椀 揺-ゆらぎ-」2001年制作
Kazuaki Matsumoto
漆/2000年 岩手県産うるし
Kazuaki Matsumoto
漆/2000年 岩手県産うるし
これも初期の作品ですね。
もちろんオール日本産漆(しかも松本が自分で採取)の乾漆椀です。
“乾漆”とは、麻布に漆をしみ込ませて形作る技法を差し、軽くて形が狂わず、たいへん丈夫なものです。
通常の乾漆は石膏等の雄型に漆で麻布を貼付けて最後に脱乾するわけですが、本作は型は使うものの、制作物がまだ柔らかいうちに抜いてから手びねりでやわらかい造形に仕上げています。
しっかり焼きも入れ、漆の塗り重ねも施して表情が豊かでたいへんおもしろい作品になって、私もお気に入りでした。
今の持ち主はお茶人さんで「これなら携帯でお茶がいただける」と言われたそうで…。当時は「なるほどなあ」と思ったものです

おかげで徳島では隊長の漆に対する真摯な姿勢について、大いに盛り上がりました。
『乾漆箸』については、松本が心にとめておきます…とのことです。