今年は、連休の3月20、21日で、何年ぶりかなのですが、久々にこの地元のお祭りに行ってきましたよ。
今回は、その様子をご紹介しますね。^^
「香川の漆器まつり」は、香川県漆器工業協同組合さんの主催で、玉藻公園内(高松城跡)の披雲閣(ひうんかく)という高松市指定有形文化財の建物で行われます。
さまざまな香川漆器が、たいへんお手頃で求められ(原価に近いものもあります;;)、そして見事な広間でお茶会が開催されるということもあり、地元では愛好家の方々が大勢楽しみにして来られるんですよ。
では、いざ会場へ!



この「披雲閣」という建物、高松市指定有形文化財なのですが、たくさんの部屋や広間をを廊下で繋いだ大規模な建物で、とても格調高い佇まいなんです。
江戸時代、江戸城内の将軍の御殿や幕府の事務室にならって建てた、高松藩の藩主が居住や執政を行う御殿らしいです。
現在は江戸時代の建物ではなく、明治に立て直したものなのですが、お茶会や生花などのイベントなど、地元の人びとに愛用されているんですよ。
こんなシックなたたずまいの中で、「香川の漆器まつり」が行われています。
では、いよいよ会場へ…。

香川漆器組合の各店さんがブースでお店を開いてらっしゃいます。



お客さまも真剣に品定めをしていますね。
展示商品は、座卓、棚、などの家具や、盆、茶托、花瓶などが多いです。(もちろん、お椀などもあります)
香川漆器の独特の技法の品々ばかりです。
蒟醤(きんま)、存清(ぞんせい)、彫漆(ちょうしつ)、後藤塗(ごとうぬり)、象谷塗(ぞうこくぬり)。
一口に「香川漆器」と言っても、やっぱりお店によって、微妙にテイストやラインナップに個性があるので、それらを一堂に見ることができて楽しいです。(展示即売)
「うそ〜、こんなに安いの? こんな価格で出して、お店さんは大丈夫なの?」とビックリの私です。




蒟醤彫りの実演の職人さんです。
プロの技を話しながら見せて下さいますよ。
この「香川漆器まつり」、私達が行ったのが実は最終日の閉場一時間半前というぎりぎりの時間…。
最初は「さっと見て帰ろう」なーんて言ってたんですが、楽しくてあっという間に時間が過ぎ去り、ぜんぜん時間が足りませんでした。

(10年ぶり?に、彫漆体験もしたかったな〜)
そうこう言いつつも、亡くなった松本の父(香川の塗師屋さんでした)が手がけた大きな丸盆を偶然見つけたので、嬉しくなって買い求めました。




松本と二人分引いて、お箸とお椀をもらっちゃいました。

そうそう、「香川漆器まつり」と同時開催の行事の「玉楮象谷忌茶会」も根強い人気なんですよ。
このお茶会も披雲閣内で行われています。

香川漆器の始祖、玉楮象谷…。
高松藩主のお抱えの天才塗師で、中国伝来の漆の技法を、たいへんな柔軟性で技術翻訳し、現在に伝わる香川漆器の技法を編み出しました。
つまり、香川の人にとって、漆の神様みたいな存在なのです。
この象谷翁を偲ぶお茶会(今年は第142回忌だそうです)は、毎年楽しみにして多くの方が足を運ばれます。

使われたお道具をちょっとご紹介。

蒟醤のお棗。


加装は存清、木地は籃胎(細い竹ひご編んだ木地)の二段重。菓子器に出てきました。まろやかな角丸のフォルムです。エキゾチックな唐風の絵柄で、存清の特長の漆絵の線彫りは真菰打ちをしてあり、枯れた味わいがよい感じなんです。
ひさびさに、地元の漆器をたくさん見てなごまされました。
次に行く時は、油断せずしっかり時間をとっていかないといけないなあ。
この「香川の漆器まつり」は、毎年3月下旬に開催されています。
興味のある方は、ぜひ来年いらしてくださいね。

ご先祖様に負けないような仕事をしなければと身の絞まる思いです。
いつもコメントを下さいまして、ありがとうございます。^^
ひさびさの披雲閣は、しっとりとしてとても美しかったです。
>「漆器まつり」「象谷翁の記念茶会」、披雲閣の北の端は二階建になっています(立ち入り禁止)そこの床框は私の曽祖父が黒蝋色に仕上げました、綺麗でした、その当時は国産漆だと思います、
はい、確かに立ち入り禁止になっていました…。
そんな構造になっているのですね。
[キー]さんのひいおじい様となると… 明治くらいの方になるのでしょうか?
たいへん貴重なお仕事が、そこにあるのですね。
そのお仕事ぶりと当時の漆、いつか幸運がありましたら見てみたいなあと思います!
香川県って、小さな県ですが、本当にたくさんのすぐれた職人さんに支えられていろんなものが残されているのですね。
私も、頑張らなくてはいけないです。
いつもありがとうございます。
これからもよろしくお願いいたします ♪