さて、工房では遅まきながら?今年も、ウルシの実生の種を蒔くために、ウルシの種の『脱ロウ』をしました。^^




さてさて、今日はこの実から種を取り出して、『脱ロウ』をしました。
『ウルシの種』は、ふつうに蒔いただけでは、なかなか発芽しにくいってことは、ご存知でしょうか?
皮の周囲に厚い『ロウ』が巻き付いており(昔はこのロウを取り、ロウソクなどの材料にしていました)、これが障害になって、ウルシの種さんは、発芽しにくいという不遇な星のもとに生まれます。(なぜなのでしょうね… ^^;)
これを人為的に取り除くことにより、種から苗を獲ることが出来るんですよ。

撞いて、種の中の『実』を取り出します。


脱穀については、コチラの記事の前半に詳しく書いています。
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※漆の種を“脱蝋”しました。
脱ロウの方法には、2種類あって『熱湯法』と『硫酸法』があります。

今年は、『硫酸法』をとりました。
梅干し壺に種と硫酸を入れて、時間を計りながらかき混ぜます。(グツグツ煮立った地獄のカマみたいですね〜;;)
この強い酸で、頑固なロウを溶かすのです。
でも、長く漬けすぎると種の中身まで酸が作用しますので、タイミングをよ〜くみはからいます。
一方の『熱湯法』の脱ロウについては、コチラの記事の後半に詳しく書いています。
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※漆の種を“脱蝋”しました。
さて、こうして皮の周囲のロウを溶かした種は、きれいに水洗いをして、水に浸けておきます。
すると「しいな(中身の入っていない種)」は、水面に浮かんでくるので、生きた種と死んだ種をここで選別するのです。

(右は、脱穀する前のウルシの実です)

片方は、しっかり実が詰まって沈み、もう片方は水面にプカプカ浮かぶ空砲なんですよ。


わっ、やっぱり違う。

…やっぱり、沈んだ種はしっかり『命のもと』が詰まってますね

これらの種は、数日間お水に漬けてしっかりふやかしてから『播種(種蒔き)』をします。
昨年の脱ロウ作業、詳しくレポしていますので、ぜひごらんください。
※漆の種の脱ロウ・硫酸法1
※漆の種の脱ロウ・硫酸法2

