2011年04月14日

■便利な伊予砥石。

漆の仕事に欠かせない研磨の作業。
その「研磨」に、ここ最近とっても重宝している道具があるので、それをご紹介したいなと思います。

その「便利な道具」とは…。


バッド(下向き矢印)この伊予砥石です。
IMG_9095.jpg
IMG_9097.jpg


天然砥石にはまっていた松本が、刃物砥石を求めたときについでに仕入れていたものです。小さな破片の砥石で、刃物を研ぐには使用シーンはあまりなさそうなこの砥石ちゃん…。
しかし、うちでは大変な働き者と評価は高々なんです。

主に何に使っているかというと、器物の研磨です。


バッド(下向き矢印)このお椀の仕事も、伊予砥石を使いました。
大常椀縄文黒1.jpg
工房初期に、松本が国産漆の表現の一つを求めてたくさん作っていた縄文黒シリーズ…。
しかし、表情がまとまりきらず消化不良のまま時間の止まっていた器もたくさんありました。
その止まっていた時計を動かしたのが、この伊予砥石だったのです。

小さな伊予砥石の細かいのにサラサラとよくおりて、しかもやわらかく馴染みのよい研ぎぐあいは、油断すると荒々しくなりすぎる縄文黒の表情を、しっとりとまとめてくれたのです。


IMG_9099.jpg

聞くところによると、この砥石は昭和40年頃に採掘が終了しているんだそうです。…大事なものですね。
刃物は研げない小さい子でも、どんなところで役立つか分からないものですね。特に、器物には指先ほどの小さなものが便利なんだとか。

うちでも、いろんな仕事に役立ってもらおうと思います。ムード



DSCN2973.jpgこちらは、善通寺駅の近くの桜です。ここ数日で一気に春が進んで、桜ももう見納めですね。


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posted by 宮崎佐和子 at 19:04| Comment(4) | TrackBack(1) |   道具
この記事へのコメント
お久しぶり・・・
伊予のどこで採れるんでしょうね?
うちの近くでは見たことないなあ・・・。こちらでは伊予の(加茂の)青石です。
Posted by 舁だんじり at 2011年04月14日 23:01
舁だんじりさん、こんばんは!
コメントをくださいまして、ありがとうございます。今年のお花見はいかがでしたか?

この伊予砥石ですが、産地の地図を松本が持ってきましたので貼っておきますね。


http://www.330mate.com/page/4#iyo


伊予の青石って、あのきれいな青い石のことですよね。^^
長い年月をかけて堆積されたものって、不思議な力を持っているようで、魅力があります。

Posted by 宮崎佐和子 at 2011年04月15日 19:06
ここの山のことは聞いたことがあります。
砕(採?)石で発破をかけた痕を探すと化石が見つかる場所として有名だったらしいです。
Posted by 舁だんじり at 2011年04月16日 07:48
舁だんじりさん、こんばんは!
砥部焼の土もそのあたりかな? ご存知でしょうか。


松本が言うには、伊予砥石は天草砥石に似ているんだそうです。
Posted by 宮崎佐和子 at 2011年04月16日 21:38
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