
来週から例年通り寒くなるんだそうですね。気温の上下の大きい季節なので、皆さん体長管理に気をつけてくださいね。^^
さて、今日は「漆の焼き付け」という作業をお見せしたいと思います。
漆は、一定以上の温度・湿度により、酵素の働きで「乾き(硬化する)」します。(最適なのは温度20〜25度、湿度70〜80%といわれます。工房の国産漆は、もっと高い数値でないと乾かない漆が多いですが;;)
温度が70度以上になると、漆の中の酵素が働かなくなり、乾かなくなってしまいます。
しかし、さらに高い温度で乾くという特性が漆にはあるんです。
『焼き付け法』といって、120〜170度の高温で、短期間に一気に硬化させることができます。この焼き付け法、高温処理するので、木材ではなく、金属や素焼きの陶磁器に塗って使うのですよ。
さて、工房では小さな金具を漆で焼き付けすることにしました。


薄くなるべく均一になるようにします。
使った漆は、2010年の茨城産盛漆です。^^


こんなふうに網の上にひっかけて並べておきます。
これを120〜170度の高温で焼くのですが…。
工房では「定温乾燥器」を使っています。※ 今回は160度に設定しました。(クッキーを焼くのと同じ温度ですね〜;; 温度管理が確実なので、実際、松本がケーキなどを何本も焼く時に重宝してたりします)
そして…。
焼き上がったようです。






普通に乾かした時より、カッチリと硬質に仕上がります。
常温乾燥では、漆と金属は食いつきが今ひとつなので、最初の1回はこのように焼き付けをするとあとは常温乾燥で塗り重ねられるんですよ。
この金具は、掛け花入れに使うものなのですが、本体の花入れの雰囲気に合わせて、さらに漆を塗り重ねて調和させる予定です。
この焼き付け法、昔から使われていて武具などに多用されていたそうです。
美術館などで、古い甲冑などごらんになった時、少し注意してごらんくださると楽しさが増すと思います。



確か、南部鉄器の着色にも漆を焼き付けていると
どこかで見たことあったのですが、
とてもきれいな仕上がりで、さらに食いつきもいいんですね。
勉強になります。
ほんと、漆の活用法はいろいろあるんですね〜。
いま「美味しんぼ」で岩手編を連載しているのですが、GILさんたちを思い浮かべて読んでしまいます。;;
南部鉄器…
すてきですよね。^^
漆は錆び止めになりますし、いろいろ実用にも役に立つんだな〜と感心します。
寒くなりましたが、風邪を引かないように暖かくしてくださいね。
宜しくお願いします。
何か原因を思いつくのであれば、教えていただけませんか?