2007年09月01日

■浄法寺の漆かきの話ができました。

この夏に、浄法寺へ漆かきの短期研修生として行かれた、木工家の臼杵さん。
確か、以前お会いしたのは今年の2月でした。
今回は会場まで来られて久しぶりにお会いしたうえ、夕食に誘って下さいました。

看板
御所のすぐ近くにある「壷家人 イージアレン」というお店へ。
気さくな家庭料理のお店でした。


臼杵さんと松本
さっそく全開で話し込む二人… 笑
香川県出身だそうで、同じ色の人間なのか
最初から松本と意気投合なのです。

臼杵さんが浄法寺に行かれた期間は、8月1日から10日間。新宅さんもそうですが、車で行かれたので、移動時間は滞在日とは別に二日かかりました。
漆かきの研修は、佐藤春雄さん・大森清太郎さん・岩舘正二さんの3人にしていただいたそうです。
8月の浄法寺は、盛り漆の一番活気のある時。
漆かきさんに「あんた忙しい時に来たなあ〜」と言われつつも?しっかり手伝わされ三人の方のお仕事の様子を見ることができたそうです。
ところで「短期研修生」の研修内容というと、短期間の滞在で、漆かきさんがみっちり仕事を教えてくれて、漆の木もばっちり掻かせてくれる…というイメージかもしれませんが実際は違います。
「長期研修生」は、ちゃんと研修用の漆畑も用意されていますが、短期の場合はありません。
漆の木は、春から準備して初夏から少しずつ傷をつけて「木をつくって」いき、計画どおりに漆を出すものです。まっさらのいい木を真夏にいきなり傷をつけるということはしません。
あるのは、漆かきさんが今仕事中の木くらいですが、夏にひょこっと来た外の人に練習に傷をつけさせるようなこともできないのが本当です。なぜかといえば、そこまで漆かきさんが「漆が出るように自分ように作ってきた木」を、素人の1回の傷つけでダメにされてしまうからです。
現役の漆かきさんは、生活がかかっていますから、そんな無駄をする余裕は本来ないのです。
もしも、漆かき途中の木を、見学の時に試しに掻かせてくれたならほんとにラッキーだと思って下さい。
ということで、そんな現役の漆かきさんが、仕事をしながら教えてくれます。

さて臼杵さんの時は、とにかく漆かきのお手伝いが多かったとか。(これが勉強になるんですね)
朝からずっと鎌ずり(漆かき前に傷をつける部分の樹皮を専用の鎌で適度に削り取ること)をしたり…。もちろん、試しに使っていない木で漆も掻かせてくれり、道具の作り方を見せてくれたり。滞在中はフルに体感したそうです。
臼杵さんはプロの木工家なので、未知の土地での漆かき研修もわずか10日間で、いろんなことをしっかり状況把握して戻られていたのにはびっくりでした。



ゴマ豆腐
ゴマ豆腐。濃厚な味わいでした。

さて、ご飯を食べたこのお店、木や竹を内装で使った居心地のいいお店なのですが…。
このテーブルは漆仕上げ。臼杵さんが手掛けたものなんだとか。
松本は感心して見入っていました。

野菜の一品
これもおいしかったです。

さて、あと2年は続けて浄法寺に行くという臼杵さん。
「8月は忙しいって言われたから、次は6月にしようかなあ」だって。6月、漆かきのはじまりを見るのはとてもいいと思います。
とにかく漆かき仲間が増えるのはうれしいこと。
これからも楽しみにしています。


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posted by 宮崎佐和子 at 18:00| Comment(4) | TrackBack(0) | ■ 日本うるし掻き技術保存会
この記事へのコメント
突然の書き込み失礼します。最近お気に入りのお店「イージアレン」の検索をしていたら宮崎さんのブログをみつけました。
私は香川の丸亀出身で宮崎さんが善通寺で漆の仕事、活動をされてると知ってうれしくて書き込みいたしました。
高校を卒業して大阪でイタリア料理の修行をしていたのですが、半年前に和食出身の彼と京都で「和プラスイタリアン」のお店を開店しました。開店前に器を選びにいろいろなお店を回っていた所で「イージアレン」さんを知りました。お料理もさることながら、お店の雰囲気が大好きです。ブログをみてあのテーブルが漆だと知って驚きました!!!「ツルツル」?!「さらさら」?!とした何とも言えない肌触り
いつも何の木で出来ているのか気になってました。木のせいではなく漆塗りだからあの感触がでるのですね。
宮崎さんの作品展、九月まで高島屋で行われてたんですね。ぜひ伺いたかったです。
仕事柄、器などには興味があります。
実家には何かと帰ることが多いので善通寺で作品を展示してる場所があればお邪魔したいと思います。お時間があれば場所など教えていただければありがたいです。
長々と失礼しました。
Posted by 平田美由紀 at 2007年10月04日 21:03
平田美由紀さん、はじめまして。^^
このたびはコメントを下さいまして、嬉しく思います。ありがとうございました。

平田さんも、丸亀ご出身なのですね。
(丸亀っていいところですよね、いろいろ変わりましたが、お城の風景だけは変わりません。^^)
もし、香川に戻られたら、
高松市郷東町の「エコッショップすが」さんにぜひぜひ行ってみて下さい。
http://www.ecoshop-suga.com/
工房の漆カップ等がいくつか置いてあります。(ショップチーフさんが元気でかわいい人です☆)
…残念ながら、工房には完成品を展示していないので(すみません ><:)県内で見られるのは、ここだけになります。

「イージアレン」さんのテーブル、やっぱり気になってしまいますよね。笑 
とってもいい仕事のテーブルなんです。

さてさて和プラスイタリアンのお店って、とっても期待してしまうのですが…。
来年もおなじ時期に京都に行く予定ですので、平田さんのお店もぜひ教えて下さいませんか??
今後ともよろしくお願い申し上げます。^^
Posted by 宮崎佐和子 at 2007年10月05日 23:13
コメントのお返事ありがとうございます。郷東町はいつも香川に帰った時に鬼無の友達のうどん屋に立ち寄るので通り道です。次回是非お邪魔します。
私たちのお店は「料理処はな」といいます。
場所は「イージアレン」さんから徒歩15分くらいで鴨川沿いにあります。
パソコンは苦手なのであまりうまくできてないのですが一応お店のブログも作っています。
「料理処はな ブログ」でできますのでよっかったらご覧下さい。
〒606−8384
京都市左京区新生洲町104番地リヴァク鴨川二階
075ー751−5757
平日17:00〜23:00
土日祝日のみランチ11:30〜15:00
宮崎さんのブログまた楽しみにしています☆☆
Posted by 平田美由紀 at 2007年10月16日 00:04
平田美由紀さん、こんばんは!
またコメントくださいまして嬉しく思います。^^

えっと、検索しました…お店はこちらですね。http://www.kyotozanmai.com/user/ryourihana/ryourihana/
そしてブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/hanachann8739

とっても素敵なお店ですねえ。
京都展の時に、ぜひ行かせていただこうと思います!(京都の楽しみがまた増えました)

今後ともよろしくお願い申し上げます。


Posted by 宮崎佐和子 at 2007年10月17日 03:38
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