2013年01月06日

■「国産漆」について/1

もうお正月休みも終わりですね。^^
ふだん、漆器になじみのないご家庭でも、お正月はお重、お椀、屠蘇器など、塗り物を意識する時期と言えるでしょう。
さて、最近になってこの日記をごらんになってる方が多いと思いますので、ごくごく分かりやすい「国産漆」のお話をしようと思います。ムード


漆工芸で使われる「漆」は、ウルシ科の落葉樹、ウルシノキの樹液です。そう、植物の樹液で天然塗料なのです。
漆の木
ウルシノキ。


よく「里山に自生し、秋に真っ赤に紅葉するかぶれる木」がウルシと思われていますが、そういった木はウルシ科の別の植物です。ウルシの木は人が管理栽培をする植物で、自然に自生することはほとんどないと考えられます。
もし、山で本物のウルシの木があったとしたら、昔そこは漆樹液産地だった名残でしょう。



この漆樹液は「漆掻き」という独特の技術で採集されます。
漆掻き
松本和明、高知県で漆掻きの様子。

このウルシノキや樹液を扱う技術は、すでに縄文時代には日本では盛んに活用されており、現在まで続くもっとも古い文化の一つに数えられています。「漆掻き」の技術はさまざまに変貌して現在に至ったと考えられ、現在のスタイルになったのはごく近年です。


漆掻きの道具
漆掻きの道具、左よりタカッポ、掻きカンナ、掻きヘラ、掻きカマ。



日本では「掻き殺し」と言われるスタイルで、漆を採ります。
産地の方針にもよりますが10〜25年間育て、掻き頃と見極められたウルシの木は、ワンシーズン漆を採ると伐採されます。個々の木の状態や掻き方などで大きな差がありますが、1本の木から出る樹液は牛乳瓶1本程度と言われます。

こうして集められた漆樹液は、たいへん貴重な物になります。


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posted by 宮崎佐和子 at 21:13| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 和うるし(漆)について
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