2007年11月11日

■maさんの浄法寺漆かき体験記/3

三日目の8月23日。
今日は佐藤春雄さんが講師になってくださいます。この日もお天気がよさそうで、いい漆がいっぱいでそうで楽しみです。

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2007年8月23日(木)

●佐藤春雄さんの漆掻き指導(二戸町外山/約80本/14辺)
 ・漆掻きの資料を読む。
 ・それをふまえて、佐藤さんの作業を見学。
 ・「カマズリ」を習う


8/23佐藤さんとmaさん
佐藤さんとmaさん。
今日もがんばってください!笑 


今日は、車で30分ほど行ったところにある「外山」へ。(※注)
前日の大森さんがまだ11辺をやっていたところを見ると、14辺目を掻く佐藤さんはペースが早めなのあだと思いました。
午前中に佐藤さんが持ってきて下さった資料や本などを見て漆掻きの勉強をしてからは、作業の流れや意味がよく分かり納得しました。(ma)


8/23高い所に傷を付ける佐藤さん
佐藤さんは、木の高い部分にも、くいに乗ってキズを付けて掻いていましたが、人によっては高い部分まではキズをつけない人もいるとのこと。
長年の経験から自分がいいと思う方法で掻いていくそうで、たくさんの漆かき職人さんを見比べてみたいと思いました。
途中で「カマズリ」(注※)のやり方を教わり、実際にやってみましたが、低い部分、また逆に高い部分は力の入れ具合が難しく、コツを掴むにはもう少し時間が必要だと思いました。(ma)


さて「カマズリ」とは…ちょっとご説明します。
8/23かまずり
カマズリとは、幹のキズを付ける部分の樹皮を
この「つ字型」の掻きカマで削り取る作業のこと。
掻きキズを均一に付けることと、出た樹液が樹皮に
吸われないようにするために行われます。

カマズリは、研修生が講師の漆掻き職人さんについてよくお手伝いする仕事ですが(実際のうるし掻きは、仕事上なかなかさせてもらえない)単純なようで、意外と難しい仕事です。
皮を剥きすぎると木を傷めてしまいます。

さて、maさんは「殺し掻き」をした漆の木のその後を見て写真を撮っていますので、ぜひ紹介したいと思います。
8/23漆の木のひこばえ
殺し掻きをし、伐り倒した切り株から
何本もの芽が出て大きく育っていました。
状態のいいものを選んで残すとのこと。
枝の間の数を数えれば何年経った木かわかるそう。
(ma)

漆かきの方法にとして、おおまかに言えば、ワンシーズンで漆を採り切り木を切り倒してしまう「殺し掻き」と何年かごとに少しずつ漆を採る「養生掻き」があります。
日本では「殺し掻き」が主流。これを初めて聞く人は「木がかわいそう!」とびっくりするものですが、大丈夫。
ちゃんと残った根っこには、次世代の芽が育ってきます。
私たちも数年前に徳島で漆かきをした時、木は殺し掻きにしました。その3年後にその後を見たら、びっくり。立派な木に育っていました。

こうしてちゃんと山は循環しているですね…^^
人間の一方的な価値観でははかりしれないものを感じます。

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…さて、maさんは禁断の味覚にも挑戦しています。
なんと!佐藤さんに薦められ、漆樹液を大胆になめてしまったのでした。がく〜(落胆した顔)
8/23 漆の味見
初日には、漆をなめてみましたが、
場所や木によって味が違うということです。
今日の木(注※二戸町外山)は試してみると
「甘い!」調子に乗ってたくさんなめたら、
舌が黒くなってヒリヒリしました。(ma)


きゃ〜〜っ (>_<) やりましたね。
…この漆が「あまい」というのは本当です。
木で作られた糖分(これが木の活力です、まわり回って漆にもなります)木のコンディションによって、糖分の量も違うので「場所や木によって味が違う」というのも、理にかなっているんですよ。
ただ、漆はふつうの木の樹液ではないので…ただですまない可能性が十分にありますが…
「あ、なんとも無かったですよ〜ぴりぴりしたくらいで。笑」というmaさんですが、それを聞いた大森清太郎さんに「漆を舐めるなんてダッシュ(走り出すさま)」と怒られたり(でも佐藤さんにすすめられたのに〜 笑)松本に「内臓までかぶれていたかもしれんぞ〜」と脅かされたりと、おっかなびっくりの後日を過ごしたのでした。




posted by 宮崎佐和子 at 21:24| Comment(0) | TrackBack(0) |   maさん研修報告(2007年)
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