2007年11月24日

■和うるし作品「超艶消しの粥椀」

粥椀 艶消し
「粥椀」2001年8月頃制作 Kazuaki Matsumoto
漆/2000年 岩手県産うるし (松本和明採取) 使用
木地/ミズメザクラ

以前、作品のひとつとして紹介したどくだみと近い時期(工房立ち上げの時期)に制作したもの。陶器に近い形の器で、少し小ぶりのお粥をいただくお椀…というイメージで作っています。
一見、黒く見えますが、これは飴色の漆の塗り重ねで黒く見えるもの。塗り重ねた漆の厚みを、刃物で同心円状に削って凹凸をつけているので、凹んだ部分は漆本来の色味をやや透かしてみることができます。

さて、この漆は、松本が岩手県で掻いた浄法寺の漆のみ(生うるし)を使っています。立ち上げ時の作は、もう残っていませんが、この粥椀はとても特殊な塗り肌になったのでサンプルとして残しています。
とにかく、大変な「超艶消し」に仕上がったのです。
ある程度近いものはリピテーションしていますが、この粥椀のような超辛口の日本酒のような、枯れた表情は今なお再現できません。

粥椀 艶消しの塗り肌アップ
大変写真の撮りにくい塗り肌なのですが…。
触るとシャリシャリした硬質な感触で新鮮です。

このお椀に触れると「漆は温かみがあって、優しくて…」という従来のキャッチフレーズは吹き飛んでしまう厳しいクールさがあって、まるで漆から挑戦状を突きつけられたような気分になるのです。
もちろん、これは自然な漆の塗り肌。浄法寺の生うるしのみを下地から100%使っており、漆用の艶消し調整剤などは当然ながら一切入っていません。

ともあれこの年に採った漆はたいへんな「当たり」で、この超艶消し以外にも、艶やかなとても美しい塗り肌のものがたくさん出来ました。(きっとワインと同じような感じですね…)もちろん、この年の漆なら、どの産地もどの掻き手でも同じというわけではありませんが。
7年経った今も、この2000年の時に匹敵する当たり年は残念ながらありません。

posted by 宮崎佐和子 at 22:20| Comment(7) | TrackBack(0) | ■ 和うるしの作品
この記事へのコメント
いやー!良いですね!写真がまた素晴らしい。
2000年産の浄法寺漆の粥椀、ひとつ取って置いてもらえません??
Posted by ShopMaster at 2007年11月25日 18:54
Shop Masterさん、こんばんは。^^
いつもありがとうございます!

わ〜〜すみませんが… 
この粥椀は、本当に1個きりしか工房に残っていないサンプルなのです。^_^;
(当時、それなりに作りましたが、やはり目利きの人が見つけてささっと買っていかれまして、それきりです)
途中で「これは残していた方がいいかも…」と気づいた時には、もう遅かったです。

いつか、これに負けないような男前をまた作り出せるよう、がんばります。
Posted by 宮崎佐和子 at 2007年11月26日 00:36
やっぱりですか・・・。ガックシ
>いつか、これに負けないような男前をまた作り出せるよう、がんばります。
期待してます。松本さんにもお願いしておいて下さい。よろしくです・・
Posted by ShopMaster at 2007年11月26日 21:08
わわわ…スミマセン(^ ^ ```

でもダメもとで聞いてみるところが、Shop Masterさんのいい所ですね。
これからもよろしくお願いいたします!
Posted by 宮崎佐和子 at 2007年11月27日 00:07
いいですね〜( ^ω^)

表面的なつや消しではなくて深みがあって素敵です!!


つや消しと言えば、なんかのTV番組で珪藻土を混ぜて漆を塗ったカレー皿かなんかが出てましたが金属製のスプーンが使えるそうな。。。!!!

Posted by 黒柿 at 2007年11月27日 07:08
黒柿さん、ありがとうございます。^^
そうなんですよ、この時の漆の艶消しは、ゆらぎがあってとてもよい雰囲気なのです。

>TV番組で珪藻土を混ぜて漆を塗ったカレー皿かなんかが出てましたが

わあ〜どんなのか見たかったな。^^
たぶん蒔地か錆肌みたいなテクスチャなんでしょうか。
いろんな漆が登場して、とても楽しいですね/
Posted by 宮崎佐和子 at 2007年11月27日 20:19
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