
「夕日の粥椀」2002年頃制作 Kazuaki Matsumoto
漆/岩手県産うるし 木地/トチ
漆/岩手県産うるし 木地/トチ
松本が「夕日」と名付けた粥椀です。
前回紹介した超艶消しの粥椀と同じスタイルの木地です。色と塗り肌が変わるとここまでイメージが違うのですね…。
この鮮やかな赤はベンガラ。たいへん色のいいベンガラを入手した後で、ちょっとしたベンガラブームが松本の中に始まり、このころはベンガラ漆で面白い表情をつけた粥椀をけっこう作りました。笑 (このMIKEも同時期の作ですね)
ちょっとおどりをつけてベンガラ漆を極薄で表情を付けて、大森俊三さんの遅辺漆をこれも極薄で上塗りしています。
トチの木の木目が微妙に背景として浮き出ているのはそのためです。
赤い空のような雰囲気は今みてもいいものですが、もう再表現はむりだと思います。この頃の素材と工房の空気感が生み出したものですから。
この「夕日」はもう写真しか残っていませんが…。
工房立ち上げの、すごくばたばたしていたせわしい時期を思い出して懐かしくなります。
今は極薄って言葉につい反応してしまう!!(笑)
しかしこれいい表情ですね。。。(><)
なんか作意が無いって言うかぱぱっと作った感じがするのに素材の風合いとベンガラの色が生きてるってのは凄みというか神秘的にすら感じてしまうのはやっぱ漆の魔力か!!??
お返事がおそくなりましたが、コメントありがとうございます。
…いえいえ、たしかに作る時は一気に「ぱぱっと」表情を付けてしまいますよ。やっぱりこの手の作風は、リズム感を大事にしたいです。
それにしても、作っている途中のうつわは「わ〜〜どうなるのこれ??(゚_゚;)」って傍目には心配になるくらい奔放だったりして。笑
それでも、最後はうまくまとまってしまうのは、漆の力なんだなあと思います。