そのスプーンは栗の木の手削りスプーン。一番大きいサイズです。

ここが欠けてしまったんですね。
断面に漆を塗ったところです。

断面に漆を塗ったところです。
かなり気に入ってくださって、ヘビーローテーションでひっきりなしに使ったんだとか。(事故で欠けちゃったんだそうです)

きれいに割れていて、破片もちゃんと取ってあったので(助かります)修理は金継と同じで、漆で貼り付けることにします。ちょっと時間がかかりますが…きれいに仕上がります。

きちんと破片を戻したところ。今は漆の粘着力でくっついてるだけですが、こうしてみるとつなぎ目はもう分かりません。
これを漆室に入れて、しっかり乾かします。
この後の工程は…
付けた部分を十分乾かす→乾いたら、つなぎ目のすき間を漆で埋める→すり漆を全体にほどこす→上塗り
これで、ほとんど元の姿を取り戻すと思います。
さて、余談ですが…。

ほぼ同型の新品のスプーン。
かなりの艶消しになっています。
かなりの艶消しになっています。
修理のスプーンは、半年前くらいの作でこのタイプのプロトタイプでした。当時の仕上がりもこのくらいの艶消しだったはずですが…あれれ? 今回戻ってきた時には「3年くらい使ってたの?」と思うくらい自然の手ずれでぴかぴかになってて、びっくり

松本は「おお〜すごい」と喜んでました。(松本はこういった漆の景色が大好きなのです)
毎日、朝晩くらいのペースで使ってきれいにお手入れされてたのかなあ…。とにかくかなりのヘビロテと思います。
また、ちゃんと持ち主のところに帰れるようにしたいなあ、と思います。
コメント下さいましてありがとうございます。現在の修理の方針は「そこそこ強度も確保しつつ見た目新品の状態に回復する」です、欠けてしまった物は残念ながら強度は多少なりとも落ちてしまうと思われますので、オムライスやカツ丼は問題無いと思われますが、ハーゲンダッツアイスクリームを修理履歴を気にせずガッツリすくうのは控えて頂きたい所です。
方針を修理から改造に変え「少しバランスを変えても強度を上げる」を検討されますか?
その節はたいへんお世話になりました。^^
スプーンですが、欠けた破片があったので、すごく直しも楽です。(なくなると、作らないといけないから大変)
私も、どんなふうに仕上がるか楽しみです。
では、現在の修理方針で進めておきますね。
これからもよろしくお願いいたします。