母乳育児ということもあって、子供を預けることも難しく、一日中赤ちゃんとくっつき虫の生活です。それを苦痛と思うことはないのですが… 二つだけしたいことがあって、それは、「お風呂にゆっくり入りたい」と、「図書館に行きたい」です。
お風呂はともかく、図書館には半年以上近付いていません…。
先日、娘を抱っこしてはじめて本屋さんに行ってみましたが、落ち着かなくて5分で出てしまいました。




つくづく「もっと買っておけば良かった〜」と大後悔。ずーっとモンモンしていたのです。
再入手しようとも、もう80年前の古書…。(昭和9年、1934年出版)
戦前の書籍です。日本がその頃たどった歴史を考えると、そうあちこちに残っているとは思えず… 半分あきらめていました。
し か し !
ダメもとで古書店さんに問い合わせて、なんと見つかりました。







本は文庫本サイズで、2冊で一つのケースに入り、全部で20ケースの40冊になっています。
第一集が「ハムレット」と「以尺報尺(尺には尺を)」のセット、一集ずつ追加追加で出版されたようです。






ブルーの装丁で金文字とおしゃれ、天が金染めです。表表紙にはシェークスピアの胸像がデザインされてます。
年月で紙がちょっと酸化していますが、保存状態のよい本でうれしい…。

戦前の本なので、文章は歴史的仮名遣いでちょっと読みにくいです。
ちょっと中身を…


しかし、慣れるととても味わい深く、面白いのです…。
「訳が違うとこんなに違うの?」と驚愕でした。今の岩波文庫とかで読むシェイクスピアとぜんぜん違う… 言葉の奥行きが違うとか…妙な例えですがいままでスベスベだったと思っていた世界に、うんと起伏があるのを知ったというような。
「ロミオとジュリエット」の有名なヒロインの台詞も、この本ではこうなります。
↓ ↓
おゝ、ロミオ、ロミオ! 何故(なぜ)卿(おまへ)はロミオぢゃ!
父御(てゝご)をも、自身(じしん)の名(な)をも棄(す)てゝしまや。
それが否(いや)ならば、せめても予(わし)の戀人(こひゞと)ぢゃと誓言(せいごん)して下(くだ)され。
すれば、予(わし)ゃ最早(もう)カピューレットではない。
現在の感覚では14才の女の子とは思えない、重厚な言葉ですね。^^;
しかし、400年前のイタリアの深窓のお姫様は、こんな雰囲気だったのかもしれません。

(定価は七〇銭だそうです…)
文庫本サイズなので、枕元のじゃまにならないのがさらにうれしい。今年1年は楽しめそう…。
赤ちゃんの添い寝をしながら、少しずつ読んでいこうと思います。
