2010年12月16日

■大事な道具、桶。

漆の仕事で欠かせない道具を一つご紹介します。
ちょっと地味〜な、目立たない道具なんですが…。

バッド(下向き矢印)それは…「桶」です。
桶1
桶2
漆の塗膜を耐水ペーパーや炭で研磨した時など、この桶を使って洗います。
刃物を研ぐ時にも使いますし、常に作業机の近くにヒッソリと置いてあります。

これは、私が学生の時に購入した桶で、桶と言えば円形のものが多いと思いますが、これは形が楕円になっています。(香川県漆芸研究所で使われているものと同じものなんです)
最初は白木地の桶でしたが、漆を塗っているんですよ。


バッド(下向き矢印)砥石を置いて使うのにも、とっても便利です。
桶3
桶って使わない時も水を張っていないと、木が収縮して隙き間ができてしまうので、一年中水を入れています。かれこれ10年以上そうしていますから、なかなかの働き者ですよね。ムード



うり坊さて、今日のおまけ写真はうり坊です。
全国的に、今年一番の寒さだった今日ですが…。今日も元気にお外に繰り出しておりました。体を冷やして、おなかをこわさないかハラハラします。


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posted by 宮崎佐和子 at 21:59| Comment(2) | TrackBack(0) |   道具

2010年12月08日

■新しく用意した、漆刷毛です。

いざ、車に乗って出かけようとしたら、車のバッテリーがあがっていましたあせあせ(飛び散る汗)
(前日、車から降りた時に私がちゃんとドアを閉めていなかったらしいです… トホホ ふらふら

…さて。
では気をとり直して?今日は先を出したばかりの刷毛たちをお見せしたいと思います。


バッド(下向き矢印)松本が、ここ数日で出した刷毛たち。
刷毛1
新シリーズのお椀とお皿、お箸たちに、今まであまり使わなかったベンガラ漆や黒漆などの色漆を使うようになったので、それぞれの漆たちに合せて専用の刷毛を用意することになりました。


「漆刷毛」は、人毛です。(若い女性の毛髪)
選り抜きの毛髪をピシッとそろえて糊漆でカッチリ固めた毛を、エンピツの芯のように自分で削り出して、毛をほぐして、新しい穂先を整えます。

刷毛4.jpg

この様子については、2年前の記事に詳しく書いています。
ぜひ、ごらんください。^^

※漆刷毛の切り出し/1
※漆刷毛の切り出し/2


バッド(下向き矢印)切り出したばかりの毛、ツヤツヤですね。
刷毛2

この髪を提供して下さったのは、どんな女性なのでしょうね…。
おかげで、新しい穂先で、数年間仕事ができると思います。ムード



ウルシの木の幹さて、今日のおまけ写真は、落葉してスッテンテン?になった、工房の庭のウルシの枝です。
でも、よく見てください… この黒いポツポツ。夏の間に、セミ達が美味しい樹液を吸ったあとが見えますよ。
こうした小さな発見をするのも、日常のささやかな楽しみだったりします。^^

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2010年10月13日

■いろいろ使えるオリーブオイル。

パスタが好きな松本…。
なので、工房ではパスタの麺はもちろん、オリーブオイルやにんにく、ベーコンやアンチョビ、ブルーチーズが常に常備されています。(これらの素材が切れかけると、松本はソワソワしだします…;;)

特にオリーブオイルは大事らしく、私が使ってうっかり出しっ放しにしておくと、とっても怒られてしまいます。涙 (常に冷暗所に置いていないとダメだそうです)


バッド(下向き矢印)で、横浜から戻るなり、松本はさっそく新しいオリーブオイルを買ってきていました。あせあせ(飛び散る汗)
オリーブオイル1

実はこのオリーブオイル、漆の仕事でも使っているのですよ〜。
この新しいオリーブオイルも、さっそく一部が仕事場に持っていかれ、別の容器に移されていました。


バッド(下向き矢印)ポンプの容器に常にオイルを入れて、作業机に置いています。
オイル

このオリーブオイル、なんに使うかと言いますと…。
仕事が終わったあとの刷毛や筆を洗浄するのに使うのですね。
こういった洗浄用には、サラダ油などがよく使われるんじゃないかと思うのですけど(確か漆芸研究所でも主にサラダ油を置いていました)、オリーブオイルの方がサラッとしてべとつかず、調子がいいらしいです。

同じオイルを料理にも使い、仕事でも使い… オリーブオイルさんにはとってもお世話になっています。ムード



キンモさて、今日のおまけ写真はひさびさに、鯉のベビーの『キンモ』ちゃんです。こんなにでっかくなってしまいました…。※今年2月の写真 
同じ水槽の同居人・オレンジ色のドジョウさんが大好きで、いつもくっ付いていた寂しがりやのキンモですが、巨大児になってしまった今は、ドジョウさんに怖がられてばかり。…なんだか悲しそうな顔のキンモです。

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2010年08月06日

■ビン詰めの刷毛と蒔絵筆。

先日、松本が高松の実家の仕事場から持ち帰ったものの一つをお見せしようと思います。^^


バッド(下向き矢印)これです…。ビン詰めの「刷毛」たち。
刷毛1

海苔の瓶に密封されて保存しているんです。
松本の父が所有していたのですが、何十年もこんなふうに置かれていたらしいですよ。
(松本が二十歳の時に、蒔絵の授業で使おうと、一度開けて中の蒔絵筆を何本か取り出したことがあるらしいです)

しかし、それ以降開けた履歴はなく…。
というと、そこからカウントしても20年近く密封されているってことかな?? がく〜(落胆した顔)


バッド(下向き矢印)白いお砂糖みたいなカタマリは、樟脳です。
刷毛2

虫除けに入れているんですね。
(刷毛は人毛、蒔絵筆は動物の毛を使っているので、虫がつきやすいのです)


バッド(下向き矢印)気化して再結晶した樟脳がくっついています。
刷毛3

タイムカプセルになっていますね…あせあせ(飛び散る汗)
また、この道具が必要になる時が来るかと思いますので、その時までこのまま置いておこうかと思います。ムード



ウルシの黄色い葉今日のおまけ写真は、工房の庭のウルシの葉っぱです。先月のかなり早い時期から、写真のような黄色い葉っぱが出てきています。
この「黄色い葉」は、今シーズンの木の成熟を知らせるシンボルで、漆掻きをする時にも仕事の目安の一つとなります。


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2010年07月20日

■刃物を研ぎました。

かなりの猛暑ですね…。あせあせ(飛び散る汗)
皆さんのお住まいのところは、いかがでしょうか。
暑いのはちょっと堪えますが、漆掻き中のウルシの木にとってはこの時期の十分な日照は欠かせないので(光合成で『いいウルシ』を出すためのコンディションが木に整う)木にとってはありがたいことです。

さて、今日の松本は半日かけて、刃物を研いでいました。


バッド(下向き矢印)今日研ぎたての刃物たち、一同です。ぴかぴか(新しい)
刃物

これからいろいろと作るため、木地作りに使うために取り急ぎ、よく使う刃物を研いだらしいですよ。


バッド(下向き矢印)刃先のアップです。
刃物2

これから「木地作り週間」?に入ります。
(予定より、一週間遅れらしいです…;;)
オーダーいただいているもので、木地作りから始めるものがいろいろたまっておりますので、お待ちいただいて大変恐縮ですが…。
どうぞ、よろしくお願いいたします。(_ _)



スイレン今日のおまけ写真は、うちのスイレンさんです。
今年、四つ目のお花が朝、咲きました。ぴかぴか(新しい) (ずっと梅干し壺に入れていたんですが、最近大きな盥に移したのです。そのおかげかな?)5月31日を始めに、三つ続けてお花が咲いたので、これでもう終わりかな、と思っていたのでうれしいです。^^
みずみずしい白い花は、真夏の空気の中でひときわ輝くようでした。

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2010年07月04日

■古い紙ヤスリ『ガーネットペーパー』。

今日、松本が高松の実家に行ってきました。
漆の材料屋さんから、在庫の『駿河炭はないか』とお問合せがあって、ふと思い立ち亡父の漆工房へ寄っていたらしいです。
そこで、炭ではありませんが、また眠っていた違う「お宝」?を引き上げてきました。

バッド(下向き矢印)昔の紙ヤスリ(サンドペーパー、略して単にペーパーとも呼ぶ)です。
ガーネットペーパー1
今も製造されているのかな?「ガーネットペーパー」という名前の
なんともレトロな紙ヤスリです。(しかも紙は『和紙』という銘付き)
ガーネットペーパー4
その名のとおり、研磨剤にガーネット(ザクロ石)の粒が使われている紙ヤスリなんですね。
ガーネット
←『ガーネット』と言えば、やはりジュエリーのガーネットを思い浮かべてしまうかな? こういった実用品に使われるのは宝石質ではなく工業用のもの。(ガーネット/モース硬度6.5〜7.5)


バッド(下向き矢印)ガーネットペーパー(80番)の研ぎ面です。
ガーネットペーパー2
赤茶色の研磨剤がキラキラしています。ぴかぴか(新しい)

バッド(下向き矢印)裏面の刻印もちゃんとついています。
ガーネットペーパー3

現在の新しい紙ヤスリと比べると、品質は均一とは言い切れないのですが、たいへん「持ち」がよく、使っていても今のペーパーのようにははすぐにへたる感じではなく、使い続けるとだんだん最初の番数より細かくなって細かい仕事に使える…という感じです。
なので、いくつかの段階で「取り置き」して残しておき、必要な時に再度使う、ということができました。
和紙のしなやかな強さと、研磨剤と和紙の接着剤の強度が関係しているのかもしれませんね。
研磨対象物への食いつきもいいように思います。

なにせ昔のものですから…
材料はいいのですね。現在のものと簡単に比べてどうか、とは言えないのですが、とても「品位」は高かったと思います。
(なので、使用感がよく、研磨の仕事も心地よくなるようです)


洋紙のガーネットペーパー
『洋紙』タイプのガーネットペーパーもあります。
こうやって当時は差別化されていたんですね…。



うり坊さて、今日のおまけ写真はうり坊です。

あるお天気のいい日のこと。
うり坊のピンと伸ばしたシッポの先に、小さなチョウチョがフワリととまりました。ディズニーの「バンビ」ちゃんのシッポにチョウがとまるファンタジーな場面がぱっと脳裏に浮かんで『可愛いね〜、うり坊 揺れるハート』と私が微笑ましく思ったその瞬間。うり坊の『神の左手』が、チョウチョさんをすばやくパンチ。「ウッ」と地面に倒れたチョウチョさんを、うり坊はムシャムシャと、仏頂面で食べてしまいました。がく〜(落胆した顔) 
うり坊は「フン」とどこかに行ってしまい、その場には呆然とした私が一人残されたのでした…。

posted by 宮崎佐和子 at 22:10| Comment(6) | TrackBack(0) |   道具

2010年01月31日

■こんな道具も使っています… 真綿。

ふだん、何げなく工房の仕事で使っているものはたくさんありますが、ふと眺めるとけっこう面白いものや変わったものがあるように思います。
その中のひとつ、私がよく使っている「道具」を紹介いたしますね。^^


バッド(下向き矢印)これです… 何かお分かりでしょうか。
 (綿菓子ではありません〜)
真綿

これは真綿、つまりお蚕さんの繭からのシルクの綿なんです。ふわふわ、ぽわぽわ曇りで、手に乗せているとぽっと手のひらが暖かく感じます。

これを漆の仕事の何に使うのかといいますと…。


バッド(下向き矢印)金箔の仕事、箔押しなどに使います。
真綿

厚さが0.0001ミリと言われる、たいへんたいへんデリケートな金箔…。(透かすと向こうの景色が見えるほどです)
わずかな吐息でも浮かぶような、金箔はそんな極薄の金の膜です。
「金と漆」はたいへん相性がよく、とっても美しい表情を作り出すことができるのですが…。
この「真綿」の使い方は主に「箔押し」、漆で地描きしたあと、金箔をそっと乗せて箔がやぶけないように付着させる時によく使います。

この「真綿」は、木綿の綿よりもうんとあたりが柔らかく、そして繊維がたいへん長いので、こういった仕事にもってこいなのです。

ほんと、自然の素材って役に立つものですね…。
蚕さん、ありがとうexclamation


かごに入ったネコさて、今日のおまけ…。
竹籠に入る、うり坊とミルミルです。こんなカゴがあると、見過ごすことができないたちなのがネコさんですねあせあせ(飛び散る汗)
ネコたちがこうなると、この竹籠を腕にさげて「おひとつ、いかが?」と売り子さんのマネ(ネコ売り?)をしてみる私です。

posted by 宮崎佐和子 at 23:15| Comment(0) | TrackBack(1) |   道具

2009年06月14日

■新しく来た「掻きカンナ」です。

昨日、ちらっとお知らせした漆かきの道具の一つ、掻きカンナ。すでに何本も持っているのですが、今年も新しく一本あつらえました。^^

バッド(下向き矢印)今年作っていただいた掻きカンナです。
6_13_kanna_1_.jpg

ごらんのように、このカンナは特殊な形をした刃物です。(ふつう、見ただけではどんな風に使うのか検討もつかないと思います)
このカンナを作る制作技術を持つのは、国の選定保存技術者である青森県田子町在住の中畑文利さんだけなのです。

バッド(下向き矢印)で、今回は中畑さんにお願いして、希望の形のカンナにしていただきました。中畑さん、ありがとうございます。
6_13_kanna_zu_.jpg6_13_kanna_zu_2_.jpg

さて、デリケートな形の刃物なので、ほんの少しの幅や角度の違いで使いやすさも変わるし、用途もまったく変わってきます。
「どんなふうに変わってくるのか」は、これは文章で説明するのは難しいですが‥。
包丁一つにしても、一流の料理人なら、いろんな種類、そして幅や厚さや刃の付け方の違うものをたくさん持って、きちんと管理して使っていると思います。肉を切る包丁と魚を切る包丁は当然違うでしょうし、それと同じことと思ってくださると、いくらか分かりやすいかも知れません。


バッド(下向き矢印)掻きカンナの刃たちです。(未使用のもの)
6_13_kanna_.jpg
右・大森清太郎さんの古いコレクションから買わせていただいたもの、中・とある方と交換したもの(※不良品なんです)、左・今回の新しいもの。
写真は大きくアップしますので、興味ある方はごらんください。

刃物のつけ方が異なることが、分かる方には分かるかと思います。


バッド(下向き矢印)こうして見ると、もっと分かりやすいかな?(並びは上の写真と逆になります)
6_13_kanna_3_.jpg
この∪字に曲がった部分で、漆の幹に刃を食い込ませ、溝を作るようにして筋状に皮をえぐりとるのです。
この∪字状の部分の幅が広いと幅の広いキズをつけることができます。そして、幅の広いキズが必要なのは太い木、大きい木なので、左、中の刃物は大径木に向いたカンナということになります。

バッド(下向き矢印)ウルシ掻きのキズ。(大森俊三さんの仕事です)
漆掻き漆掻き
写真を見ると分かるように「キズをつける」というより「ミゾをつける」と言ってもいいくらい、深い痕をつけます。

バッド(下向き矢印)そしてこんなふうに使います。(本間健司さんの昨年の裏目漆掻きの様子です)


一番幅の細い、左のカンナは径の太くない木に向いています。(大森清太郎さんからいただいたカンナですね)
工房の庭の漆の木で、弟子が勉強のために漆掻きをするカンナはこれを使うことになります。^^
もちろん、そのままでは使えませんので、手に合った柄を自分で作って入れないといけません。


※さてさて余談ですが、なぜ不良品のカンナの刃がここにあるのかといいますとちょっといきさつがありまして…。
とある方が、かなり前にある所を通じて応援するために買われたのですが、手元に届くと肝心の部分に亀裂が…。(よりによって∪字の中央)もともと「資料くらいに」と思って買われたのだと思うのですが、お世話になった方だったしお気の毒に思ってちゃんとした刃物と交換して差し上げた結果これが残った、というぐあいなのです。
あせあせ(飛び散る汗)


さて…この掻きカンナ、研ぐのもけっこう手間がかかるんですよ。
弟子にきちんと出来るのでしょうか??

* * * * * * * *

子ツバメおまけです。
今年うまれた子ツバメさんたちが巣立って、田んぼの上や家と家の間をフワフワ飛ぶようになりました。
左の写真は、ツバメ5兄弟です。^^
ここの電線にとまって、お父さんお母さんツバメがごはんを持って来てくれるのを待っています。ムード

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2007年12月23日

■水指の蓋の修理と呂色炭。

「今年中」の仕事のうちのひとつだった、水指の蓋がやっとできてほっとしている今日です。晴れ
この蓋は、私の第18回日本伝統漆芸展出品作品「冬の妖精」という白い梅の花を描いた乾漆蒟醤存清の水指のものでした。
今はお客様の持ち物になっていますが、その蓋のつまみが壊れてしまい修理をしてほしいと作者の私に依頼がありました。
新年のお茶会に使っているので、年内にいただけたら…とのこと。
現物を見ると、何度もお客様ご自身が接着剤を使って直そうとしたあとがくっきりと残り、新しいつまみを作るのはもちろん、両面塗り直し磨き直しということになりました。

12/23水指の蓋1
ちょっとお待たせしてしまいましたが…。
やっとお客様にお送りすることができます。^^
(写真がうまく撮れなくてすみませんあせあせ(飛び散る汗)

この磨き仕上げのものは一般的に「呂色」「呂色仕上げ」と呼びます。塗った漆塗膜を炭や砥石で研ぎつけて、漆をさして肌を整えながら専用の研磨剤で鏡のようになるまで磨きます。
この呂色仕上げの美しさ、特に黒は、いわゆる「漆黒」と呼ばれる吸い込まれるような黒にあります。
そうですね、もし宝石に例えるなら…
塗り立ての漆肌の自然な美しさを真珠のようだとしたら、呂色の漆肌はカットされ磨き込まれたオニキスのようなイメージでしょうか。
なおかつ呂色の肌は、うるうるとたっぷり水気をふくんだような感じです。とても魅力的なんですよね。

工房の仕事では、ふだんは塗り立てがほとんどなので、本格的な呂色をとるのは久しぶり。
呂色炭も久しぶりに使いました。

12/23水指の蓋2
塗った漆の表面を、その面の形に合わせた炭で研ぎます。
きれいに均一に塗った塗膜でも、わずかな刷毛目が残っています。それをほぼ研ぎつけてしまいます。

この漆塗膜を研ぐ道具は、炭や砥石が一般的です。その炭や砥石もいろいろ種類があり、たいていは番手が違うもの(目の細かさが違うもの)を併用して使われます。
その研ぎ加減も作法もさまざまです… どんな磨き仕上げを好むか人それぞれで「磨く人の性格が分かる」と私は思っています。笑
どこまで細かく美しく深い色に磨き上げるか、これも追求するときりがない世界です。でも、それは一般の方が見ても全然分からないくらいの差なのですから、ほんのわずかな漆の塗膜の厚みでの仕事なのに、人の追求する意欲に限りはないものです。

さて、私が使っている「呂色炭」ですが…。
漆芸の世界でもあまり一般的なものではないかもしれませんので、少しだけ紹介します。
12/23するが炭と呂色炭
左/駿河炭 右/呂色炭

どちらも研磨用に成形したもの。これは1.5センチくらいの大きさです。原木が違ってきめの細かさや質感が異なります。※研ぎ炭(日本工芸会より)
一般的なのは、駿河炭でしょうか。私は試したことがありませんが金属の研磨にも使われるそうです。
確かに、しゃっきりした使い心地です。
大きめの節もスカッと取れて、とても気持ちがいいものです。

さて、なぜ呂色炭の方は形が丸いかというと…それにはちょっとした理由があります。
あまり大きな炭が取れないんですよね。
12/23呂色炭1
成形前の炭。
いっぱい亀裂が入ってころころしてます。

こんなふうに細かい割れがたくさん入ってて、磨きに使いやすいような大きめの炭はなかなか取れません。
駿河炭を削った方ならお分かりだと思います、部位にもよるのでしょうが比較的大きな研ぎ炭をさっと作ることが出来ます。呂色炭はそうはいかないんですよね…「やった、これは大きい!」と思った固まりがあっても、成形中にほとんど崩れてしまいます。表面に出ていない割れがやっぱり入ってるんですね。

12/23呂色炭2
こんな大きさの炭からも、これくらいの
研ぎ炭しかとれなかったりします。

呂色炭のいい所は、塗り肌の刷毛目も取れてなおかつ研ぎ肌が細やかな所です。うまく使うと、いい状態の呂色が比較的早くとれます。
さて、この呂色炭ですが、数年前にお世話になった漆芸家の先生の所で焼いて作ったものです。いい原木さえあれば、素人でも簡単にできます。また機会があれば、ご紹介したいと思います。^^

それにしても今回の水指ですが、本体は見ることはありませんでしたが蓋を再び手にすることができて本当にいい勉強になりました。
とても手をかけた我が子のような作品でした。
新春の晴れがましいお茶会に使って下さっていることが分かって、とてもうれしい仕事でした。


posted by 宮崎佐和子 at 22:50| Comment(4) | TrackBack(0) |   道具

2007年11月04日

■広島の石社さんから印刀が届きました。

…また、松本の刃物ネタです。^_^;
広島の鉋鍛冶屋の石社さんに頼んでいた刃物が届いたのです。
松本はそれはもうウキウキ!
一日中、新しい刃物にかかり切りです。

11/4石杜さんから届いた刃物。
二分五厘の印刀。鋼はスウェーデンアッサブ炭素鋼。
c1.25〜1.28(k-120とは違うそうです)
地金は錬鉄。黒裏。


この印刀は、石社さんの刃物の特徴を知るためにまず手に入れました。石社さんの刃物を使うのは、初めてなのです。
松本がこの印刀を使ってみて、石社さんの焼きの加減を知り、新たに自分の刃物をオーダーするための基準にします。

11/4石杜さん刃物の刃先
松本が、少し研いでみました。

研いだ感想は…。
「砥石当たりがすごく柔らかく、非常に研ぎやすい。鋼の硬さはおそらく硬めで研いでも『刃返り』がすごく少ない。非常に締まった感じがする。木材に刃を当てても、カミソリのような頼りがいのない切れ味ではなくて、非常に締まった鋭い切れ味と安心感のある安定した刃味がする。(松本談)」
…とにかく、よく切れるし、松本も気に入ったみたいです。

11/4石杜さんの銘
石社さんの刻印。


11/4石杜さんの刃物を漆の木で柄入れ
今回の刃物の柄は「ウルシの木」です。^^


「次に注文する刃物は、もっと硬めにしようっと!」と松本はうれしそうに言っていますが… ええっ、次は何を作るのでしょうか。…そしていったい幾らかかるんでしょう?と、ちょっと不安な私でした。あせあせ(飛び散る汗)




posted by 宮崎佐和子 at 20:13| Comment(4) | TrackBack(0) |   道具
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