割裂させた柾目のヒノキ材を使い、へら太刀(塗師屋包丁)を用いて、好みの厚さや長さのへらを自分で削り出し、仕事に合った道具を自在に作るのです。

松本が、私に新しいへらを作ってくれました。(私はへら削りが下手なので、いつも松本が作ります)
まっさらのへら、気持ちいい!!^^
松本は、私のへらを作る時は以前、裏出しをした私のへら太刀を使っています。自分のへら太刀は自分のへらの時しか使わないんだって、ちぇ〜


いろんな大きさや形にして使います。
これは砥の粉さびの仕事に使っています。
これは砥の粉さびの仕事に使っています。
この漆の仕事で使う木べらは、漆をすくう・移動させる・集めるなどのほか、さびを練ったり、あらゆる下地付けに使い、欠かせないものなのです。
しかし、すぐ切れが鈍るので心地いい状態を保つには、細やかなメンテナンス(こまめなへら削り)が必要です。
しかし、それには良い状態のへら太刀が要り、良い状態のへら太刀を持つには良いへら太刀自身と太刀の管理能力、管理道具が要り、良い砥石と研ぎの訓練が必要となります。
いわゆる「塗師屋包丁とヘラを見れば、仕事がわかる」といわれるゆえんです。
しかし、昔ならいざ知らず実際にはなかなか難しいものです。私のように?苦手だという方も多いのではないでしょうか。

今は、こんなに木目のつまったヒノキの
へら木も少なくなってしまいました。
へら木も少なくなってしまいました。
これは片刃の作り方をしたへらです。香川県のへらは、片刃を使う職人さんが多いのです。東京の方は、両刃作りでへらを作る方が多いような気がします。
今でも地域の差があるのかもしれません。