2007年12月05日

■竹内さん、枝漆かき&研修を終了。

今年の日本うるし掻き技術保存会のうるし掻き研修生として、今年6月から岩手県浄法寺町に滞在していた、長野県の竹内義浩さん。
半年間におよぶ研修を無事終えました!
おつかれさまです。手(グー)

最後の仕事は、枝漆かき(池)でした。
枝うるしとは… 辺かき(幹からの漆採取)を終えて切り倒した漆の木の枝から、かき出した文字通り最後の漆です。重労働なのと、日本産漆が売れなくなったために一時期途絶えたのですが、竹内さんの師匠の大森俊三さんが、2001年に仕事を再開。ほぼ毎年、その仕事を後継者に教えています。

12/5枝漆かき3
山での枝取り。伐採した漆の木から、調子のよさそうな枝を切り取って束ねます。今年は110束も(!)集めて仕事をしたそうです。

12/5枝漆かき4
12/5枝漆かき5
このように、池に集めて枝を立て、枝に十分水を吸わせます。(約20日間ほど)

そして、薪を焚いて暖かくし「梅雨時の気候」を再現した作業部屋を用意します。
12/5枝漆かき2
枝に約15センチ間隔で傷を付けます。
(写真は、大森俊三さん)
12/5枝漆かき1
ゆっくりにじみ出て来た漆を
専用のへらで根気よくかき採ります。


今回は、110束の枝から1貫500匁(約5.6キロ)もの枝漆が採れたそうです。わ〜、けっこう採りましたね。('o' )
最後の最後まで、きっちりと漆を採ってくれて、きっと木も喜んでいるじゃないでしょうか。^^

口数が少なく、若いけどもくもくと精力的に仕事をする竹内さん。
この半年間、大森俊三さんもきっと教えがいがあったことでしょう。
浄法寺は、天台寺と漆以外は、田んぼと素朴な人々、そして魂が消えそうなほど透明な星空しかないような町です。
そんな小さな見知らぬ町へ、まだ肌寒い6月の初夏からやって来て、年末の雪まで見てから、やっと奥さんと小さなお子さんと出発前に生まれた赤ちゃんの待つ長野に戻るのですから、とても一言ではいえないような感慨があると思います。

竹内さんは、明日家に帰るそうですが…
ほんとうに「おつかれさま」でした。


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posted by 宮崎佐和子 at 23:59| Comment(2) | TrackBack(0) |   竹内さん研修報告(2007年)

2007年11月16日

■竹内さんの浄法寺の漆かきだより 12

今年の浄法寺うるし掻き長期研修生の竹内さん。竹内さん


先日、うるし掻き体験記をご紹介した輪島キリモトのmaさんは、5日間だけでしたが、長期研修生は毎年定員2名だけで、5・6月頃から11・12月頃まで滞在して、最初から最後まで、しっかりとうるし掻きの作業一連を勉強します。
その竹内さんから、いよいよ追い込みの仕事の報告がありました。
漆の木の伐採裏目うるし掻きの仕事です。


10/9〜11/3までの間の約1ヶ月のうち、二十日ほど裏目を採りに畑をまわった。〈竹内さん〉
木の幹から採取する、最後の漆が「裏目」と呼ばれ、辺漆(初辺・盛辺・末辺)とは区別されています。※裏目漆について
裏目うるしは、他の辺漆(初辺・盛辺・末辺)と比べると質が落ちると言われていますが、必ずしもそうではありません。竹内さんの
師匠(そして松本の漆かきの師匠でもある)大森俊三さんの採る裏目漆は、たいへん使いやすい漆で、工房でも重宝しているのです。

その後はチェーンソーで、木を伐採して幹の上方から漆を採り、枝切りをして枝を採っていく。残った材は一部支柱に使うくらいでほとんどは薪になる。持ち帰った枝は池に立て、11月7日で五十束になり水を張った。今年は百束の予定なのでいい所だけ枝を採り、あとは伐採してかたづけていく。〈竹内さん〉

あいにく、裏目うるし掻きの写真が入っていませんが… 
記事の最後に、竹内さんの裏目漆かきの動画を付けているので、ぜひ見て下さい。(その前に伐採のシーンが入っています)

さて、この裏目うるしが終わると、うるし掻きももう一区切り…といった気分になります。
11/16漆の木の伐採2
悪天候にもかかわらず、今年もいっぱい漆を出してくれた漆の木。
役目をほぼ終えたこの木を、切り倒します。(木が可哀相とは言わないで下さいね)
今年掻いた木は伐採する。切った株からは春になると新しい芽が勢いよく出てくる。株からちょっと離れたいい芽を選んで伸ばしてやれば、やがて成長してまた掻けるようになる。親と同じ漆が出てくる。孫まで三代は良いが、その後は育たない。〈竹内さん〉  
11/16漆の木の伐採3
切った切り株からも、うるし樹液がにじみ出ます。
「根うるし」と呼ぶ漆。これも大事に採取します。

11/16漆の木の伐採4
トラックに積み込まれた漆の枝たち。100束作る予定だそうですが、この荷台には8束積まれているみたいですね。^^
竹内さんの言葉どおり、切った木は大半は薪になります。が、調子がよさそうな枝を100束集めて、それは『枝うるし』を採るのに使うのです。※池の枝うるし採りについて
これも大変な作業ですが、最後の最後まで、出るうるしを活用しようという、うるし掻きさんの工夫なのです。
(↓竹内さんの聞き取りです)
俊三さんの昔の話…裏目の後、ちょうど今頃の時期に止め掻きをしていたが今はやらない。止め掻きでは、裏目のキズの間にさらにキズをつける。裏目の半分も三分の一も採れない。真っ白な漆が採れる。その後、ナタで枝を全て落とし、幹だけにしてから木を倒す。 枝のいいところは三尺くらいに切り、束ねてから二十日間ほど池に浸けた後、枝漆を採る。昔は雪の降る頃まで枝を集めて、春先まで枝掻きをした。また、さらに細かい枝は池には浸けず包丁でキズをつけて瀬〆漆を採った。それだけ注文があったし、手間になった。今はとても手間にならないから、そこまでやる人はいない。昔は捨てるところが無かった。伐採した幹は栗よりも腐りにくく小屋や畑の支柱、土手や田などの崩れ止に使った。また、材の赤身の部分を使って漁網の浮き(アバ)としての需要もあった。〈竹内さん〉 



さて、いよいよ漆の木の伐採と裏目うるし掻きの様子の動画です。(松本が先月、浄法寺に行った時に撮りました)
前回の記事では、動画のメモリが足らなくなって、竹内さんのシーンが数秒しか入りませんでしたが…あせあせ(飛び散る汗) 今回は後半からちゃんと入っています。
前半/漆の木の切り倒し(大森俊三さん)
後半/竹内さんの裏目漆掻き(竹内義浩さん)
          ※約1分半ほどあります



…それにしても、山の仕事は体力が要りそうですね。たらーっ(汗)
これに冬の寒さも加わってくるのですから、身体に気をつけて今年の仕事を無事終えてほしいものです。

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posted by 宮崎佐和子 at 20:10| Comment(5) | TrackBack(0) |   竹内さん研修報告(2007年)

2007年10月24日

■竹内さんの浄法寺の漆かきだより11

今年のうるし掻き研修生として、長野県から来ている竹内義浩さん。私たちと同じ香川県漆芸研修所修了生です。(以前、竹内さんが『漆掻きの勉強に浄法寺に行きたい』と言った時は『おお〜研究所修了生の漆かきが増える』と松本はすごく喜んだものです。^^:)
浄法寺に滞在している先週の週末に、松本が浄法寺に行ったので、仕事を見せてもらいました。

10/24 浄法寺にて竹内さん
竹内さん。自分の掻いた木の前で。


漆かきの師匠、大森俊三さんと研修生の竹内さんのうるしかき(裏目うるし)の仕事の様子を、松本が動画で撮らせていただきました。(特にベテラン大森俊三さんの仕事は、必見です)




…あ、すみません。
動画のメモリが足りなくなって、竹内さんのシーンは最後数秒しか入りませんでした。(ごめんなさーいあせあせ(飛び散る汗)
11月になったら、追加アップできますので、その時まで楽しみにしていて下さい。


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2007年10月20日

■竹内さんの浄法寺の漆かきだより10

岩手県の浄法寺町で、今年のうるし掻き研修生として長野から岩手入りしている竹内さん。裏目漆かきをしている様子を、知らせてくれました。

10/20裏目の傷
裏目かきのキズ。


10月9日から裏目掻きに入る。作業では辺面の裏側や木の根元、上方、太い枝など今までキズをつけていない所に、残った漆を採りきるつもりでキズをつけていく。木が硬くなりキズも延ばすため力がいる。また、はしごを使い先の方まで登って漆を採っていく。今年の裏目は盛・末同様にかわきが早く、また俊三さんの話ではいつもの様に真っ白くなく色味があり、粘りが強くて遅辺のようだということ。九月は例年より暖かかったが裏目に入ってから寒く、朝は5℃前後、日中は15〜18℃で晴れや曇りの乾燥した日が続いている。葉は多く残り、紅葉してきている。〈竹内さん〉

東北地方である浄法寺、もうかなり気温が低いようです。出てくる裏目漆の様子も、いつもと雰囲気が違って辺漆のようだというのは、とても興味深いものがあります。

10/20珍しい漆の葉の紅葉
珍しい赤くなった浄法寺の漆の葉。
ウルシの葉はあんまり赤くならないのですが…
(いつもは黄色くなるくらいなのです)



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2007年10月07日

■竹内さんの浄法寺の漆かきだより9

岩手県浄法寺で漆かき研修中の竹内さん。
しばらく「漆かきだより」が届いていませんでしたが…その間、浄法寺は大変なことになっていたのです。がく〜(落胆した顔)

九月十六日から十八日にかけて豪雨に見舞われ、岩手県内各地で被害が出た。
浄法寺でも道路や橋、田畑などあちこちで冠水。漆の研修林も一ヶ所溢れた川の濁流に浸かり、木は砂と流木で一メートルほど埋まった。しかし、その後も漆は出た。台風で葉が落ちてしまった木は漆が出なくなってしまったが。〈竹内さん〉


…東北なのに、台風の被害にあったり、夏はなかなか暑くならず漆の出来を心配したり…と、今年は本当に悩みが尽きない年でしたが、本当によくがんばってくれていると思います。

10/7泡を吹くウルシの掻き傷
キズを付けさえすれば、誰でもいい日本産漆が採れる…
というわけではありません。時には自然と戦い、
動きを予測して計画を立て、経験とカンを要し
かつ柔軟で根気強く向かうという仕事なのです。


十五・十六・十七辺と六〜七日あけてまわり、漆は白くなったが赤味もあり、わりといい漆が採れたと思う。量も盆過ぎからほぼ一定に採れた。
十八辺を一日まわって九月いっぱいで辺掻きは終わり、木を休ませてから裏目掻きに入る。裏目は出そうな木だけ選んでまわる。九月は気温も高く、葉の色付きも例年より遅い。十月に入って朝は10℃以下にに冷え込み日も短くなったが、日中の気温は高め。〈竹内さん〉


きっともう裏目掻きに入っているのでしょうね。^^
辺漆もいいですが、大森俊三さん仕込みの裏目漆も、ちょっと楽しみなものがあります。



さて、ちょっと話が変わりますが…。
この夏に浄法寺に短期研修(もちろん漆かきの)に行った女の子がいます。彼女は、とある有名な漆器のお店で仕事をしている子なのですが…松本にそそのかされて??本当に浄法寺に行ってしまいました。^_^;
「ブログに書いてくれていいよ晴れ」と即OKをもらったので、彼女の貴重な漆かき体験も、近々アップしたいと思っています。

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2007年09月10日

■竹内さんの浄法寺の漆かきだより8

文化庁の委任団体「日本うるし掻き技術保存会」の19年度研修生として、岩手県浄法寺町に「漆かき」の研修中の竹内義浩さん。
その竹内さんから、浄法寺の漆かきの様子のお知らせが届きました。

9/10 浄法寺の漆かき中の木

東北地方の今年の梅雨時期修正発表があり、梅雨入りは6/29梅雨明けは8/11。漆掻きの最盛期は、例年の梅雨明けの頃である土用の入り(7/21頃)から台風の来る二百十日の頃(9/1)ということ。 十二・十三・十四辺と涼しくなってきたので五日〜六日辺でまわり、八月末に木が締まりいったん出が少なくなった漆は再び採取量が増える。(くだりが来る。)その後また減る。  
天候や場所による漆の色艶や粘り、出方など違いがよりいっそう明確に表れ、それは毎日変化している。季節の変わり目を感じさせる。
九月に入ってからは秋雨、そして日に日に蒸し暑くなり雨の止み間に作業をする日が続く。そのためか採取量はピークになる。
9/7台風が通過して風雨強く葉もいくらか落ちた。
9/8天候は一気に回復し昼頃から漆も急に出なくなった。
9/9カラッとした天気で、出方もいままでより少なく、汁っぽくなり流れやすいので採りずらい。9/10は雨の予報。
俊三さんの話ではこれからの時期、いままで出ていた木は先の葉がきれいな紫色になりだんだんに出なくなり真っ赤に紅葉する。いままで出なかった木はもう一度だけ出る時があって、(くだりが来る)葉は黄色くなっていく。ということ変化に富んだ季節の変わり目の漆は、盛りに近い感じだがおおまかには白っぽくかたくなってきている。〈竹内さん〉


長かった漆かき研修も、もう終盤にさしかかっています。
あと少し…がんばって下さい。^^

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2007年08月27日

■竹内さんの浄法寺の漆かきだより7

岩手県浄法寺で漆かき研修をされている、竹内さん。
8月下旬の様子を、知らせてくれました。晴れ

本日十二辺二日目。最近天気は安定し、気温は高いがカラっとしている。しかし、朝晩は涼しい。
二十三日に十一辺が終わり、十一辺では漆が一貫百四十匁採れたことになる。
漆はほんの少し赤みがかり、粘りのあるいい漆だ。漆の量も多く、ジワーっと出てくる。十二辺目は場所により急に出る量が減り、漆の色は白っぽくなった。
大森俊三さんの話ではこの時期、急に木がしまるのでいったん出なくなる、樹皮の厚さが半分になり硬くなるということ。冬になると皮はさらに薄く硬くなる。〈竹内さん〉



11辺では漆が一貫百四十匁採れたそうで…、この量は4キロ275グラムになります。夏の漆らしく、やっといい漆がたくさん採れたそうですが…。
もう木は秋の準備を始めて、樹皮が締まってきているみたいです。
東北は、夏が短いのです。
私たちのいる四国はまだまだ残暑で夏という感じですが、岩手はこの後すぐ秋になり、そして長い冬が待っているのです。

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2007年08月20日

■竹内さんの浄法寺の漆かきだより6

酷暑が続いていた昨今、浄法寺の漆掻きの方は、どうでしょうか。
お盆休みの里帰りを終えて、岩手に戻った竹内さんから、ちょっと面白い画像が届きました。


8/19漆のロウ
粉砂糖をまぶした甘納豆?
みたいですが…。笑


実はこれって、ロウを吹いたウルシの実なんだって!
わわっびっくり!! 私、初めて見ました。(松本は見たあるそうですが…)
うちの漆の木になる実は、ロウが吹き出る状態になったことってないんです。見た目は、話に聞く貴腐ブドウに少し似ているのかもしれません。


八月四日の台風通過後、雨が降ったりやんだりの天気が一週間続き作業ができずにそのまま早めの盆休みをとり信州へ帰省。
一昨日(※8/16)から作業を再開、キズも延ばしメサシも全部入れる。二週間あき水っぽいが、十辺まわり一貫百二十匁と今までになく出る(一本五匁)。昨日からぐんと気温が下がったが、今後の天気に期待したい。〈竹内さん〉


ずーっとご家族と離れていた竹内さんも、水入らずのお盆が過ごせたみたいです。^^
そして、16日ごろまでは猛暑だった浄法寺も、天候が悪くなって17日から10°以上も気温が下がり涼しいそうです。(四国はまだまだ暑いのですが…)
今週から、岩手も暑くなるそうです。


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2007年08月06日

■竹内さんの浄法寺の漆かきだより5

8/4の夜、浄法寺で漆かき研修中の竹内さんから、また様子のお知らせがありました。

なぜか、なかなか暑くならなかった今年…。
遅い梅雨が明けて、やっと夏らしい日差しを感じています。
南の四国でさえそうなのですから、東北はどんな様子なのでしょう?(うんと暑くなって、たっぷり光合成ができないと、いい漆にならないのです…)

八月一日に梅雨が明け、二日三日はようやく本格的な夏の暑さになる。(夕方までに水を4?飲むくらい)五日辺でまわり九辺終了。例年なら盛りの時期だが漆はまだ水っぽく、かわきは早く、翌朝には噴いている。しかし色艶は辺を重ねるごとに良くなり、出る量は増えている。(七辺〆560匁八辺〆705匁九辺〆 810匁)本日四日は台風通過で雨天。今後の天気に期待する。〈竹内さん〉


8/5漆の掻き傷1
竹内さんの今年の掻き傷、全体。
この逆三角形に重ねたキズの上に、
これから今日付けるキズを重ねます。
(8本付けたキズの上に来るので、今回が9辺目のキズ、ということになります)

8/6掻き傷1
キズを付けた直後。

8/6掻き傷2
7分後。
8/6掻き傷3
13分後→14分後。
8/6掻き傷4
43分後。


浄法寺では、台風5号の二日前から暑くなり、台風が過ぎると気温は高くはなったけど今後は天候不順で、日が出ないそうです。(うーん、やきもきするなあ)
先日、竹内さんが自分の採った漆を成分分析にかけたら、最近採った漆の水分が20%くらいだったそう。数字上はすごくいい成績です。でも「分析した時の漆の色味は、まだ白っぽかった」とか。
そんな中、つい先日になって「夏の漆」がやっと出るようになって竹内さんもうれしそう! うんうん、松本もうれしそうです。わーい(嬉しい顔)

…ということで、今年の漆はうんと「おくて」になりそうです。
盛りより、遅漆や裏目の漆の方が、うんと良いでしょう。いい悪いではなくて、これが今年の漆の特徴になるかと思います。


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2007年07月19日

■竹内さんの浄法寺の漆かきだより3

岩手県浄法寺町で、今年うるし掻き中の竹内さんからです。

五辺まわり合計一貫採れ、昨日より六辺に入った。一日二百十匁(七十本)採れている。ここ一週間日中も気温は二十度を下まわり、曇りや雨続きだ。
しかし、六辺目の漆を見て俊三さんは漆になっていると言う。水は多いように思うが、あとから出てくるものはより濃くなり、これまでより色艶もある。
(結局まわる木の本数は二百二十本になる) 〈竹内さん〉


浄法寺は、信じられないけどまだ肌寒いのです。
気温が20度に達しないなんて、そうとうな寒さ。6辺目に入ったとはいえ、暑くならないとなかなか身の充実した「漆」が出ません。(漆かきは、漆に「キズ」をつけさえすれば、高品質な日本産漆が簡単に出る、というものではないのです)
それでも、だんだん漆の色になってきて、水の少ないいい漆が採れる日も増えてきたんだとか。もう1貫も漆が溜まってきたとなったら、竹内さんも、きっと掻いてて楽しい時期に突入!でしょう。

7/17漆の木
6辺目に入った竹内さんの木。
この木は直径約15センチ、目くらいの高さ。
だんだん、漆かき中の木らしくなってきました。


7/19タカッポ
写真はカキタル(タカッポ)の中、
18日に採れた漆。


今日は、師匠の大森俊三さんが1日中、NHKの取材のために撮影協力をしていて竹内さんもそのお手伝いをしたそうです。8/18にBSで放送予定(番組名は不明たらーっ(汗))もし、番組名が分かればお知らせします。


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posted by 宮崎佐和子 at 22:02| Comment(0) | TrackBack(0) |   竹内さん研修報告(2007年)
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