2008年11月07日

■本間さんの浄法寺の漆かきだより9

浄法寺町で漆掻き研修中の本間健司さんから、裏目漆かきの動画が届きました。
もう11月‥ 最後のうるしかきになりますよ。^^
どうぞ、ごらんくださいませ。

裏目うるしについて。←裏目について詳しくはこちらをどうぞ。





カンナでキズを入れて、キズの中にさらに刃でメサシ(切り込み)を入れる様子です。
映像を見てくださるとわかるのですが‥
漆掻きを「木にキズを入れる」という表現をしますが、「キズを入れると」いうよりも、「ミゾをつける」という方が正確かもしれません。
最初に漆掻きカンナを通した時、すーっと1本の細い木くずが出て落ちます。これで、木の幹に∪型のミゾができます。
これが漆掻きの時に木に付けるキズなんですね。

‥もう、時期も終わりなのでうるしはあまり出ません。
ゆっくり、乳白色の液がじわーっと出ます。(これが真夏の盛り漆だと、かなりの圧力で勢いよく漆が出てきます)




メサシ(切り込み)を入れた様子。
∪型のミゾをつけたあと、さらにミゾの真ん中にとどめで切り込みを入れます。この映像では、その切り込みから少しの漆がぷくっと出てくるところが見られます。
(指を切った時に似ています〜 >_<)


本間さんの漆掻き研修ももう終わりですね。
あとは、役目を終えた木を切り倒して片づけをして、研修を終えます。
師匠の佐藤春雄さんの仕事のお手伝いをして、今月末に茨城に戻るそうです。
約6ヶ月間、ほんとうにお疲れさまでした。ぴかぴか(新しい)

今後のご予定は?とお聞きすると‥。
来年はさっそく茨城で漆掻きを再開するので、地元に戻ったら木の準備をされるそうです。わっ、なんとも頼もしい言葉です。(楽しみだなあ〜そして成熟した漆の木がある茨城がうらやましい!)
ますます期待したいところです。^^
そして、お父さんである本間幸夫さんの個展が控えているのでそちらのお手伝いもしたりとなかなかお忙しいみたいです。なので、4日山のうち、一日山くらいのペースで漆を採りたいとのことですよ。

本間さんとは、今月の末にうるし掻き研修生OBが集まる視察交流会で松本がお会いできると思います。(たぶん出席します)
漆おたく同士?また、盛り上がりそうですね。

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2008年10月03日

■本間さんの浄法寺の漆かきだより8

岩手県の浄法寺町にうるし掻き研修に行っている本間健司さん。
そのお仕事の様子を、動画でいただきました。ぜひごらんください。^^




もう、キズは17辺だそうです。
出てくる漆の量はかなり少なくなってきています。気温も低くなり、木の皮も硬く締まってきてうるし掻きのシーズンもそろそろ終盤を迎えつつあります。
そろそろ辺掻きは終わりですね。
季節の移り変わりは、ほんとうに早いです。


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2008年09月07日

■本間さんの浄法寺の漆かきだより7

岩手県の浄法寺町にうるし掻き研修に行っている本間健司さんから、最近の様子が届きましたのでお知らせします。
実は、ここしばらく連絡が途絶えて?いたのでちょっと気になっていたんです。
(でも、こちらもばたばたしていたので、なかなか様子が聞けなかったんですね)


ご無沙汰の報告です
現在14辺目に入ったとこです
盆すぎからずーと雨でまったく掻けない状態でしたが9月にはいってやっと掻けはじめました
漆のでぐあいは、前半かなり痛めたわりにはボチボチです
いまはまた竹内さんも浄法寺にいます <9/6 本間さん>


わ〜!
浄法寺、ずいぶん長い間、雨続きだったんですね。あせあせ(飛び散る汗)
(雨が降ると、漆が掻けません)
せっかく浄法寺にいるというのに、しばらく臨時休業状態だったとは思いもしませんでした。
四国は雨不足だというのに、なんともまんべんなくとはいかないものです。
漆の出も悪くない、ということなので遅辺漆(秋に出るうるし)にも期待したいところです。

出張から戻ったら、本間さんにいろいろ詳しく聞いてみたいと思います。


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2008年08月11日

■本間さんの浄法寺の漆かきだより6

岩手県の浄法寺町にうるし掻き研修に行っている本間健司さんから、今の作業の様子が届きましたのでお知らせします。^^

漆かき(盛り)の木

こないだからやっと盛漆になりました。
が、さいきんマイ漆山元気たんないのか50本で500から650gしかとれません。キズはMAX伸びているのですが…<7/22 本間さん>


漆山も、やっと盛りですねえ…。^^
ほんとう、キズは最大限伸びています。(キズを最大限伸ばしている→幹の周囲に対しての長さのこと。木を生かすギリギリの長さで、これ以上伸ばすと木を弱らせたり枯らせたりする可能性がある)
『盛り』というのは、うるし掻きシーズンのまさに盛りで、真夏の太陽のもとで最も内容の濃い漆樹液が一番多く出る時期のことです。
この時期に高品質の漆を、たっぷり木に出してもらうわけですね。
…本間さんの採った盛り漆、いつか一度見てみたいです。


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2008年07月24日

■岩手県の地震について。

今日未明に発生した、岩手県沿岸北部で震度6強 の地震ですが、さきほど、本間さんと連絡を取って無事を確認しました。
本間さんいわく「浄法寺はそんなに揺れなかった」そうです。でも、まだ周囲の状況を確認していないので、どんな様子かはまだ知らないそうですが…。
取り急ぎお知らせします。

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2008年07月23日

■本間さんの浄法寺の漆かきだより5

真夏日のという様子の毎日ですが、浄法寺町へうるし掻き研修に行っている本間健司さんから、うるし掻きの様子のお知らせが着ました。

ただいま8辺です! 最近用事で茨城いってたのですこしおやすみしてました。だいたいいま50から60本で600gぐらいです。ヘラがあんまり上手くいかずかなり採りこぼし中です… <7/22 本間さん>
7/23掻き跡
↑クリックで写真が拡大します。
ちょっと粗いですけど、大きな画像でごらんください。


すっかりうるし掻き真っ盛り、という風景になりました!
そして、師匠の佐藤春雄さんらしい形の傷です。(うるし掻きをする人によって流儀があり、幹に付ける逆三角形の傷の形などが異なってくるんです)
6/30の時には、150〜200gという量が採れていたそうなので、うんと盛りらしい量になってきましたね。
暑さに気をつけて、がんばってください。

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2008年07月13日

■本間さんの浄法寺の漆かきだより4

7月も半ば、いよいよ夏らしくなった漆どころの本拠地・浄法寺町。そこへうるし掻き研修に行っている本間健司さんから、今年のうるし掻きの様子のお知らせが着ましたexclamation

7/13本間さんの掻き傷
今日から七辺目です なんだか盛漆ぽくなってきました 今年はから梅雨で忙しいです
…雨ふんないかなー<7/13 本間さん>


うんうん、しっかり漆が出ています。
前回(6/30)に比べると、漆が出るようになりましたね。^^

でも今年は「から梅雨」で雨が少ないみたいです。
ちなみに、去年の長期研修生だった竹内義浩さんの近い時期(7/19)の浄法寺のうるし掻きの様子はこんな感じでした。
…去年は、曇りや雨続きでしかも寒かった(気温20度以下たらーっ(汗)なんです。うわ〜、去年は大変だったなあ。

バッド(下向き矢印)それから本間さんの『お昼ご飯』公開です。ぴかぴか(新しい)
7/13お昼ご飯
20回は食べました あきた…もうやだ〜(悲しい顔) 
あと今日から黄色い葉がかぜで落ちるようになりました <7/13 本間さん>


…ちなみに、松本がうるし掻き研修をしていたころ(※こんな感じ)のお昼ごはんは、コンビニ弁当かおにぎりだったそうです。笑 
てっきり「山のお仕事はお弁当と水筒」のイメ−ジだったんですが…、よーく考えると一人暮らしの独身の男の子が手弁当、というのは難しいですよね。


さて、これから盛り本番に入っていきます。
目が離せません。^^


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2008年06月30日

■本間さんの浄法寺の漆かきだより3

今年の日本うるし掻き技術保存会の長期研修生、本間健司さんから、昨日うるし掻きの様子が届きましたexclamation
もう、かなり『辺』※重ねる傷の数 が増えているはず…。
きっとうるし樹液もそろそろ採れていることでしょう… どきどき。

6/30 本間さんの掻き傷
いま4日でまわってます。最近漆山元気足りないかんじ…。四辺と五辺で出る量かわらず、150〜200g。<6/29 本間さん>

やっぱり、上手いです!
(本間さんは、本数は多くないですが地元の茨城でもうるし掻きをされていたんですよ〜)

傷は、もう5辺目に入ってるんですね。^^
↑コメントによると… いま、1日に採れる漆の量が150〜200g、ということです。(一日約50本くらいの木を手がけています)
本当にだいたいですが、この量はお茶碗に半分くらいの量でしょうか。
たいへんな作業なので、一日がんばったら「もっと量が欲しいなあ」と思うところだと思います。
でも漆のシーズンはこれから…
うんと出る真夏まで、しっかり仕事を続けることが大事ですね。

面白いのは、本間さんが先生のうるし掻きさん、佐藤春雄さんのことを「赤ペン先生みたい」と言っていたこと。
『こんな形にキズを付けなさい』と幹に下書きしてくれるそうなんですが、その印が赤なんだそうです。(ちなみに、大森俊三さんは『白チョーク』でした)
こんなベテランのうるし掻きさんに、教えてもらって、とても恵まれていますねえ…。

シーズンはこれから、ますます経過が楽しみです。^^


posted by 宮崎佐和子 at 20:49| Comment(2) | TrackBack(0) |   本間さん研修報告(2008年)

2008年06月22日

■本間さんの浄法寺の漆かきだより2

最近の浄法寺の様子ですが、雨があまり降らず(降ったとしてもぱらぱらと小雨程度)本間さんも休みなしに山で研鑽しているそうです。
(雨が降ると漆かきができないので休みになる)
「ほんと、ハードな仕事っすよexclamationと屈託なく本間さんは話してくれます。

バッド(下向き矢印)本間さんの3辺目の傷です。
6/21
3辺目です。 なかなかカンナが思うように使えなくて苦戦中です。厳しいたたかいになりそうです。<6/20 本間さん>


そして、今日からいよいよ4辺目に入るんだそうです。
…そろそろ、漆樹液(初漆)が採れるころですね。(最初の傷で出る汁は、漆になりきっていないので出ても取らないものなんです)

さて、本間さんの毎日の様子を聞きました。

本間さんの受け持つ漆の木は約200本。(うち150本が保存会の支給林、50本が本間さん個人で用意した木)
朝、6時半〜7時頃に家を出て、師匠の佐藤春雄さんの家に行ってその日の予定を報告し、車で30〜40分かけて漆の木のある一戸市へ。
そして、その日の計画にのっとって山でもくもくと傷を付けます。最初の2週間は、佐藤さんと一緒に仕事をしていましたが、あらかた一人でできるようになると、ほぼひとりで過ごしているとか。(新しいステップに移る時は、また佐藤さんと一緒にやっていろいろ教えてもらうそうです)

そんな本間さん、今の仕事でむつかしいことは?と聞くと…。
「辺の長さ(傷の長さ)を決めるのがむつかしい」んだそうです。経験が少ないので、仕事の全体像がうまくつかめなくて「これくらいかな??」と悩みながら傷をかさねているんだとか。(前の傷の上部に、新しくさらに少し長い傷をつけて重ねていくが、その傷の形や形状にも意味があり、出てくる漆樹液の品質に大きく影響する)


それにしても、山の仕事って疲れます。あせあせ(飛び散る汗)
(私も漆かきを体験しているのでよく分かります…)
※山の中は時々ハプニング?もあって、本間さんも愛車(レガシィ)を漆林におっことしてしまい、なんとか引き上げてもらい無傷ですんだという事件もあったとか。(わ〜気を付けてくださいね。>_<)

どうして、漆かきのおじいちゃんたちは、あんなに軽々と山の中を駆け巡るんでしょうか…!?
本間さん、若者世代の代表としてうんとがんばってくださいexclamation

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posted by 宮崎佐和子 at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) |   本間さん研修報告(2008年)

2008年06月21日

■岩手・宮城内陸地震。浄法寺は…?

6月1日に、漆かきの研修のために元気いっぱいで浄法寺入りした、本間健司さん。
あの衝撃の岩手・宮城内陸地震から今日で1週間。…はたして、浄法寺は、本間さんはぶじだったのでしょうか??

…無事でした。(ホッ)


バッド(下向き矢印)実は震災のあった6月14日のお昼前、本間さんからこんなものをもらっていました。
漆の畑
これがぼくの研修林です。高速道路のとなりで掻いてます。<6/14 本間さん>

…「漆畑の写真を撮る」って私と約束していたので、よりによって震災のあった日のお昼前に思い出して、林を撮っておくってくれたらしいのです。(本間さんの研修林が、八戸自動車道のフェンス横にある)
つまり、本間さんは朝早く山に出たきりで、その日の朝8時40分に同県内で大地震があったことにぜんぜん気付いていなかったのです。あせあせ(飛び散る汗)
(研修林わきの八戸自動車道に、やたら救急車やパトカーがけたたましく通過していたので『?なにかあったのかな』くらいは気付いていたけど、ぜんぜん揺れなかったとか)

岩手県は大きいので、県北の方(青森寄り)の方はまったく大丈夫だったみたいです。
…本当によかったです。
また、能登の震災も癒えないのに、輪島だけでなく浄法寺も…と思ったら本当にたまらないところでした。

しかし今回の震災は、「日本で無事なところはない」という思いを強くしました。多くの方が思わぬ被災に遭われて、お気の毒でした。御悔やみ申し上げます。

(本間さんの漆かき研修、続きます)

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