
それは岩手県の浄法寺町で漆掻き(漆樹液の採取)をした時のこと。
漆を採るのはもちろん、資料作りの一つとしてモデルになって撮影もしており、せっせと仕事に励んでおりました。
さて、ひと仕事をして「今日は漆もがあまり手に付かなかったし、いっぱい採れたし良かった〜」と思いながらお部屋に戻って鏡を見ると
顔にほくろが増えているじゃありませんか!
ひええっと思ってクレンジングや油で揉みましたが、全然ダメです。
新鮮な樹液は、肌に吸い込み浸透してまさに“ほくろ”状となって皮膚と一体化していました。
どうやら接触した瞬間にすーっとしみ込んで定着しているような気配なのです。

この時ですね…
ほくろが増えているのも気づかずに。
ほくろが増えているのも気づかずに。

(翌日はほくろが堅くなり、だんだんカサブタ状になりました)
漆を採る時の傷から出た瞬間にほとばしる、超フレッシュな樹液の生命力というか、新鮮な樹液のきめ細かさに驚きつつも、さすが浄法寺の漆だなあ…と感心したり。
漆の仕事で、漆が皮膚に付いた時はあくまでも“皮膚の上に乗っている”という状態ですが、この時は違ったなあ。
(あ、かぶれ自体は残念ながら?たいしたことなくて、ほくろの周囲が赤くかゆくなっただけでした。でも場所が場所だけにしばらくご機嫌ナナメ…)
でもこの脅威の浸透力、化粧品とかに反映できないかな?と今でも思ってみたりします。