2009年01月04日

■臼杵さんの中国うるし掻きレポ/番外編

年末からアップしている、臼杵さんの中国の漆かきだよりですが、ちょっと番外編ということで、漆掻き以外の写真もいただいたのでお見せしようと思います。^^

バッド(下向き矢印)貴州省の都市である貴陽市です。
貴陽市
クリックで写真が拡大します。

この貴陽市はすごい大都市なんだそうです。(ちょっと雰囲気が大阪の街に似ていますね)
上海からまずこの貴陽市に来てから、漆の産地の一つの畢節等がある地方に行かれたわけなんですね。

バッド(下向き矢印)同じ貴州省ですが、ちょっと離れると田舎だそうです。
ムラ
クリックで写真が拡大します。

農村の中の様子。
ムラ
クリックで写真が拡大します。

こうしてみると、なんだか懐かしいような風景です。山間の村は、四国の徳島の山間部の田舎に似ていると思いました。

観光客のために見せてくれるお祭り。きれいです。
おまつり
クリックで写真が拡大します。



バッド(下向き矢印)中国のネコさんたちです。
中国のネコ1
都会のネコさん。
中国のネコ2
田舎(山)のネコさん。

‥こうしてみると、ネコも日本にいる子とほとんど変わらないですね。すましてて可愛いです。



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posted by 宮崎佐和子 at 23:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 中国の漆かきだより

2009年01月02日

■現地の道具でウルシ掻き実験です。

さて、前回の続きです。
実家のある香川県に帰省して、さっそく工房に寄ってくださった木工家の臼杵さん。
昨年は、中国の貴州省の畢節(ひっせつ)というところへ「中国のうるし掻き」を取材に行かれて、その際に「中国の漆かき道具3点セット」を持ち帰られました。
その興味深い道具たちを見せて下さったのですが‥。
「コレってほんとに使えるの?」ということになり、工房の庭にあるウルシの木で試してみることになりました。あせあせ(飛び散る汗)


バッド(下向き矢印)実験に使ったウルシの木の前です。
1/2漆かき実験1
臼杵さんと松本です。
「こっちこっち!」と呼んでいます。

昨年11月に行き違いで枝を切られてしまったウルシの木ですね。(役に立ってもらいます)
とっぷりと日も暮れかけていますが‥ さっそく始めるといたしましょう。^^


バッド(下向き矢印)臼杵さんがモデルで再現して下さいました。
1/2漆かき実験2
左手に筒を下げて(その筒には刷毛がかけられてます)、キズ付けの刃物で切り込みを入れます。

12/30中国の漆掻き道具9←前回は頼りなげに見えた、中国のうるしかき用の刃物ですが‥。これがけっこう切れました。
びっくりです。

かんたんに幹に切り込みが入りましたよ。
1/2漆かき実験31/2漆かき実験41/2漆かき実験5

バッド(下向き矢印)切った10分後の様子。

1/2漆かき実験6
落葉したあとの木ですが、東北と違って比較的最近まで葉っぱがあったので、まだウルシが出ました。
(枝を伐ってしまった職人さんがかぶれるわけですね。;;)


バッド(下向き矢印)切った30分後の様子。

1/2漆かき実験7


バッド(下向き矢印)1日後の様子。
1/2漆かき実験8

‥とこんな感じで、冬場にもかかわらずちゃんと樹液が出るくらいの切り込みが入れられました。
もちろん、そうとう大雑把なキズですが。
でも「樹液を採取する」という目的は達成することができる道具でしたよ。
そして、このにじみ出た樹液を、牛の尾で作った刷毛で掻き採るわけなんですね。
うちのウルシの木にしっかり傷を入れるのは初めてなので、つくづく観察してしまいました。;;


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さて、実験して感じたことですが‥。
やはり中国と日本、背負っている文化背景がまったく違うんだなあと実感しました。
中国はあふれる資源をもとに、細かいことは考えずにワイルドに仕事をしているという感じです。道具も合理的で「あるものを転化させて使っている」というような空気感が感じられます。
日本はと言うと‥。
限られた資源をもとに、繊細に高度に仕事をしているようです。道具も、とことん考えて特殊でマニアックに進化させたもの。
日本人って「おたく」なんだなあ、としみじみ思いました。

さて、「和うるし日記」ですが、しばらく中国ウルシの話題が続きましたがいかがでしたでしょうか?
いろいろ発見や新たに感じることがあって、私たちはとても面白かったです。^^
また新しい視点で、ウルシを見ることができるかもしれません。
(それにしても、臼杵さん楽しすぎですね‥。また、よろしくお願いいたします)


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posted by 宮崎佐和子 at 20:30| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ 中国の漆かきだより

2009年01月01日

■中国(畢節)のうるし掻き道具。

先日、5回に分けてご紹介した臼杵さんの中国うるし掻きレポ
その気になる「うるしかき道具」ですが‥。
臼杵さんが、現地で買って日本に持ち帰っているということで(さすが〜)年末に見せていただく約束をしていました。

バッド(下向き矢印)中国(畢節)のうるし掻きさんの格好。
12/30中国の漆掻き職人
この、一見レインコートにも見える仕事着は、ふつうの服なんだそうです。(漆でガビガビになっているんですね;;)
手に下げてらっしゃるのは、採った漆を溜める容器。脇に挿しているのは、幹に傷をつける刃物です。
このいでたちからしても、すごい仕事量をこなしているんだなあと思いました。

さて、気になる中国のうるし掻き道具ですが‥。
やっと見せていただくことができました。ぴかぴか(新しい)
もともと、香川県ご出身の臼杵さんが帰省されたので、工房まで持って来てくださったんです。^^

では、お見せしようと思います。
でもその前に‥。

バッド(下向き矢印)ちなみにこれが日本(浄法寺)の漆かき道具。
12ウルシ掻きの道具
松本が浄法寺で研修中に使っていた道具です。

カンナでキズ(というより∪字型のミゾ)を幹に切り込んで入れ、そのミゾににじみ出た樹液をヘラで掻き採り、タカッポに入れます。(各道具や作業の名称は地方によって異なりますが、ここでは浄法寺に準じています)
※動画つきの本間さんの浄法寺の漆かきだより9を参照にしてください。


さて、いよいよ中国(畢節)のうるし掻き道具です。

バッド(下向き矢印)採った漆を入れる容器。
12/30中国の漆掻き道具1

この容器の素材は竹です。持ち手はビニール等。
12/30中国の漆掻き道具7←現地の職人さんが左手に筒を下げていますね。
この道具は日本ではタカッポ、カキダルと呼ばれているもので、日本では木の皮(シナノキ等)でよく作られています。
日本のはもっと端正でシンプルな感じなのですが‥こちらは独特の雰囲気ですね。
横に取っ手がついてあったり、刷毛をぶら下げるフックがあったりとなかなか合理的に作られていますよ。

12/30中国の漆掻き道具2
そして、ふちの一カ所にこのような部分を作っています。
にじみ出た樹液を「刷毛」で採ったあと、この凹みの部分でしごいて漆を中に入れるんだそうです。

バッド(下向き矢印)そして刷毛は筒の横のフックにぶら下げるようになっています。
12/30中国の漆掻き道具3
漆がいっぱいこびりついてますね。

バッド(下向き矢印)刷毛の全体の様子。12/30中国の漆掻き道具4
素朴でしっかりした刷毛です。
これで、ミゾの中に湧き出たうるしをちゃんと掻き採ることができるんですね。

バッド(下向き矢印)穂先のアップ。
12/30中国の漆掻き道具5
12/30中国の漆掻き道具8
刷毛の毛は「牛の尾の毛」らしいです。
かなり固くてコシがあります。日本の漆刷毛によく似ています。中でも乾漆刷毛、つまり馬の毛の刷毛に似ているでしょうか。

バッド(下向き矢印)幹にキズを付ける刃物。
12/30中国の漆掻き道具6
12/30中国の漆掻き道具7←現地の職人さんがさやを作って脇に挿しているのがそうです。けっこう大きな刃物なんですよ。
12/30中国の漆掻き道具9
刃先はこんなふうになっています。
中国のうるしかき←この刃物で、漆の木の幹に横一文字に付けたキズの幅を上下に広げて、漆を出すらしいです。

さて、これらの「漆掻き三点セット」ですが‥。
最初の2点、つまり漆を溜める筒と刷毛のセットは、取材した漆かき職人さんから直接、使っていた現物を譲っていただいたものだそうです。
最後の1点、つまり刃物は、別の方から(地主である農家の方)からのものです。
何やらとっても素朴で、使い込んでいい雰囲気の道具たちですね。^^
でも、使い心地はどうなのでしょう?
この刃物も、かなり刃先が心もとない?感じなのですが‥。これでちゃんとかなり太い木の幹に、樹液が出るくらいのキズを付けて仕事ができるもんなのでしょうか??
いろいろと疑問が湧いてまいります。

臼杵さんと松本、この二人がいて道具を検分しただけで「へ〜え」で終るわけはありません。
当然、「とりあえず、試してみよう!」ということになりまして‥あせあせ(飛び散る汗)
工房の庭にある、阿波うるしの木で実験をしてみることに相成りました。
その実験もこのあとご紹介したいと思います。


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posted by 宮崎佐和子 at 16:00| Comment(3) | TrackBack(0) | ■ 中国の漆かきだより

2008年12月27日

■臼杵さんの中国うるし掻きレポ/5

さて、今回の臼杵さんの中国うるし掻き視察ですが…。
ものすごく遠方だったので、旅費も日数もかかり体力も使ったそうです。本当にお疲れさまでした。
なのに、そんな臼杵さんに「次のご予定は?」と性急に聞いてしまいました。あせあせ(飛び散る汗)

「次はいつ行くかって? 気が早いねえ。いやあ、行きたいけどそう簡単にはね。なかなか大変だった。でもまた行って見たいものはたくさんあるよ。僕が見たのは、中国の現場の、ほんの一場面にすぎないからね」

もちろん、この「中国のうるし掻き」は、誰でも中国に行きさえすれば簡単に見られる、というものではなさそうです。
こうした産業が行われている場所はまず中国でもかなりの地方の地で、交通が発達しているとは言えそうな感じではないです。(また、いろいろ伝手も必要そうで、今回、臼杵さんは情報をあつめて研究し綿密に計画を立てて行かれていました。足を運んだ畢節も、さまざまな候補地から選んだのだそうです)
‥それにしても‥。
最近の中国産うるしの品質の上昇には、目を見張るものがあります。(ほんの少し前の『中国産漆は、安かろう悪かろう』という感じでした) 
それが今や、中国うるしはかなり高品質となり、四川省の城口漆のような「ブランド中国漆」といってもよいくらいのものまでピックアップされて、「少々高価でも、よい漆を使いたい」という方々にとって福音をもたらしました。
これも、ひとえに日本の漆材料を扱う業者さんの「質のいい漆を提供したい」という努力のたまものによるものです。
つまり、中国産うるし全体の品質が底上げになったというよりも、こうした日本の業者さんがたんねんに現地の漆を見てまわり、日本の使い手さんが喜ぶような漆を入れる流通を新たに作ったという企業努力によるものでしょう。
これによって、安価でかなり品質のよい漆を日本は使うことができるようになりました。

さてさて、臼杵さんが(そして私達も?)将来もちゃんと日本に入ってくるか心配していた中国産うるしですが、取材した感じではどうだったのでしょう。お聞きしてみました。

「しばらくは心配なさそうだね。漆の木は、日本人が想像できないくらいたくさんある。資源は豊富だね。」
と、前置きをした上で、
「ただ、これからは値上がりは避けられないんじゃないかな‥。うん、そうだね。かなり上がってもおかしくないと感じたよ」
と感想を臼杵さんは、お話してくださいました。
この地でも、情報の活性化はめざましいものがあり、漆かき職人さんでも携帯を持っていることが珍しくないそうです。

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さて、今回はたいへん興味深いお話をして下さって、臼杵さんには心から感謝しています。本当にありがとうございました。ムード
以前から関心のあった中国の漆かきの様子をかいま見ることができて、とても楽しかったです。
また、イメージがぼんやりしていた中国のことを改めて知る機会にもなってとても勉強になりました。
「中国産うるし」に対して、どんな意見を持ってらっしゃるかは、本当に十人十色だと思います。
しかし、間違いなく言えること--。
それは、日本国内では日本人が欲する量の天然漆の産出は、もはや絶望的で(そうなったのは私達に責任があるのですが)、中国の広大な大地が生み出す潤沢な中国産漆なしには、日本が世界に誇る漆文化を維持できない、ということです。
この事実に目をそむけることはできません。
そして、中華人民共和国という外国、共産主義国家という日本とは違う体制、共存する多民族、貴重な現金収入として漆掻きの労働にせっせと励むミャオ族の人々。
そこからはるばるやって来た、豊かな中国うるしの恩恵に感謝したいと心から思いました。

おまけ。
さてさて、その臼杵さんですが‥。
今回の旅行中に、ミャオのうるし掻きさんの仕事道具(傷つけの刃物、漆を採取する刷毛、採った漆を溜める竹筒)の「三種の神器」?を手に入れたので、この年末の帰省の時にでも見せてくれると言ってくださいました。(香川がご実家なんですね)
わっ!!
ものすごく楽しみです!
本当に見せていただいたら、このレポの続編として、またご紹介したいなあと思っています☆



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posted by 宮崎佐和子 at 23:18| Comment(2) | TrackBack(1) | ■ 中国の漆かきだより

2008年12月26日

■臼杵さんの中国うるし掻きレポ/4

ミャオ族の人々について

さて今回、臼杵さんがこの畢節に滞在したのはわずか1日程度。忙しいスケジュールをめぐっての駆け足取材でした。
それでも、この漆掻きをされていたミャオ族の男性達はとても印象的だったそうです。
引き続き、お聞きしてみます。

「写真を見ても分かるけど、ミャオの人って日本人そっくりなの。日本人の先祖だとも言われている人々だそうですよ。顔つきもそうだし、体もやや小柄で確かに似ている。親しみを感じます。げんに、このミャオの職人さんの写真を、後日友人に見せたところ、ミャオの職人さんを私だと勘違いしたくらいなんですよ」

12/26 ミャオ族の漆掻きさん

ミャオ族(苗族)の人々…。
そう聞くと、ちょっとなじみがありません。
私達がふだんメディア等でよく見かける中国人の方々、もしくは観光や留学に日本に来られるのは、ほとんどが漢民族の人たちではないでしょうか。
しかしこの畢節では、異郷の人でありながら不思議と私たち日本人と同じ顔をしたこのミャオ族の人々が、大勢うるし掻きの仕事に携わっているのです。(この貴州省エリアではそうでした。他の省になると事情が変わってくるかもしれませんが。)

そして、興味深いお話も聞きましたよ。
これまた不思議な話で、ミャオ族の人々は、体の特長だけでなく文化面も日本と近しいものがあるんだそうです。(漆のお椀を使っているんだとか。←1度見てみたいです!
ほか、村では餅つきの習慣があったり、そしてこれまた信じられないので一度見てみたいなと思うんですが、臼杵さんの聞いたお話では今だ「ちょんまげをしている」男性もいるんだとか…。(うーん、想像がつきませんあせあせ(飛び散る汗)
しかし、こうした多くの少数民族の人々の暮らしは貧しく、生活じたいは決して豊かでないそうです。が、こうした農村は子供達が多く遊んでいて、どこか30年前の日本の農村を思わせるような風情だというのでした。

「みんな純朴で目がきれいなの。ここの漆かきさんから直接分けてもらったサンプルも、分析結果の数値はとても良かった。ウルシオールが多くてね。ここの漆にもし混ぜ物があったとしても他の流通経路中で、ここのうるし掻きさんはよけいなことはしないと思うね」

※余談ですが‥。
ないよしこさんという千葉のビーズ作家さんのサイトで、ないよしこさんが長年にわたって、貴州省のミャオ族の女性の美しい刺繍の伝統衣装の取材をしたページがあってたいへん興味深いです。
ミャオの伝統の髪型もドラマティックで見応えがあるんです! これは、本当にちょんまげをした男性がいるのかもしれません。ないよしこ編珠工房〜ミャオ族の刺繍


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そして意外なことのような気もしたのですが、こんなにいっぱい漆樹液を産出している国なのですから、漆って中国ではメジャーなのかな?という気がしていたんですが、逆でした。
このミャオ族の方達はそうでないでしょうか、漆のことを知らない人が意外と多く、中国では「漆」というものの認知度は非常にひくいそうです。
(続きます)



posted by 宮崎佐和子 at 23:59| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ 中国の漆かきだより

2008年12月25日

■臼杵さんの中国うるし掻きレポ/3

中国漆掻きの様子2

「中国の漆掻きの現場を見たい」と、はるばる中華人民共和国の貴州省の畢節という地へ来てしまった?臼杵さん。
そこで漆掻きは見ることができたのでしょうか。
続きをお聞きしてみましょう。

「中国は国土が広く、実は漆掻きの方法も地域差がかなりあるんです。他の地域では、傷をつけたあと幹に貝殻や木の葉などを受け皿にセッティングして放置して漆樹液が流れ落ちて溜まるころに回収したりするんだけど、ここ畢節は違っててね。やや日本とやり方が近かった」

この臼杵さんのおっしゃる『木に付けた傷から流れ落ちる樹液を、貝殻等で受けて漆を採取する』という漆かきのイメージは、日本の方々によく浸透している気がします。この方法が、中国ではなく「日本のうるし掻きの方法だ」と思っている方も多いんですよ。

中国のうるしかき
漆掻き中の漆の木。幹の途中で
縄を結び、足場にしています。


「畢節では、まず横一文字に傷をつける。そして、その傷を上下に広げていく方法で漆樹液を出します。(※日本では、傷のい上に間をあけて新しい傷を重ねていく)
そして、出た漆樹液はその場で「刷毛」を使って傷をなでて回収していた。なるほどなあと感心したな。まずなんと言っても回収率がいい。ごみも多く入るだろうけどね」

ちなみに、このうるし採取に使う「刷毛」は、牛の毛で作られた硬めで粘りのあるものだそうです。(漆の仕事で使う、人毛の漆刷毛に似ているとか)
出た漆をすぐ回収する‥ 確かに日本式に似ています。漆は空気に長時間触れると酸化します。貝殻セッティング式よりかは、品質は期待できそうです。

中国のうるしかき
中国(畢節)のうるし掻き職人さん。

切り込みを入れる道具は、小ぶりの包丁みたいな刃物だそうです。そして竹筒でできた壷も一緒に持ち歩いて、刷毛で採った漆を竹筒に入れて溜めていきます。

「仕事を見ていると、漆の木の皮は薄くて堅い感じ。ここではカマズリはしてなかったな。(※幹の傷をつける部分の皮をけずってなめらかにする作業のこと)
かなり高いところまで登って仕事をしていた‥日本では裏目漆を採る時くらいの高さだったよ」

中国のうるしかき
こうしてみると、本当に日本の漆掻きさんに
似ていて、親近感があります。

ちなみにここは漆ばかりを植えている、漆畑だそうです。
山の斜面にあって、かなりの株間をとって木が植えられています。
そしてその日採った漆樹液はというと‥。
日本のように初、盛り、遅と季節ごとに分けることはなく、大きな容器に次々と入れて溜めているそうです。

中国のうるしかき
採った漆を入れた容器から
サンプル用の漆を取り分ける職人さん。


「それにしても、中国の漆かきさんはおおらか。漆を溜める容器は日本ならしっかり油紙などで蓋紙をするけど、こちらでは漆液の表面をそのまま空気に触れさせ膜を貼らせているんですね。天然の『蓋』だな。なかなか面白いなあ、と思ったよ」

漆掻きさんにお願いして、少量だけサンプルとして漆を分けてもらうことにした臼杵さん。(のち、日本で成分分析をしてもらったそうです)

さてさて、こうして現地のウルシ掻きさんが採取したウルシ樹液。もちろん、これがそのまま日本に届くわけではありません。個々の村で採られたウルシは、まず、その各地の集積所に集められます。
そして各地方の集積地に集められた漆が、上海などに集められ、商社を通じて日本に輸出されていくのですね。
(続きます)


posted by 宮崎佐和子 at 23:14| Comment(6) | TrackBack(1) | ■ 中国の漆かきだより

2008年12月23日

■臼杵さんの中国うるし掻きレポ/2

中国漆掻きの様子1

長い旅路の果てに?やっと、貴州省の畢節にある中国の漆かきさんの仕事の現場に立つことのできた臼杵さん。
そこでの様子は、どうだったのでしょうか。

「畢節は、貴州省の北西部の県。かなりの高原で標高は1500mくらいあるんじゃないかな? 季節や気温とかは日本と変わらなかった」


そんな高地とは思わなかったので、ちょっと驚きました。写真を見るかぎり、日本の山野とそう変わらないような景色がうかがえます。

「少数民族の多い地区でね。貧しい村が多いの。豊そうな人は漢民族ばかりだったな。
私が、今回縁あって会ったのは、ミャオ(苗)族の出稼ぎの職人さんたちだった。みな気のいい人たちでね。うるしの掻き方は、日本と少し違いますよ。でも、似ているところもいっぱいあった。」


12/21臼杵さんと中国の漆掻きさん
ミャオ族の漆掻きさんと臼杵さん。(右)
後ろの男性は漢民族の通訳さん。
※追加。
てっきり後ろの年配の男性は通訳の方と思っていた私ですが、後日この方は地主の農家の方(漢民族)ということがわかりました。(通訳の方は『かぶれる〜』といやがって、この時は離れた場所にいらしたんだとか ;;)


ちょっとここでも、衝撃?を感じる人が多いのではないでしょうか。日本の私達は「中国の人々は、中国人」と単純に考えていますが、よくよく考えると中国は、文化の異なる多数の民族からなる多民族国家なのですね。
(資料によると、9割を占める漢族のほか、チワン族、ウィグル族、モンゴル族、チベット族‥と、中国政府が認定するだけでも55もの少数民族がいるそうです)
さて、臼杵さんの話に戻ります。

「まず、ここのミャオ族の漆掻きさんは、漆の木を農家から買っているの。これは日本と同じだね。1本8元くらいだそうだ。
そして、日本だと木の掻き方はワンシーズンで切り倒す『殺し掻き』だけど、ここは『養生掻き』をしていた。何年か置いてから同じ木からまた漆を採る。」
「うるしの掻き方は、日本と少し違いますよ。中国は横一文字にキズをつけ、そのキズを上下に広げていく方法を取っていました。(日本の場合は、上にキズを足していく)」




中国の漆掻き中の木です。
中国の漆の木は、日本の漆の木と非常に似ているんですね。(DNAは違うのですが)
これはかなり太い木です。
しかも、これは道路わきに生えている木ですね。日本では嫌われものの漆の木ですが、産地である岩手県浄法寺町では、昔は漆の木を田んぼの畦などに植えていました。ここ畢節も当時の浄法寺と同じような感じなのだそうです。
葉っぱが小ぶりなものの、日本の漆の木と外観的には大きな違いはあまり感じなかったそうです。

中国の漆の木12/23
中国(貴州省畢節)の漆掻き中の木。
かなり上の方まで幹に傷を付けています。

「現地の人々はほぼ自給自足の生活みたい。この漆掻きの仕事は、貴重な現金収入でね。私の会った漆掻きさんは、40代の働き盛りの男性だったが、彼の住む村では漆掻きに従事している人が80人くらいいるんだそうだ。年代もさまざまで、若い人もお年寄りもやっている」

漆掻きの仕事が貴重な現金収入‥。
昭和のはじめころまでは、日本もそうでした。
それにしても、そんな多くの方々が漆掻きの仕事に従事している村が本当にあるんですね。(残念ながら臼杵さんはその村には行かれていないそうです)
漆掻きの仕事に携わるのは、少数民族の方が主流なんだそうですよ。

さて、いくらかですがなんとなく状況が分かってきたような感じですね。次はいよいよ漆掻きの仕事を紹介します。^^

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posted by 宮崎佐和子 at 23:17| Comment(4) | TrackBack(0) | ■ 中国の漆かきだより

2008年12月22日

■臼杵さんの中国うるし掻きレポ/1

中国漆掻き取材へのいきさつ

今年の9月中旬に、中国へ漆掻きの取材に行った京都の木工家臼杵さん。今回は、そのお話をもとにあまり知られていない中国の漆のことをご紹介しようと思います。
臼杵さんは、一昨年から、「日本うるし掻き技術保存会」の短期研修生として、浄法寺で漆掻きを学んでらっしゃいます。
が、そもそもどうして「中国へ漆掻きを見に行くぞ!」と思ったのでしょうか。

「動機?やっぱり、中国産漆の現状が知りたかったからだね。今は、じゃぶじゃぶ日本に来ているけど、最近かなり値上がりもしているでしょう。これから中国産漆がちゃんと入ってくるのか不安だしね」

そうなのです。
無尽蔵にあるかのように思ってしまう中国の漆ですが、いろいろな背景から近い将来、日本が必要なだけの量が入ってこなくなる懸念もなくはないのです。
なにせ、発展が著しい大国です。若い世代の人々が山の仕事を手放してどんどん都会の仕事に行っても不思議ではありません。(少し前の以前の日本のように)
臼杵さんの話に続きます。

「それと、『ほんとに中国産漆って質が悪いのか?』という疑問は以前からあった。そして『流通の過程で、混ぜ物されてる』という話も聞かなくもないけど、どうなのか。やっぱり自分の目で少しでも現場を見たくてね」


さて、広大な土地の中国。
ひとことで「中国産漆の生産地」といっても実はものすごくたくさん産地があることはご存知でしょうか。
四川省の城口、貴州省の畢節、陝西省の安康‥ などほんとに各地にあります。(城口とかは有名ですね)
で、今回、臼杵さんが行かれたのは、貴州省の畢節市まで。
震災のあった四川省に地図上ではやや近い位置にあります。



関西国際空港から上海そして貴陽市までまる一日、それから畢節まで車で一日。そして南山郷という場所まで半日かかりました。
つまり、目的地にたどり着くまで道中2日半もかかったわけです。(ほんと広いなあ)

「私が研修に行った岩手県も広いと思っていたけど、中国はとてつもなく広かったな。とても遠かったよ。
貴州省だけでも面積が日本の半分くらいあって、そして例えるなら、ここには岩手県全部ほどの広大な漆の山がある‥くらいの規模だからなあ。
そして、貴陽はものすごい都会だったよ。でも少し離れると貧しい田舎でね‥。その落差はすごかったな」


さて、臼杵さんからによると、貴州省の畢節地域の2000年の漆の生産量は347トン。少し古い資料ですが、今もそう変わらないそう。つまり、この地域だけでも日本の日本産漆算出量の300倍はあるのです。

12/22 中国の漆の木
中国のウルシの木。畢節では
あちこちで見られたそうだ。

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さて、その畢節から南山郷へ。
漢民族の男性の通訳と一緒に、ミャオ族の村の人が出稼ぎで漆かきをしている山まで、やっとたどりついた臼杵さん。
そこでどんな漆掻きの光景をごらんになったのでしょうか。

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posted by 宮崎佐和子 at 23:15| Comment(8) | TrackBack(5) | ■ 中国の漆かきだより

2008年12月21日

■中国漆掻きのレポの予告。

さて、広大な土地を持つ中華人民共和国。古来よりも日本とかかわりがたいへん深い国です。
今なお豊かな自然や資源が多くあり、日本もさまざまな材料や食材をこの国に頼っているのは、誰もが認めることでしょう。

さて、この中国ですが、日本の伝統工芸である「漆芸」ともたいへん深いかかわりがあることをご存じでしょうか。
日本国内で消費される、天然漆の大半はこの中国を主として輸入されてくる外国産の漆です。(98.5%)
天然漆を使った漆工芸品はまず中国産漆で作られているといっても過言ではなく、もはや日本の漆工芸はこうした豊潤な中国産漆なくしてはなりたたない、と言っても過言ではないでしょう。
実際、もし中国の漆がなんらかの事情で手に入らなくなれば、日本の漆芸界は大きな痛手を受けるでしょう。(本当にそうなった過去もあります。※長崎国旗事件 中国漆の輸入が2年以上途絶えた。

さて、そのとても大事な中国の漆‥。
どのような地で、どんな人がどのようにして採っているのでしょうか? そもそも中国の漆の木ってどんな木なのでしょうか?

この秋に、行動派の男?京都の木工家の臼杵春芳さんが現地に取材に行かれました。
いろいろお話を聞きましたので、ぜひ、ごゆっくりごらんください☆

12/21臼杵さんと中国の漆掻きさん
臼杵さん(右)と現地の漆かきさん。
(詳しくは後日のレポをお待ち下さい)


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posted by 宮崎佐和子 at 22:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 中国の漆かきだより
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