2010年02月22日

■香川県漆芸研究所へ行ってきました

こんにちは、弟子の芝吹です。

先日、香川県漆芸研究所へ行ってきました。晴れ

P1050301.jpg

ここは、香川県の漆芸の伝統技法である蒟醤、彫漆、存清を学ぶところです。
今年から新しい場所(香川県文化会館の上の階が、漆芸研究所になりました)へ移転して、きれいな内装になっていました。
私は昨年度の卒業生で、師匠の松本さん宮崎さんもここの卒業生です。
※香川県漆芸研究所 公式HP

さて、ここで香川県漆芸研究所の説明を少し…。ぴかぴか(新しい)

香川県漆芸研究所は、研修科と研究科があります。研究科は、週1で授業があり、研修科卒業生も再び受験をして入ります。私は研修科だけを卒業しているので、そちらのことをご紹介しますね。
研修科は、基礎科のようなもので、週5日朝から夕方までみっちり授業があり、3年間通います。3年間で、道具作りから始まり、下地の作業〜塗り〜3技法(蒟醤、彫漆、存清)を学びます。木地は、乾漆とらん胎(竹ひごを編んで作る器胎)が学べます。1〜2年生できゅう漆(下地〜塗り〜艶上げ法)と3技法を一通りしてから、3年生では、3技法の中から専攻する技法を一つ選びそれに専念します。
香川の3技法を学ぶところなので、一番メジャーな(?)漆芸技法である蒔絵は学べませんが、香川の3技法を学びたいと思っている方にはうってつけだと思います。


さて、今回は一階の事務所にご挨拶をして、昨年の11月に行った工房の五色台の公開漆植栽に参加してくれた、後輩たちに工房の記事が載ったWEDE ウェッジ2月号を持って、各教室へ行きました。
現在の施設は、蒟醤、彫漆、存清と各技法が階ごとに分かれて教室があります。
私の時は、学ぶ技法の部屋へ各自が移動していく方法でした。多分いまもそうだと思います。各部屋の先生の趣味(?)によってその各技法の部屋の雰囲気がかなり違ってて、おもしろいんです。


ここは彫漆の部屋です。
バッド(下向き矢印)在学中お世話になった先生にも読んで頂けました。
「お久しぶりです。」

DSCN2646.jpg

私は彫漆を専攻したので、彫漆の部屋に長くいました。
つい最近まで私もここの生徒でした。
先生が「ちょっとその器物、貸してみい〜」と制作中の器物を持ち、目の前でお手本を示していただけたのが、懐かしいです。ありがたいですねえ。
わからない時にすぐ質問出来る環境で、それってほんとに凄い贅沢なことだなと思います。


バッド(下向き矢印)一階にはホールがあります。

DSCN2648.jpg

定期的に展示内容が変わり、玉楮象谷からはじまる讃岐漆芸の作品が展示されているようです。今回は、彫漆展でした。
ここは一般の方が自由に入って観られるところで、全国的には珍しい香川の蒟醤、彫漆、存清が観られますexclamation 卒業生の制作した作品の展示販売をしているコーナーもあります。ぜひ、お立ち寄りくださいませ。

私の時と場所が違うのであまり懐かしい感じはないけれど、きれいになると嬉しいですね。3月には修了展があるので、(会場は多分上の写真の場所なのかな?)また観に行こうと思います。


ありがとうございました。

* * * * * * * *

宮崎です。
昭和29年に創設された香川県漆芸研究所…。(石川県立輪島漆芸技術研修所より歴史が古いのですよ)
思えば十数年前、私が「漆で生きてこう」と決心し、足を運んだ場所でした。その後の道のりは、かなりハードでしたが…。
今回は、弟子に「お世話になった研究所をもっと世にPRするため、詳しいレポを作成せよ」と特殊指令を出していたのですが… フッ、まだまだ…。ここの研究所の本当の素晴らしさを十分伝えていないですね。
移転して、初めての修了展も来月あるので、またレポしてもらおうかな〜と思います。
どうぞ、お楽しみに。^^


posted by 宮崎佐和子 at 22:43| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ 香川県漆芸研究所について

2009年05月03日

■香川県漆芸研究所について。3

…さて、最後になりました。あせあせ(飛び散る汗)
前回前々回の続きとして「香川県漆芸研究所で勉強してみたい」と思っている将来の後輩たちに、引き続き私見で恐縮ですが、私なりのアドバイスをさせていただきます。
今回のはたいへん重要だと思うことですので… 
ちょっと重い内容ですが(松本に『しょっぱい話やなあ〜』と言われてしまいました ;;)心して?参考にしてくだされば幸いです。ムード
↓以下、愛想ない文章になりますが、どんどんいきます。

* * * * * * * *

漆芸研究所に在所して勉強する3年間は、かなり特殊な環境での日々です。個性的だった人、将来のイメージがあった人もすっかり同じ「色」に一度染まってしまいます。
修了後もその気分をかなり引きずって、すっかり自分らしさを取り戻すのは数年かかりますし、一生そのまま…みたいな場合もあります。ちょっと語弊があるかもしれないけど一種の後遺症のようなもの、といったらわかりよいでしょうか。前回も書きましたが、これも一つの「縛り」でなかなか自由になれない人もいます。これがやっかいで、自分では気づかなかったりするのですね…。何年もたって、「あれがそうだったのかexclamation」と納得するほどだったりします。
また、漆芸研究所は非現実的な空間です。
心していないとこの空気に慣れてしまい、これも今後の「縛り」になり得ます。「ちゃんと稼がないと食べていけない」という当たり前のことは全く考えないことを前提としたうえで、理想の技術、非現実な世界の追求をする3年間です。この空気感に3年も浸っていると現実的な平衡感覚が失われてしまい、修了して社会に放り出されうまく生きていけないことにたいへん苦しんだり、自分が見えなくなって、長年さまよって青春時代の大事な数年間を損なったりする人をいろいろ見たりしました。これはかなり深刻だと思っています。女性なら迷いの時期が長くても人生の軌道修正はいくらでもできるのですが、男性の場合はやっかいです。その間、同世代の人が社会的地位を得てちゃんと家庭を持って人生の基礎を築いているのに自分はどんどん世間とずれてくるのです。
またその延長で「学生ジプシー」とでも表現したいような人たちも多く出てきます。社会に放り出される前に「学生」の立場をキープしたいのかな?「まだまだ技術を習得しないと不安だ」と大学→各地の研修所、研究所などを学生としてずっと渡り歩いてしまうのです。そうなると義務教育時代からずっと学生のままで40才近くになることも簡単で、これも社会と解離した人を生み出します。おそらく各地の公共の研修所の「授業料が無料」という設定が、そういったことをさらに容易にしている一因かもしれません。国が豊かで、親も健康でずっと学生の子供を養う財力があればこそですが、世も不安定になってくるし親御さんも年をとってくるでしょう。いざ「ふつうの仕事に就職したい」と思うようになっても、うまくいくといいのですが…。
当然ですが修了生のその後の人生まで漆芸研究所は面倒みてくれないのです。技術を学ぶところなんですから…。
めでたく研究生になると日々、課題に忙殺されますが、入所している少しでも早い時期に進路を決めて情報収集することを勧めます。安心して学生気分を満喫していると、すぐ修了→なんの準備もなく社会へ、というパターンになります。

また、ほかの留意点もあります。
講師の先生方と濃厚な時間を過ごすことになるので、その影響を強く受けます。卵から孵ったヒナが最初に見たものを親を思うようなものでしょうか。その講師の先生方が全員、現役の日本伝統工芸会の作家さんで授業の内容も日本伝統工芸会の内容のもの、となれば、ごく自然な感情として、修了後も「日本伝統工芸の作品を作らないと、教えて下さった先生方に悪い」と思ってしまいがちなのです。が、気にしなくていいのです。自分らしさを生かして生きて下さい。あとは個々の人生ですから…。
ちなみに、研修所の講師の先生方がとても人間的な魅力にあふれているのでつい憧れてしまうものなのですが、みんなが講師の先生方のような崇高な生活ができると思ってはいけないのです。せっせとものを作って売ったり足を棒のようにして営業に通ったりお客さまに一生懸命頭を下げているのではなく、先生として慕われ講師の収入を得たり公共事業の文化的な仕事を受けたりして生活ができるような、たいへん限られた環境の方たちです。先生方には、何十年も地道に積み重ねた下地があり、ふるいにかけられその結果今の地位につくことのできた選ばれた方なのです。そんなご苦労は生徒にみじんも見せませんが、その長年かけて形成した立派な表面だけを見て勘違いすると現実とのギャップに必ず行き詰まります。

また、意外と知られていませんが、漆芸研修所は漆器業界との関わりもほとんどないです。香川の漆器業界と作っているものとは全く違うし、(香川漆器として有名な後藤塗、象谷塗は学びません)いわゆる○○塗りといった産地のことはまったく学んだりはしません。通産省系統の内容はまず出てこないです。

* * * * * * * *

…ながながとなりましたが…どうぞ、ご参考に。
「行きたい!」と思っている方は、もう心が半分決まっていますから、上の内容を読んでもピンとこないかもしれませんね…。(でも修了したあとに読むとヒシヒシと分かります)
これから研修所に入る後輩たちは、自分をしっかり持ってほしいと切に願います。
いろいろ書いてしまって、中には辛口の部分もありますが、研究所を愛するがゆえにと思ってくださいね。あせあせ(飛び散る汗)
今でも、尊敬し感謝の念が絶えませんし、すばらしい学びの場所と思っています。あとは、入る生徒さんの心がけしだいだと思うのです。「自分探し」の場にすると、いっそう自分を見失います。
どのみち「漆」の道を選ぶだけで、イバラの道です。^^; (イメージとしては「絵描きになる!」と言うのと同じくらい?果てしないものです)もし自活を希望するなら、技術だけでなく経営感覚も資金も必要です。
後輩たちに幸多いことを願っています。

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※ちょっと思い出したことがあって追記です。
posted by 宮崎佐和子 at 19:19| Comment(4) | TrackBack(0) | ■ 香川県漆芸研究所について

2009年05月01日

■香川県漆芸研究所について。2

さて、前回の続きです。
今年の4月から新規オープンした香川県漆芸研究所について、修了生としての立場から、後輩たちへのアドバイスを書きます。
あくまでも一私見としてですが、何か参考になれば幸いです。^^

●修了後の就職先、進路はどうしているのか。
こんなに恵まれた授業環境で、「漆」という特殊技術を身につけたら、きっと前途揚々じゃないのかしら?と夢見る人も多いと思いますが、実際はどうなのでしょう。
手っ取り早い例で恐縮ですが;;、松本と私のようなスタイルで仕事をしているのは、あらゆる意味でまれなケースじゃないかと思います。この「あらゆる意味」というのは、漆で自活しているということ、高級品とはいえ生活の器つくりをメインにしていること、日本産漆しか使わないということ、どれも含みます。
が、今回はこの情報を必要としているような人に特に関係ある話題に絞っていきますね。

香川県漆芸研究所の公式ホームページのQ&Aには「○修了者の職業は? 漆芸研究所ができて今年までの半世紀の間に約370人の修了生が出ていますが、漆芸作家の道に進んだ人が110人近く、漆器業界に入った人が150人近くになります。」と、参考になる文章をちゃんと入れて下さっています。
ただ、近年の状況、とはいっても私の在所中からここ最近までの知っている修了生の進路だけに限ってですが、若干印象が違うように思います。
まだ漆器産業が華やかだった当時は、漆器業界への就職もたいへん多かったはずですが、今はほどんどないと言ってもよいほど非常に少なくなってきているのではないでしょうか。
入所する研究生の中には、木工作家さんだったり伝統工芸師さんだったりはたまた由緒ある蒔絵師さんのおうちの息子さん娘さんもという方もけっこういらっしゃいます。そんな人たちは、研究所で習う香川三技法・蒟醤、存清、彫漆を修了後も続けるとは限らないのですが、しっかり研究所で勉強してそれを肥やしにして家の仕事を頼もしくやっていますよ。

そしてそんな看板は持っていなくても、個人で作家業をされている方は、わりといらっしゃいます。その大半は、年1回の日本伝統工芸展の出品作品を制作する作家さんです。出品作については厳しい審査があって、落選するともちろん工芸展には作品は展示されません。入選すると、その年度の日本伝統工芸展に作品が加わり、たいへん名誉なこととなります。そして、入選作品は各地の催事場や美術館をまわります。会場が美術館の場合はちょっと分からないのですが、会場が百貨店さんの場合は現場には表示されませんが、作品には価格が付けられます。作品をごらんになったお客様が買ってくださることもあります。
この日本伝統工芸展には、陶芸(第1部会)、染色(第2部会)、漆芸(第3部会)、金工(第4部会)、木竹工(第5部会)、人形(第6部会)、その他の工芸(第7部会)と七つのジャンルに分かれています。その各ジャンルの「ミニ伝統工芸展」ともいうべき 日本伝統漆芸展や、各地方の伝統工芸会で開催する日本伝統工芸近畿展(例)などがあって、そちらも合わせて出品作を作って出す方も多いです。もちろん、入選作は会場で売れることもあって、たいへんな励みになります。
日本伝統工芸以外の会派、例えば日展(日本美術展覧会)系の作家さんへの道を歩む方は、以前はいましたが今はほとんどいないと思います。
これは、漆芸研究所の講師に携わる先生方が全員、現在は日本伝統工芸の会員であるため、修了生もその影響を色濃く受けているのでしょう。(松本が研究生のことは、まだ日展系の非常勤講師の先生もいらしたそうです。その方が最後でした)
そのほか、弟子入りする人もけっこういたりします。
やはり今でも、お弟子さんにいくのは日本伝統工芸会の先生のところが多いのかな? どの系統にいくのであれ、どんな先生を師匠としてつくかで、その予後がずいぶん違ってきます。
もちろん、どの会派とかにも属さず、個性を生かして自分なりの作家活動をしている方もいらっしゃいますが、そういった人は今でもかなりの少数派ではないでしょうか。
作家業以外に、工芸関連の施設にまんまと?就職できる人もいますし、修復などにたずさわる人もごく少数ですがいたりしますよ。
残念ながら、研修所から就職先の斡旋とかはまず考えない方がいいでしょう。うまく就職できた方の大半は、自分で就職活動して探してきたところがほとんどだと思います。

* * * * * * * *

…さてさて。
正直言って、修了生で漆でちゃんと生計を立てている、つまり「漆で飯を食っている」という方はたいへん少ないです。
というよりそれ以前に「漆」を続けている方自体が少ないかも…。きっぱりと足を洗って?もっと安定した職業についたり、家庭に入ったりしている方のほうが多いように思います。
でもこれは、例えばデザイン学校に行った方たちが全員その道についたりすることはないように、当然といえば当然のことですね。あせあせ(飛び散る汗)
時間が経ってから自分の適性がわかったりすることもあるし、事情があって続けられないことがあるのもよくある話です。
また、日本伝統工芸展へ出品する作家さんになったとしても、生活はたいへんです。
何ヶ月も手塩にかけて作った出品作が入選するかは、当然ながら分かりません。また、入選して会場に並んだとしても必ず売れるとも限りません。いずれにしても収入面では大変厳しく長年続けるには、漆教室をしたり全く別の仕事やアルバイトをして収入を得たり家族に扶養してもらったりと、よほど裕福でないかぎり金銭面での苦労はかなりあると思います。
もちろん、どの会派にも属さない自由な作家さんになっても経済面は辛いです。仕事の運営センスがよりシビアに必要になるので、方向性をしっかり決めていないともっときついかもしれません。
いずれにせよ、それでもバイタリティーのある人は頑張って自分のカラーを出してたくましくやっていますよ。^^

さて、次の3回目で最後にしますが、一番カナメとなるお話をします。

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posted by 宮崎佐和子 at 20:54| Comment(9) | TrackBack(0) | ■ 香川県漆芸研究所について

2009年04月29日

■香川県漆芸研究所について。

漆芸研究所の看板

今月の11日、漆芸研究所は香川県文化会館(高松市番町1)内に移転し、新規一転オープンしました。
今年の春は、新しいスタートを切った喜ばしい春でもありました。^^
そして、香川県漆芸研究所について、興味のある若い方が最近増えているように思います。
「漆の学校ってどうなんだろう?」
情報収集のために検索で探してみている方も多いのではないでしょうか。でも、意外と参考になる文献や資料が少ないようなので、一私見ではありますが… そんな方のために、香川県漆芸研究所について修了生の立場から見て語ってみようと思います。

* * * * * * * *

まず、香川県漆芸研究所はとは、全国に先駆けて昭和29年に設置された県の施設です。
目的は、香川県の伝統的な漆工芸である蒟醤(きんま)、存清(ぞんせい)、彫漆(ちょうしつ)の三技法の伝承、後継者養成です。50年以上もの歴史の中で、多くの著名な漆芸作家や漆器業界で活躍する優れた技術者を輩出し、漆工芸の拠点施設として重要な役割を担ってきました。
( ↓詳しくは、公式ホームページを)

※香川県漆芸研究所 (香川県ホームページ内)


移転した際、少し状況が変わっているかもしれませんが、以下、漆を目指す若い人が知りたいだろうな〜と思う項目を挙げて箇条書きにしてみますね。

●応募資格
・漆工芸の高度な技法の修得を希望している。
・高等学校卒業以上の学歴がある人、もしくはその年度に高等学校卒業見込みの予定の人、または中学校を卒業した人、または漆工芸の基礎的技術を修得したと認められる人。
・満30歳未満の人。

基本的には香川県内の募集が主流ですが、県外からの応募もできます。「若い後継者を育てる」という名目なので、年令制限があります。(『行って漆を勉強したい』という、ちょっと年配の方もよくいらっしゃるんですが…残念です)
応募枠は10人です。
志望者が多いと激戦?になりますし、枠より志望者が少ないとよほど問題がない限りはまず合格するのでは…と過去の実績を見てそう思います。^^


●受験内容
私の時は、面接、小論文、実技(デッサン)でした。
弟子に聞いてみたところ、彼女の時も同じだったそうです。小論文は受験当日にテーマが出され、それについて書きます。デッサンは小さな静物を出されそれを鉛筆デッサンしました。面接は、志望動機などを聞かれたと思います。
受験そのものは難しいもの、緊張するものではありません。


●研修内容
研修期間は3年間です。その間に、香川県の伝統技法、蒟醤(きんま)、存清(ぞんせい)、彫漆(ちょうしつ)の三技法を習得します。ほか、きゅう漆、乾漆、木彫、籃胎などの授業があります。私が在所中には、蒔絵の授業もありましたが、今はなくなっているようです。
講師は、日本工芸会正会員の方々がメインとなって指導にあたります。
一日のスケジュールは、8時30分〜朝礼、8時35分から授業、午後4時半ごろには授業が終わって放課後となりました。教育委員会管轄のためか(当時)、公立高校とほぼ同じ時間割でだったと思います。土、日が休み。移転した今は少し変わっているかもしれません。


●授業料、材料費
こんなに濃厚で特殊な授業内容なら、授業料もさぞ…と思われるのですが、授業料、材料費は無料です。(一部材料、自分の道具は除く)香川県が、地元の伝統技法の保存に力を入れて予算を出しているのですね。
これを知って、グッと心が動く人は多いと思いますexclamation
地元の人なら交通費くらいしか日々かからないし、県外の人でも衣食住をちゃんとしていればそれだけで勉強ができるのです。
…そうくると、夢みたいな条件なんですが。
この恵まれすぎた環境が、のちのち逆に「縛り」となるのもまた事実。居心地よい研修所を修了して世に出たあと、その後の人生の目的を定められずに長きにわたってさまよい続ける人を多く見かけたりもします。
しかしこれは、本人自身がちゃんと目的意識を持っているかにかかっていると思います。

* * * * * * * *

…ちなみに、松本は19才の時に研究生として3年間、27才の時に研究員として2年間、私は27才の時に研修生として3年間、ここで勉強をしています。
ここを出て、かれこれ10年近くたちますね。^^
新たなスタートを切った研究所のために、またこれから生まれる後輩たちのために、ちょっとした参考になるようなことを書いていきたいと思います。ムード

posted by 宮崎佐和子 at 21:46| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ 香川県漆芸研究所について
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