11月10日に、うるしかきの終わった研修林の伐採も終わり、地元に戻られたそうです。
おつかれさまでした。

今日は、ご実家(香川県なんです)に戻られたあと、工房にも寄ってくださいました。
松本が行った頃に比べて、あまり環境がいいとは言えない研修林のウルシの木たちを相手にの奮闘、たいへんだったと思います。そして、素朴なうるしの里、浄法寺町は近年大きく変化しているのですが、その中での数ヶ月の体験は別の意味でもとても貴重だったと思います。
ほんとうに、お疲れさまでした。


一番ご近所の大釜うどんさんです。

中央が臼杵さん。(お連れの男性はお弟子さんだそうです)
もうこれから京都にお帰りだそうで… 乾杯!とはいかないのが残念なところですね。

臼杵さんのうるし掻き中のブログ。
今年の研修の奮闘ぶりの様子を、ぜひごらんくださいね。^^
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…それにしても…。
こうして、うるし掻きの研修生の友人が増えていくのは、とても頼もしいものがあります。
漆芸の源流に触れて本来あるものが理解しあえる人がだんだん多くなってくれるのは、私たちにとっても、すごくうれしいことなんですよ。
数年前までは、作り手が「うるし掻きにまでかかわる」というのは、いろものと言いましょうか、なんだか「よけいなことをしている」という雰囲気があったりしました。(お客さまは決してそう思わないでしょうが… 漆をされている方の間ではそんな空気感を感じることが多かったです)

ましてや、「国産漆を使う」こということじたいがなくなってきた日本という国ですから、いろいろと隠された部分があまりにも多く、日本産の原材料に触れるということは、かなり勇気のいることでもあったのです。
そして漆芸という伝統工芸の手仕事と、原材料のうるしの育成や採取は、長い間まったく別分野の仕事とみなされてきて、不干渉の部分が多々ありました。
時代の変化とともに、そういった位置づけでものごとを進行していくには、かなりぎくしゃくしてきたのですが、それが近年の文化庁の事業のてこ入れや、漆樹液産地の地元の方々の努力のおかげで、だんだん解きほぐれてきたような気もします。
まだまだほんの小さな変化にすぎないのでしょうが…。
以前と違って、「この時期のあのうるしの表情っていいよね!」とか「あの人の掻いたうるしは、なかなか好みだ」とか「この漆の木の育ちぐあいは、こんなふうだよね」というような… マニアックな?話題を、自然と交わせる仲間が増えてくるのは、純粋に嬉しいものです。

今年の研修生の皆さま、お疲れさまでした。
これからもよろしくお願いいたします。