2009年11月16日

■「壱木呂の会」のクロメ会・植栽会のレポ/3

こんにちは、弟子の芝吹です。
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先日11月2日〜3日に茨城県の奥久慈で開かれた「壱木呂の会」の行事に、勉強のために参加してきました。※レポ1はこちら ※レポ2はこちら

今回は、3日に行われた植栽会の様子をご報告したいと思います。
どうぞ、よろしくお願いいたします晴れ


◆11月3日(火曜日)

壱木呂の会の植栽会の日。


バッド(下向き矢印)今回は、茨城の苗150本を道沿いのこの場所に植えます。

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道ばたなので、漆を掻く時にも良さそうです。


バッド(下向き矢印)これが植える苗木です。ひげ根がわんさかついて元気exclamation

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バッド(下向き矢印)苗木についていた大きな葉です。

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元々大きな葉がつく苗ではなかったのですが、地元の神長さんが分根法によって優良品種を作り上げ出来た特別な苗です。
様々な方によって、支えられているんだなあと思いました。

バッド(下向き矢印)植え方を教わり、作業開始です。

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植える目印は細い竹が刺さっています。
先に男性の皆様が荒堀をしていき、そこを掘って植えたので、とても植えやすくどんどん植えることが出来ました。
土質はさらさらとしており、農作業ど素人の私にも良い作物が育ちそうな予感のする土でした。

協力して植えたので、あっという間に終わりました。


バッド(下向き矢印)漆畑を背景に、最後に記念撮影カメラ
壱木呂の会

元気にすくすく育ちますようにぴかぴか(新しい)


バッド(下向き矢印)この後に、漆の苗木を育てておられる神長さんの苗畑を見学に行きました。

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この畑の土は更にすごく、ふっかふかです。

バッド(下向き矢印)良い親木の分根の中から良いものを選別して更に増やし、そこから更に選別して、、、と、優良選抜がなされている苗たちです。

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神長さんは本当に苗作りを熱心にされており、勉強になる事ばかりでした。
色々と詳しくお話しくださいまして、ありがとうございます。
私も元気な苗木が育てられるよう頑張らねばあせあせ(飛び散る汗)

今回は壱木呂の会の皆様、荻房の皆様、茨城の地元の皆様、、はじめ、たくさんの方々にお世話になり、深く深く感謝申し上げます。
緊張してガチガチ、フラフラとしていましたが、皆様の情熱にふれ、色々と吸収することがあり、私に出来る事から少しづづでも努力していこうと思いました。
本当にありがとうございました。


おまけかわいい
漆苗だけでなく食用ホウズキも育ててらっしゃいます。
お土産に頂きました。他に食べた事のないトロピカルな味がして美味しいるんるん

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3回にわたり、ありがとうございました。

* * * * * * * *

宮崎です。やっと茨城レポを完了することができました。読んでくださいまして、本当にありがとうございます。(_ _)
壱木呂の会さんは、プロの漆作家さんが国産漆の将来を真剣に考えて活動されている会です。
理想論や絵空事ではなく、10数年以上も前から実際にウルシの木を植え、そして漆を掻き、そして国産漆を使われてらっしゃいます。
会の名前でもあらわれている「一キログラム」の国産漆を、「実際に買い」「そして使う」ということが、現実にはハードルがどんなに高いことか…。
そして、こうした活動を地道に続けていくのに、陰ではどんなに辛いご苦労があることかと思ってしまいます。
地に足のついた先駆者の方々の活動をよいお手本として、未熟ながら私たちも漆のためにがんばっていきますね。


11_16_akaringo_.jpgそして…。
今回の植栽会の苗を準備された、奥久慈漆生産組合の事務局の小野瀬さんから、おみやげに真っ赤なリンゴもいただきましたよ。ムード 写真のリンゴは「新世界」という品種だそうで、これが血のように真っ赤で実が締まって味が濃く、とってもおいしいのです。(四国はミカン産地なので、リンゴは高級品でしかもおいしいものがないんです)
…と小野瀬さんへお伝えしたら、工房に新鮮なリンゴをたくさん送ってくださいました。ぴかぴか(新しい) (わっ、なんだか催促?したような)おかげで、私の周囲の人たちは、茨城の美味を堪能できました。
今回の植栽の畑も土がフカフカで、弟子も土地の豊かさを感じたそうです。
皆さまには本当にお世話になりました…。そして、これからもよろしくお願いいたします。


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posted by 宮崎佐和子 at 23:06| Comment(4) | TrackBack(4) | ■ 壱木呂の会

2009年11月13日

■「壱木呂の会」のクロメ会・植栽会のレポ/2

こんにちは、弟子の芝吹です。
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先日11月2日〜3日に茨城県の奥久慈で開かれた「壱木呂の会」の行事に、勉強のために参加してきました。※レポ1はこちら
今回は、2日に行われた手クロメ会の様子をご報告したいと思います。
どうぞ、よろしくお願いいたします。晴れ

◆11月2日(月曜日)

いよいよ本番の壱木呂の会のクロメ(精製)会の日。

この壱木呂の会では、漆・クロメ道具などは個々で持って来て精製します。
私が工房から持参した漆は、茨城県の漆です。
飛田さんが2008年に盛りの終〜末の頭にかけて、掻いてくださった漆1キロです。※この漆です。


バッド(下向き矢印)この生漆を黒呂漆にします。
 なので、鉄粉を入れました。

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鉄粉の量がとても大事で、0.7〜0.8%です。この量が多いと粘度が高くなり、ねちょっとした漆になってしまうそうです。
鉄粉は毛針屋さんの針の先を削ったものなんだそうで、これにも鉄の種など色々な要素があるようです。


バッド(下向き矢印)鉄分に反応して、だんだん色が変化してきました。

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いつもの青い作業つなぎを着ているのが、私です。あせあせ(飛び散る汗)


カイ(漆を混ぜている棒の事)で鉄粉とともに漆を混ぜていきます。(ナヤシという作業です)グレーになってきました。この黒の漆は、鉄粉と漆の化学反応によって黒くしていきます。
カイは、持って行ったものより、荻房さんにある形のほうが良いとの事で、貸して頂きました。ありがたいです。
お隣の若林さんは赤呂(生漆に何も入れずに精製)なので、色が茶色く変化しています。




バッド(下向き矢印)だいぶ黒くなってきました。慣れない私を、会津で漆掻きをされている谷口吏さんがご指導をしてくださいました。ありがとうございます。もうやだ〜(悲しい顔)

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バッド(下向き矢印)この後はストーブの熱によるクロメです。
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桶を斜めにして、カイで漆を下から上に持っていきます。上から流れてくる間は何もせず待ちます。この流れてくる間に、ストーブの熱により徐々に水分を飛ばしてゆきます。この作業をクロメといいます。


バッド(下向き矢印)水分が飛んできましたexclamation グレー調の色が変わり、透明感のある黒色に変化してきました。

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黒呂漆っぽくなってきて、うれしいですexclamation 


バッド(下向き矢印)最後に調子を見て、完成ですぴかぴか(新しい)

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漆の質感が変わって、タライの底に私の姿が鏡のように写り込んでますぴかぴか(新しい)
最後は付け(サンプル)をとり、漆を光に透かして色味などをみて水分具合を感じて、良い所でやめます。微妙な所が私にはわからないため、一番最後は見てくださいました。

この手クロメ会では、私はもたもたとして、皆様にご迷惑おかけしてしまい、申し訳ないです。皆様、お助けくださり、本当に感謝しております。ありがとうございました。



おまけ夜
この日の夜は、懇親会が催されました。
壱木呂の会の方々や茨城県の地元の漆関係の方々と、私もご一緒させていただきました。めちゃめちゃ緊張しまくりでしたが、いろんなお話が拝聴でき、勉強になりました。
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次は3日の漆苗植栽の様子です。
いつもありがとうございます。


* * * * * * * *

宮崎です。
何度も「緊張しました もうやだ〜(悲しい顔)」と言っていた弟子ですが…。本当にはんぱなくバッキバキになっていたらしいですよ。;; (荻房の本間健司さんや奥久慈漆生産組合の小野瀬さんから、その様子をのちほどお聞きしました。汗)

11_2_supu-n_.jpgこうしてできあがったのが、この黒呂漆です。ぴかぴか(新しい) ここまで来るのに、ほんと、多くの方に助けていただきました…。よい作品に生まれ変わらせてあげたいと強く思いました。
翌日は、苗の秋植えですね。そのレポもいよいよ楽しみになってきましたよ。



posted by 宮崎佐和子 at 23:21| Comment(2) | TrackBack(0) | ■ 壱木呂の会

2009年11月06日

■「壱木呂の会」のクロメ会・植栽会のレポ/1

こんにちは、弟子の芝吹です。
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先日11月2日〜3日に茨城県の奥久慈で開かれた「壱木呂の会」の行事に参加してきました。
そのときの様子を、何回かに分けてご報告したいと思います。わーい(嬉しい顔)

会は11月2日からですが、こちらは四国からの出発…。
当日出たのでは間に合いません。あせあせ(飛び散る汗)
なので、10月31日の夜から夜行バスで東京へ出て、そこから電車で向かうという、交通ルートをたどりました。
東日本には滅多に行かないうえに、今回は「大人の会」注/プロの漆作家さんの集まり ということで、最近まで学生だった私は、いつも以上に緊張でドキドキです。


◆11月1日(日曜日)

一日早く茨城入り。
この日は、明日、壱木呂の会のクロメ会が行われる会場となる、奥久慈荻房の見学をさせていただく。
(本番の会は11月2日に手クロメ、3日に植栽)



バッド(下向き矢印)奥久慈荻房の周りの風景です。
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ここでは轆轤で木地を作られたり、漆を掻かれたりされています。


バッド(下向き矢印)轆轤の見学です。
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轆轤専用の部屋の様子です。刃物も全部自前だそうで、写っている以外にもたくさんありました。
この轆轤は山中方式とのことでした。山中、郷原、香川と少し観ただけなのですが、轆轤もいろんなスタイルがあるようで、やはり奥の深い世界だなあと思います。

バッド(下向き矢印)倉庫には木地もたくさんです。すごいexclamation
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ここの荻房の本間健司さんが、今年掻いた漆の木も見学させて頂けました。


バッド(下向き矢印)なかでも三腹掻きの大きな木に感激ですぴかぴか(新しい)
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直径30センチ以上あるこんなに太い木を見られたのは初めてなので、おおーっexclamationという感じでした。この木の周りにはあまり木はなく日当たりがよさそうな場所でした。ここは、本間さんが今年掻かれた中でも一番大きな木の中の1本です。

年数が経っていても条件が悪いと、枯れたりヒョロイままだったりとなかなか太い木を探すのは大変そうですあせあせ(飛び散る汗)

本間健司さんは、昨年の「日本うるし掻き技術保存会」の長期研修生。私もお話には聞いていましたが、その成果のお仕事を見ることができてよかったです。
※本間健司さんの研修の様子



バッド(下向き矢印)日本文化財漆協会の畑もありました。看板があります。

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1998年からなんですね。看板があるとわかりやすいです。

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この漆畑は今年掻いたものだそうです。

周辺に漆畑や道路から見える所に掻ける木が点在しているので、産地はすごいなあと実感しました。


※おまけ
夜行バスで東京に着いたのが11月1日の早朝で、電車の時間まで、中途はんぱな時間があったので、上野公園を散歩しましたよ。

バッド(下向き矢印)その時の猫さんでするんるん
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せっかくの東京で、ほんとは時間があったら美術館とか行きたかったのですけど…。でも、夜行バスから降りたあと、公園をぶらぶらできて、気分転換になりました。

次回は、壱木呂の会さんのイベントの一つ、手クロメ会の様子をご報告したいと思います。
ありがとうございました。

* * * * * * * *

宮崎です。
このレポはまだ会の前日なのですが…。
イベント前日のお忙しい雰囲気の中、本間健司さんがいろいろご案内して下さったそうです。ありがとうございました。
今回、ガチガチに緊張し、びびりまくりで茨城入りした弟子ですが、さて当日はどうたっだのでしょうか?
どうぞ、よろしくお願いいたします。


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posted by 宮崎佐和子 at 22:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ■ 壱木呂の会
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