2015年09月28日

■茨城の漆を、天日精製しました。

今夜は、せっかくのスーパームーンが雲で見えませんでした。あせあせ(飛び散る汗)
しかし、日中は夏の名残りを思わせるような好天でしたよ!
このお天気を見て、いつもは塗り部屋にこもっている松本もゴゾゴゾ出て来て、何やら始めました。


バッド(下向き矢印)この設定は…exclamation アレですね。
天日精製 手グロメ 手ぐろめ
久しぶりの天日精製です。専門用語では、手グロメとも言います。
工房では、主に熟成させた生うるしを使う事が多いですが、ときどき自家製の精製を行っています。
道具はいろいろ使ってきましたが、最近はこれを使っています。※たらいのフネとカイ


バッド(下向き矢印)櫂で、漆樹液を持ち上げて、落として流します。(繰り返し)
2015IMG_9213.jpg
お日様にあぶって、ひたすら根気よくかき混ぜます。
今回、精製している漆は、2010年産の茨城県の漆です。飛田さんの漆ですね〜。
写真の右端に写っている樽に入っていました。精製してみた量は1貫弱と少なめです。


作業当初は、このような感じの色でした。
漆の精製 自家製 和うるし工房あい


どんな作業かは、下の動画をごらん下さい。(1分くらいです)



単調な作業ですが、ひたすら続けます〜〜〜。あせあせ(飛び散る汗)あせあせ(飛び散る汗)あせあせ(飛び散る汗)


バッド(下向き矢印)やがて、こんな風紋のような模様が出てくるのが面白いぴかぴか(新しい)
茨城の国産漆 手ぐろめ 自家精製
漆を櫂ですくって落とす間に、表面の水分が飛び、落ちた時には濃い飴色に色が変わります。
それが重なって、このような年輪みたいな模様になるというわけですね。ぴかぴか(新しい)


そして、だいたい3時間後。

DSC_4975.jpg
だいたい仕上がりました…。
ねっ、カラメルみたいな美味しそうな色でしょ??
香ばしく、甘い味がするんじゃないのと思ってしまいそうです。

今日、天日精製したこの漆は、もとの樽に一度おさめられました。
もうしばらく安静にして、また様子を確認しようと思います。わーい(嬉しい顔)
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posted by 宮崎佐和子 at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) |   漆の精製

2013年07月22日

■2007年産の浄法寺漆を精製しました。

毎日毎日鉄板の上でいるみたいですね〜。
朝8時くらいから、もうセミがわんわん鳴いていて、いっそう暑さをそそります。

さて、そんなお天気晴れの今日は、漆の精製にもってこい!
…ということで、太陽熱を利用した「天日精製」を行いましたので、ちょっとお見せいたしますね。ムード


舟と櫂1←この大きめのタライと、自作のカイを使います。



今回、精製する漆は、2007年産の浄法寺漆です。
大森俊三さんの末辺漆。よい漆なのですが…個性的な我が工房の漆たちの中では、いまいちキャラが弱いので、ちょっとテコ入れ?して特長を出そうということになりました。
(なんという理由…タレント事務所みたいですねあせあせ(飛び散る汗)

このままでは、個性派ぞろいの工房の国産漆の中で、埋もれてしまいそうです。
そこで精製で、ちょっと表情にエッジを立てるのが目的です。





バッド(下向き矢印)このおとなしい子ちゃんの漆は、2キロちょっとくらいあります。
国産漆の天日精製1
ちょっと風がありましたので、漆液がなびいています。
(量が少ないから、このタライでいけるだろうと思っていたのですが、これが後ほど困ったことに…)


タライに入ったばかりの漆。
国産漆の天日精製2
空気に触れた箇所は色が濃くなります。


漆樹液は、ウルシオールと水分その他の成分のエマルジョンです。
「漆の精製」は、その漆樹液を加熱撹拌することで、水分を飛ばし成分を均一化させることが一般的な目的です。
通常は、品質のよくない生うるしを精製して保存できる状態にすること、精製漆にして油や他の素材が混入しやすくするために行います。
人工熱で加熱し、専用の機械で撹拌することが大半の精製漆ですが、ここはノスタルジックにお日様の熱と人の手で行います。(だから、うちの工房では夏によく行われるんですね〜)


バッド(下向き矢印)天日精製は、こんなセッティングでやってみました。
国産漆の天日精製4
(ひそかにイベント好きのミルミルが控えています)

一般的ではありませんが好みのポイントとして、
(1)上にタープを張って、漆液の表面に当たる太陽光の量を調整
(2)扇風機で漆液の表面に送風
(3)パン発酵用のパンメーターを設置、温度を測る
…などがあるでしょうか。


バッド(下向き矢印)ということで、漆液を手製のカイでゆっくりと持ち上げて落としていきます。
国産漆の天日精製3(ひたすらこのくり返しです)
国産漆の天日精製5
…カラメルみたいな色ですね。いい漆はなんだか美味しそうな雰囲気を持っています。

国産漆の天日精製6
温度を常にチェックします。最終近くはドライイーストのメモリあたりに上げていきます。

国産漆の天日精製7
だんだんといい感じになってきました。もうちょっとで出来上がるかな?

…と、思っていたんですが…。


なかなか仕上りません。ふらふら

ま、まだあがらないのはなぜ〜〜?
国産漆の天日精製8
10時から開始して、すでに12時前…。
たった2キロの漆なので、もうお昼に余裕に間に合う予定だったのですが、意外とてこずっています。


バッド(下向き矢印)もうちょっとなんですけど…。
国産漆の天日精製9

どこまでを「仕上がり」をするかは、ガラス板に漆を薄く乗せて(いわゆるツケを取る)見てから決めます。


バッド(下向き矢印)精製している漆をチェックする松本。もう少しのはずなのに、まだまだ。
国産漆の天日精製10

12時半過ぎてから、やっとゴーサインが出て、精製完了となりました。ぴかぴか(新しい)



国産漆の天日精製11精製の終った漆ちゃん、キラキラです。


バッド(下向き矢印)このあと、濾し上げされたました。
国産漆の天日精製12
それにしても、けっこう時間がかかったのは意外でした。
ちょっと、このタライでは小さいうえに、深かったのかもしれません。あせあせ(飛び散る汗)
松本いわく、精製して表情を変えて見てみたい漆はわんさか控えているので、大きな精製用のフネをこしらえるかもしれないとのことでした。
…確かに、今回は2キロ強でしたが、五貫樽の漆(約19キロ)を精製しようと思ったら、かなり果てしないですものね〜。

さてさてそれにしても、大森俊三さんの末辺漆はとびきり変わった個性派ぞろいなので、おとなしめの漆は珍しいです。
どんなふうに表情が変わったのか楽しみです。ハートたち(複数ハート)


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posted by 宮崎佐和子 at 23:36| Comment(2) | TrackBack(0) |   漆の精製

2013年07月21日

■漆を精製する道具、櫂を作りました。

今日、写真撮影中に、デジカメが急に動かなくなってしまい… ご臨終が確認されました。もうやだ〜(悲しい顔)
ショック〜〜。急きょ新たにデジカメを買うことになってしまいました。
(機材が新しくなるので、松本は嬉しそうですが;;)
最近、よくものが壊れるような気がします… でも、この暑さは関係ないですよね?
パソコン関係に、何か来ないように祈りたいです。


さて、そんな今日は新しく作った「ある道具」をお見せしたいなと思います。


バッド(下向き矢印)真ん中の白木の道具です。
舟と櫂1
大きなタライといい…いったいこれは何の道具でしょうか??

実はこれ、漆精製用のフネとカイなんです。

精製してみたい漆がありまして、フネにするタライはあるのですが、カイがなかったので松本が木工で作りました。


バッド(下向き矢印)タライの中で、太陽熱を当てながら、カイで撹拌します。
舟と櫂2

お天気のいい日に、天日にて精製する予定です。
また、詳しくお知らせいたしますね。ムード



涼んでいるうり坊さて、今日のおまけ写真はうり坊です。
この猛暑の中、お外で何をしているかというと、涼しい場所でマッタリとしているんです。
このように車の下は猫さん大好きですね。きっと風が良く通って涼しいんでしょうね。ぴかぴか(新しい)


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posted by 宮崎佐和子 at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) |   漆の精製

2011年01月04日

■茨城産漆を天日クロメしました。

茨城産漆3←お正月、初荷で届いた茨城産漆。
一貫(約4キロ)あります。
ものすご〜い猛暑だった、昨年の真夏に採取した漆です。
この漆を、一部さっそく天日で精製したので(寒クロメですね)その様子をお見せしたいなと思います。


バッド(下向き矢印)ギラギラ、真夏の太陽の光を集めて出来た漆です。ぴかぴか(新しい)
 1月2日に、精製をしました。
国産漆の天日くろめ3


大きなタライに漆を入れ、ヘラでまわしながらくろめました。
国産漆の天日くろめ1

国産漆の天日くろめ2

バッド(下向き矢印)きらきら輝いて、漆が喜んでいるように見ますよ〜。ムード
国産漆の天日くろめ5

しばらく経つと…。
国産漆の天日くろめ4

だんだん色が変わってきました。
この後、具合のいいところで精製を終わり、漆を回収しました。

さて、今回の漆ですが、来てからすぐに漆を濾してごみを取ったのですが…。


バッド(下向き矢印)こんなにたくさんイゴソ(木クズ)が入っていました。あせあせ(飛び散る汗)
いごそ
まずは最初の粗濾し、粗い網で濾しました。
なんだかツチノコみたいになっていますが… 最後に木槌で押して漆を回収したので、こんなカタチになってしまいました。がく〜(落胆した顔)

浄法寺の漆掻きさん(大森俊三さん、大森清太郎さん)の漆には、あまりイゴソが入っていないのですが…。
茨城の漆(飛田さんの漆)は、ワイルドですね。
イゴソは多くない方が品位がよいのですが、こういったところなどで、飛田さんらしい漆になるのでしょうね。

どんな塗り肌を見せてくれるのか、楽しみです。ムード
(このあと、松本は中学の同窓会に行きました。ギリギリの出発でしたが… なんとか間に合ったようです、ホッ)




むぎさて、今日のおまけ写真はむぎ君です。今日は、むぎ君をモデルに写真撮影を行いました…。
なんとむぎ君は、新しい工房のお店の店長さんになる予定なのです。(ネットショップです、まだお店は準備中ですが…)『ウギャ〜、報酬は上場企業の幹部並みだニャ〜』
数切れの刺身に釣られ、がんばったむぎ君です。ムード

posted by 宮崎佐和子 at 22:26| Comment(0) | TrackBack(0) |   漆の精製

2010年08月19日

■2010年 漆の天日精製。(おまけ)

8月15日は、工房の庭で天日精製をしました。
今日はその続編のレポです。ムード
天日精製・天日くろめとは、専用の「フネ」と「カイ」を使い、自然の太陽熱と人力で漆を精製する、ノスタルジックな作業です。(現在はもちろん、機械精製が主流です)

この日の作業の内容は、

9時前〜10時前/2008年の大森清太郎さん(浄法寺産漆)の盛辺一貫。
10時〜11時/2009年の大森俊三さん(浄法寺産漆)の末辺一貫。
午後〜/2009年の飛田祐造さん(茨城産漆)の盛辺一貫。
 

で、昨日は、2009年の大森俊三さん(浄法寺産漆)の末辺一貫の精製の様子をレポいたしました。  ※レポはこちら。
そして今日は、2008年の大森清太郎さん(浄法寺産漆)の盛辺一貫の精製を、すこしお見せいたします。
作業内容はかぶりますが… 少し違う角度でごらんくださいね。


バッド(下向き矢印)天日精製のために作った作業スペースです。
天日精製1
(ミルミルが参加していますね…;;)
日除けにタープを張り、フネをよい角度に調節できるようセッティングし、ヘラ、ツケ用のプラ板、ウエスなどを用意しています。

朝一番から、予告もなく突然行われた、清太郎さんの漆のクロメ…。
…アシスト&カメラマンの私は寝坊していて、スタートする時の写真がなかったりします。(いえ、起きてはいたんですが…紫外線さんさんのお外に出る装備の準備に手まどって ←言い訳)


バッド(下向き矢印)私がカメラを持って駆けつけた?時には、もうすでにかなり精製が進んでおりました。あせあせ(飛び散る汗)
天日精製2
わあ〜〜 キレイ。ぴかぴか(新しい)

この清太郎さんの漆は、やや固めに感じてしまいました。
(実はすごくサラサラなんですが… 慣れている俊三さんの漆がシャバ過ぎるので、なんだかこちらの感覚が現実離れしてきています)
…こんなのとか →※俊三さんの漆の「漆カーテン」


バッド(下向き矢印)精製の度合いをチェックする松本。
天日精製3
天日精製4
フネの漆が鏡面になって、周囲の景色をクッキリ映し出します。

天日精製5
もう、だいぶいいようです…。

さて、真夏の太陽の熱を使って、精製しますが、温度の上がり過ぎには十分注意しないといけません。
常に、温度計とにらめっこexclamation
一定以上の高温になってしまうと、漆の中の酵素が作用しなくなってしまうのです。
…大事なうるしをいい状態に仕上げるまで、気が抜けません。たらーっ(汗)

      バッド(下向き矢印)動画もぜひ、ごらんください。(一分程度)

精製が終わって、樽に戻すところまで入っています。^^

さて、この日の午後からは「2009年の飛田祐三さん(茨城産漆)の盛辺一貫」を仕上げました。
…が、私は午後から親戚の集まりに行きましたので(だってお盆なんだもん)残念ながら、飛田さんの漆の画像・動画はありません。
飛田さん、ごめんなさい。


    バッド(下向き矢印)そうそう、たくさん虫がやってきました…。
天日精製6
ブイブイさん。

ハチ、カ、ハエ、ブイブイなどの虫さんたちが、虫さんたちが…。漆のニオイに釣られて、大勢やってきました。ひ〜〜がく〜(落胆した顔)
「あっちいけ〜〜」と追ったりするんですが、哀れ、漆の中にドボンするブイブイさんもついに登場。
「ここにつかまれ!」とヘラを差し出し、レスキューしたものの、漆漬けになってあっという間にお亡くなりになりました。

…うるし樹液って、かなりの引力があるみたいです。たらーっ(汗)



白いおたまさて、今日のおまけ写真。うちで育てている白いおたまじゃくしさんです。…強烈な紫外線のせいか、なんだか色が濃くなってきています。(以前は目立たなかった模様が… ※8月始めの姿)ちぇ〜。
それでも、成長の気になるかわいいおたまさんです。ムード

posted by 宮崎佐和子 at 20:48| Comment(2) | TrackBack(0) |   漆の精製

2010年08月18日

■2010年 漆の天日精製。

あいかわらずの猛暑続きですが…。
お盆を過ぎたことから、例年通り、夜にはコオロギさんが鳴くようになって「やっぱり秋は来ているんだexclamation」とホッとしている今日この頃です。^^

さて、お盆のまっ盛りの15日。
朝9時から、今年のウルシの天日精製(天日クロメ/太陽の熱を使って漆を精製すること)を行いました。※去年の天日精製のレポ

精製した漆は、一貫ずつで三種類。
   2008年の大森清太郎さんの盛辺一貫。
   2009年の大森俊三さんの末辺一貫。
   2009年の飛田祐造さんの盛辺一貫。
 です。

このうち「2009年の大森俊三さんの末辺一貫」の精製の様子を、動画付きでアップいたします。
クリックで拡大する写真も多いです。
マニアックで、長〜〜いレポとなりますが… どうぞ、ごらんくださいますと幸いです。ムード


バッド(下向き矢印)2009年の大森俊三さんの末辺の樽です。
天日精製1
もう、浄法寺漆の認証制度が発足してからの漆なので、認証マーク付きです。

バッド(下向き矢印)大事な漆の蓋をそっと開けます…。
天日精製2
天日精製3
きれいな漆でしょう?
表面の上澄みはこんな様子です。


バッド(下向き矢印)漆を精製する「フネ」に、樽の漆を流し入れます。
天日精製4
今年も、竹内工芸研究所の竹内義浩さん(2007年日本うるし掻き技術保存会長期研修生)からお借りした、漆クロメ用の「フネ」と「カイ」を使います。


    バッド(下向き矢印)漆を流し入れる様子です。ずっと冷暗所に安置しているので、漆が沈殿して2層に別れています。底には白い部分が溜まっているのが分かります。

バッド(下向き矢印)そして「カイ」を使って、朝10時頃より、漆の精製が始まりました。
天日精製5

    バッド(下向き矢印)精製の様子です。こうして、漆をカイで流して水分を飛ばします。また、漆を張ったフネの表面をよい角度で日光に当て天日消毒をします。


バッド(下向き矢印)このフネに入った漆には、計測装置が二つセットされています。(これが大事なんです)
天日精製6
天日精製7

必須の温度計と… そして、松本がお気に入りの「パンメーター」です。(パン発酵用の温度計なんだそうです)



バッド(下向き矢印)漆の色が澄み、カラメルのような泡が出てきて、とってもキレイです。(マニア視点でスミマセン…;;)
天日精製9
バッド(下向き矢印)カイを上げた瞬間、「漆のカーテン」が一瞬見えます。
天日精製10
何度もシャッターを切って、この瞬間を撮りました。これまたマニアックな話ですみません…。

バッド(下向き矢印)時々、漆を透明なプラスチック板に付け、色や透明度などを見て、精製の度合いをチェック。
漆の精製15

バッド(下向き矢印)だんだん、きれいな澄んだ色になってきましたexclamation
天日精製12
天日精製11
もう、そろそろかな…??


バッド(下向き矢印)松本が気に入った度合いで精製できました。ぴかぴか(新しい)天日精製13
漆の樽に、漆を戻します。(2009年の大森俊三さんの末辺一貫の写真を撮り忘れたので、2008年の大森清太郎さんの盛辺の作業の時の写真です)


…さて、作業には約1時間かかりました。あせあせ(飛び散る汗)
暑い中、お疲れ様です〜。(私は紫外線を恐れて、大半を屋内で過ごしていました…)

この樽に戻した、天日精製漆さんですが、この日のうちに塗り部屋に移動し、荒濾し(大きなごみを濾し取る)をしました。


バッド(下向き矢印)荒濾しがほぼ終わった、2009年の大森俊三さんの末辺一貫です。
天日精製14
この直後に、松本は漆に大かぶれしました…。がく〜(落胆した顔)

どんな塗り肌を見せてくれる漆になるんでしょう?
とっても楽しみです。ムード



漆かぶれさて、松本だけではなく私もしっかりかぶれていました…。天日精製のアシスト中に、微細な飛沫が飛んであちこちについていたらしく… 手のあちこちにかゆ〜いブツブツが。もうやだ〜(悲しい顔)(最初は気づかず、虫さされかな?と思っていました)
顔についていないだけ、ラッキーだったかな。たらーっ(汗)

posted by 宮崎佐和子 at 23:22| Comment(4) | TrackBack(0) |   漆の精製

2010年08月15日

■(予告)漆の天日精製をしました。

皆さん、いいお盆休みを過ごされてらっしゃいますか。ムード
ここ数日、ずーっと薄曇りのお天気だったのですが、今日は朝から晴天晴れでしたので、漆を天日精製をしました。


バッド(下向き矢印)精製をし終わった漆の入った樽です。
天日精製1天日精製2

お昼までに、浄法寺産うるしの一貫樽を二つ、精製することができました。
午後から、貯蔵庫から樽を出してもう少し精製してしまうみたいです。

なが〜いマニアックな?レポになるかと思いますので…。
また後日、詳しくご報告したいなと思います。^^



お昼寝むぎ今日も朝からお座敷で、グタッと寝ているむぎ君です。(体の表面積を思いっきり広げているんでしょうね…あせあせ(飛び散る汗)
アウトドア派のミルミルとうり坊は、漆の精製しているお庭で、追いかけっこしたりして遊んでおりました。


posted by 宮崎佐和子 at 12:51| Comment(2) | TrackBack(0) |   漆の精製

2009年11月04日

■手グロメの黒呂漆。

先日、「壱木呂の会」さんで、弟子が手グロメ(精製)してきた茨城の漆(飛田さんの漆)が、今日、いろんな荷物と一緒に戻ってきました。

さっそく、ちらっとお見せしますね。ムード


バッド(下向き矢印)きれいな「黒呂漆」になって戻ってきました。ぴかぴか(新しい)
11_5_kurome_1_.jpg
※黒呂漆/鉄粉で黒く酸化させた精製漆のこと。

さっそく、弟子があら濾ししましたよ。^^


バッド(下向き矢印)この黒呂漆、ラップをめくって、表面を撮ってみたけれど…。黒すぎてあんまり写りませんよ〜あせあせ(飛び散る汗)
11_5_kurome_2_.jpg
ミルミルより黒いです。(あたりまえか…)

11/12ヘラ立て←昨年、届いた時の状態。
こんな生うるしが、一年後にまったく違う表情の漆になるなんて…。もしかしたら、うるし自身が一番びっくりしているかな??

このぴかぴかの黒呂漆で、堆黒板をつくろうかな?という計画が持ち上がっています。わっ、楽しみexclamation (そしてぜいたくですね…)

ほんとう、漆って面白いなあとつくづく思いました。ぴかぴか(新しい)

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posted by 宮崎佐和子 at 23:51| Comment(8) | TrackBack(0) |   漆の精製

2009年08月06日

■漆の「天日くろめ」の様子です。

お待たせしましたexclamation
天日…つまり自然のお日様晴れと人力による、漆の精製『天日くろめ』を先日しました。

「漆の精製」は、現在はプロの漆業者さんが機械を使って行うものです。
でも、ノスタルジックな作業として、または漆の原点に近づく作業として、漆の団体や作家さんが、今でも行っていたりするんですよ。


バッド(下向き矢印)機械による精製の様子。
機械くろめさて「漆の精製」は何かというと…。
(以下、ちょっとややこしい説明文になります)

木から採取したそのままの樹液は「荒味うるし」、それの木クズなどを濾しとっただけのなまのうるしを「生うるし」と呼びます。
この「生うるし」、ウルシの木の体内で作られた液体ですが、主成分の樹脂「ウルシオール」のほか、何割かの水分、そしていくらかの糖分やゴム質などが入り混じった天然のエマルジョンです。
この自然に混じっている「何割かの水分」を「生うるし」から取り除き、やや不安定なエマルジョンを均一化してやる作業のことを「精製」、用語では一般的に「ナヤシ(均一化すること)」「クロメ(水分を取ること)」といいます。
この「ナヤシ」は、生うるしを「撹拌」することで行い、「クロメ」は熱を加えることによって水分をとばしてやります。
この漆の精製、ナヤシ・クロメはたいへん繊細な作業でなおかつ作業のそばからなかなか離れることはできません。特に、精製中の温度の温度が上がりすぎると、漆の中の酵素が破壊されてしまうので、温度管理にはたいへん気をつけます。


* * * * * * * *

工房で使っている漆の大半は「生うるし」です。
最近はさすがに少なくなりましたが、上塗りの漆さえも「生うるし」を使っていました。(塗り上がりの表情がたいへん面白いです)
そして今回は、精製してみたいなあと思う漆が、何貫かたまってきたので、じゃ工房で天日精製してみよう!ということになったのです。あせあせ(飛び散る汗)

8_1_hune_.jpg竹内工芸研究所の竹内義浩さん(2007年日本うるし掻き技術保存会長期研修生)から、漆クロメ用の「フネ」と「カイ」を
お借りして…。



8月4日の朝、庭にセッティングしました。
今回、精製したのは、2006年大森俊三さんの盛り辺です。

バッド(下向き矢印)天日くろめ、開始です。

「フネ」を傾けて中の生うるしが流れるようにし、そして扇風機をセット。そして、一番大事な「直射日光晴れ」が中のうるしに当たる面積をを調節できるようにしています。
8_4_seisei_2_.jpg
クリックで写真が拡大します。

…さて、そこで。
上の写真は開始直後なのですが、漆のことを知ってらっしゃる方は「あれ、生うるしの色がちょっと…?」とお気づきの人もいらっしゃるかもしれませんね。
世間一般で、「漆の精製」前、もしくは精製が始まったばかりの「生うるし」は、
8_6_yama_eda.jpg←こんな色 をしています。
漆は、水分が多いとこんなクリームっぽい乳白色になります。(ちなみに左の写真の漆は、2006年大森俊三さんの枝漆です)
「一般的な生うるし」は、こんな白っぽい色で、これが精製が進むにつれて濃い飴色に変わっていきます。そのさまはなかなか面白いのですが、工房の今回精製した「生うるし」は、最初からほぼ飴色だったので(水分が最初から極端に少ない)、天日精製によるその変化のさまは、写真では少し分かりにくいかも知れません。あせあせ(飛び散る汗)



さて、気をとり直して… こんなふうに道具を使って、クロメを行います。(作業中の音声入りです)

8月4日午前11時20分ごろ開始、10分経過。
天日くろめ1
天日くろめ1
by waurusi
気温は30度以上。フネにはいろんな計器を設置しています。

最初は、うるしの粘度がやや高く、流れ落ちる速度も少しスローです。水分がとんでクロメが進んでくると、このうるしの流れる速度も変わっていきます。

さて、この時はほぼ全面に日光晴れが当たっており、すぐ漆の温度が急上昇。動画の中の音声にもあるように、このあと日の当たる部分を少なくしました。


8_4_seisei_3_.jpg
クリックで写真が拡大します。



そして「天日くろめ1」から10分後の動画です。

天日くろめ2
天日くろめ2
by waurusi


漆の流れ落ちる速度が、上の動画の時に比べて、早くなっていることがお分かりでしょうか? 生うるし中の水分が少なくなって、粘度が低くなってきています。


8_4_seisei_4_.jpg途中、透明なプラスチック板にクロメ途中の漆を少し伸ばしつけて、色や不透明ぐあいをチェックします。(このぐあいは、なかなか微妙で説明するのが難しいです)
こうして、確認しながら、よい加減と思うまでクロメ作業を進めていきます。








そして、開始から約30分後。
天日くろめ3
天日くろめ3
by waurusi

漆が、かなりサラサラになってきています。

これからほどなくして、松本が漆のクロメ状態を確認して「上がり」の判断を出しました。

開始から片づけまで、40分ほど。
もともとの生うるしが、水分の少ないものだったこともあって(なんせ、大森俊三さんの当時の盛り漆ですから…)あっけないほど早く終わってしまいました。あせあせ(飛び散る汗)
今回は、撹拌して漆のエマルジョンを均一化させる「ナヤシ」ではなく、水分をとばす「クロメ」が目的だったことが早く終わった理由の一つかもしれません。



バッド(下向き矢印)「天日くろめ」が終わって、樽に戻されたうるし。
8_4_seisei_5_.jpg
クリックで写真が拡大します。


バッド(下向き矢印)工房の作業部屋に戻って、濾しました。
8_4_seisei_6_.jpg

8_4_seisei_7_.jpg
うん、なかなかきれいないい色だと思います。ムード
この自家精製漆は、これから上塗り漆なる予定… 松本の予想では面白い塗り肌になるはずなんです。


* * * * * * * *

さて、今日は長い記事になりましたが…
読んでくださってありがとうございます。

8_4_semi_.jpgおまけ。
漆の木の樹液を吸っている、クマゼミさん。写真を拡大して見てください、ストローをブスッと幹に突き刺していますよ。
おいしいジュースを飲んでいる感じなのでしょうね。

posted by 宮崎佐和子 at 23:55| Comment(2) | TrackBack(0) |   漆の精製

2009年08月03日

■ちかぢか、漆の天日精製をします。

先日、ちょっとお知らせしていましたが、長野の竹内義浩さん(2007年日本うるし掻き技術保存会長期研修生)から、漆クロメ用の「フネ」と「カイ」が、工房に届いていました。
8_1_hune_.jpg実は工房の漆の一部を、天日クロメをしてみることにしたので、竹内さんにお願いして、しばらくお借りすることにしたのです。 (快くOKしてくださいました ムード

さて、荷物が届いたものの、あまりのデカさにすぐ梱包を解くことができませんでした。(これで一貫用なんですよ… 三貫、五貫といったらそうとうなサイズなんでしょうね〜)

で、どんなものかといいますと…。

バッド(下向き矢印)これです。角丸の箱形なんですね。(デカイ!)
8_3_hune_.jpg

さて、これをいったいどんなふうにして、漆の精製に使うのでしょう?
それは実際に使ってからのお楽しみということで… (くわしくアップしますね)
フネの形式はいろいろあって、日本文化財漆協会さんのフネは似たような箱型でした。それが茨城となると(荻房さん、壱木呂の会)のフネは、確か丸いタライ状でした。(先日のNHKさんの中継でも少し映ってましたよ。^^)

できれば明日くらい、もしお天気が晴れ晴れでしたら、このフネとカイを使って漆の天日精製をしてみようと思います。



8_3_meron_mugi_.jpgさてさて、本日のむぎ君です。メロンの入った箱に乗って、中身をあたためております…。6月に「uyda orchard (ウエダオーチャード)さんに注文していた、キングルビーが届いているんですね。暑気払いのお見舞いとしてほうぼうのお届け先にお送りしたあと、工房用には「キングルビーツートップ」が残って、それをむぎ君が占領しているというわけです。
もうちょっとで食べ時なので、その時が楽しみです。ハートたち(複数ハート)

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posted by 宮崎佐和子 at 23:10| Comment(0) | TrackBack(0) |   漆の精製
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