先日、松本が実家に寄って、茶托を一組持ってかえりました。
後藤塗りの茶托です。
「後藤塗り」は、
香川漆器の技法の一つ。明治時代に後藤太平という方が考案された技法です。
さて、今回松本が持ち帰った茶托とは…?

これです。

中を開けてみますと…。

赤い色の茶托が5組。


これが後藤塗りです。
松本の亡くなった父の師匠が作った後藤塗りの茶托です。
松本が、今後の自分の仕事の方向付けの一つになれば… と思って、ふと引き上げて来たものなんですよ。
「後藤塗り」とは、どんな技法の塗りか大ざっぱに言いますと…。
朱漆を塗り、その塗膜が乾く少し前のタイミングで、表面に凹凸をつけ、その上からフセ(溜)をかけ、研ぎ出し、艶付けをしたものです。
朱溜の一つ、変わり塗りの一種というところですね。^^

ちなみに、松本が持ち帰った父の師匠の後藤塗りの表情はこんな感じです。
(クリックで写真が拡大します)

…松本が父の仕事を手伝いだしたころ(小学三年生くらい)の
時には、もうあったものだとか。だから、制作されてから30年は経っているということになりますね。

その時から、もうこんなに鮮やかな赤色をしていたんだそうです。その師匠もかなり前に亡くなりましたが… 京都で修行された方ですから、生粋の香川県育ちの漆職人さんとは少しセンスの違う、優しい雰囲気の後藤塗りです。

さて、この茶托を作った師匠の「後藤塗り」の表情の決め手は、漆の良さと顔料の発色の良さ。
松本の仕事の原点で、これを小さい頃から見続けて育ったそうです。
私の知らない時代の、いろいろな想いがあるんでしょうね。
この猛暑の中、真っ赤な茶托をつまんで、寝転がってずーっと眺めている松本でした…。
※宗家の後藤塗りの後藤さんの記事はこちら
今日のおまけ写真。
ウルシの木の葉っぱにとまった、不思議なチョウチョさんです。なんというチョウチョさんなんでしょう? しばらくしていなくなってしまいましたが、お洒落なチョウだな〜と思いました。
posted by 宮崎佐和子 at 21:28|
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